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1話


えっまさかの姉と妹が転生者でお互いをつぶしあってる!?

しかも私はサポートキャラ・・・と思っていたら、どうやらここは

次女がヒロインの10周年記念に発売されたファンディスクが舞台のようです


お互いがヒロインでお互いが悪役令嬢だとつぶしあってる姉妹を

破滅の道から救いましょう!

恋愛?ぶっちゃけどうでもいいです。


初めての投稿なので稚拙な文章だと思いますが、よろしくお願いいたします。

「こんな事ってある・・・?」


初めまして皆様アイリス・ロマイニ、ロマイニ侯爵家の次女です。

苛烈な美人姉と素朴だけど可愛い妹をもつ、ちょうど間のような私。

幼い頃から仲の悪い姉と妹に挟まれて、二人の取り合いに巻き込まれていました。

一人でも味方を増やしたいのかと思いつつ、どちらも血のつながった姉妹、どちらかに偏るのはと思っていた数分前、私は妹と姉二人の秘密を知ってしまいました。


あれはそう、今日あった年の初めの大きな夜会の後、二人揃って私に宝石を預けたまま部屋に帰ってしまったので届けに行ったときの事


「ふふ、レオン殿下ってば婚約者は君がいいだなんて!」


よほど楽しかったのか妹のアンナの部屋からははしゃいだ声が扉の外まで聞こえてきていました。

このまま中に入ったら惚気話を聞かされるかもしれないわねなんて思いながらノックしようとしたそのとき


「よし・・・順調に攻略できてるわね!」


・・・攻略?

その言葉を聞いた瞬間、まるで魔法が解けたかのようなそんな不思議な気持ちになりました。

そしてすとんと今私が生きているこの世が前世で遊んでいた乙女ゲームの世界だと言う事を悟りました。

ええ発狂するかと思いましたよ、今まで歩んできた人生は決められていたモノだったと思いましたから。

ですが、叫びだしそうな私を止めたのは妹の声でした。


「あー早くアイリスお姉様を味方にしないと逆ハーに進めないし、あいつを生け贄にして魔王様を復活させれないじゃない」


至極めんどくさそうにとても物騒な発言をする妹にめまいを感じつつ、そういえばとゲームの内容を思い出しました。

このゲーム『星の輝き』はWヒロインで発売され、片方のヒロインは片方の悪役でまた逆もしかりという別視点を楽しめるゲームでした。

ただどちらも共通するのはどちらのヒロインも、次女であるアイリスを味方に付けて、攻略対象者の情報を手に入れたり逆ハールートを開拓できる仕様だったはずです。

生け贄というのはこのゲーム、逆ハールートに進むと隠しキャラの魔王が解放されのですが、悪役令嬢は魔王を復活させる為に生け贄となる存在として描かれていました。

ちなみに星の守護をもつ攻略対象者とヒロインで倒すという微妙なファンタジー要素が盛り込まれていて、倒しきれなかった魔王が最後はヒロインに惚れてめでたしめでたしみたいな感じで終わったはずです。

たしかその後の魔王様攻略は追加コンテンツが販売されてましたね。


にしても、まったくもってお姉様からしたらぜんぜんめでたくはないですね。

・・・どうしましょう、確かに異様に私と仲がいいイケメンが多いなとは思っていましたがまさか私が所謂サポートキャラだなんて・・・とりあえず渡す物だけ渡してちょっとゆっくり考えましょう


「・・・アンナさん?入ってよろしいですか?」


「アイリスお姉様!ええどうぞ!・・・まぁごめんなさい、すっかり忘れていました」


部屋に招き入れて貰って、預かっていたイヤリングの片方を渡すと恥ずかしそうにはにかみながらお礼を言う妹

昨日まででしたらおっちょこちょいさんで可愛いなんて思っていたのですが、片方のイヤリングを私に渡しておくのは夜会でのイベント発生条件だと知ってしまっているのでなんとも言えません

しかも先ほどの会話も聞いてしまいましたし


「あっ」


「どうかなさって?」


「いえ、なんでもないわ」


妹ヒロインがイベントの為に私にイヤリングを渡してきたのだったら、同じく渡してきた姉ももしかしたら転生者なのかもしれない

そう思い至って、思わず声がでてしまったけれどなんとか引きつりそうになりながら笑顔で誤魔化す。


「そうだ!お姉様良ければお茶を飲んで行かれませんか?」


「ごめんなさい、アメリアお姉様からも預かっている物があるから届けないと」


「アメリアお姉様もアイリスお姉様に預かって貰ってたんですか?」


うっかりアメリアお姉様からの預かり物の話をしてしまった事を悔やむ。

にこにことお茶に誘ってきていた妹の目がすっと細くなって姉の部屋がある方を睨んだ。


「・・・なら明日でもかまいませんわ!お茶してくださいますか?」


「えっええ、明日なら喜んで」


妹の目つきにびびっているとまるで何事も無かったかのごとくにこりと人好きのする笑顔でお茶に誘ってくる妹

正直怖すぎてお断りしたい気持ちですが、急によそよそしくなるのも変なのでいつも通りの返事をしておきます。


さて、次はお姉様にお渡ししに行かないと・・・

それにしてもお姉様ももしかしたら転生者でヒロインでアンナのように逆ハーを狙っているとしたらどうしましょう


「お姉様?アイリスです」


「あら、どうぞ入ってちょうだい」


お姉様の部屋の前まで来て声をかけるが、それまでも妹のようにはしゃいだ声は聞こえなかったし、もしかしたらお姉様は偶然私にネックレスを渡しただけかもしれないですね。


「お姉様、預かっていたネックレスですわ」


「ありがとう、ごめんなさいねすっかり忘れていたわ」


きつそうな見た目の姉だが、微笑むとがらりと印象が変わります。

社交界の男性陣がこの微笑みにやられているのを何回見たことか・・・。


「どうしたの?そんなに見られたら穴が開いてしまいそうよ」


「ごめんなさい、お姉様の微笑みは美しいなって」


「ほめてもお茶菓子くらいしか出ないわよ」


じーっと見つめすぎていたら、話の流れでお茶に誘われてしまいました。

正直ゆっくり考えたいのでお断りしたいのですが、お姉様が転生者なのか確かめるにはちょうどいい機会かもしれません。


「今日は疲れてしまったので少しだけ」


本当に少しだけ話したらというか、かまをかけてから退散させていただきましょう




メイドが淹れてくれたハーブティーを飲みつつ、ゲームの記憶を思い出しておきましょう。

姉ヒロインの時はたしか、夜会の時に騎士様にネックレスがない状態で話しかけると騎士様からネックレスを贈られて、その夜の会話で分岐するはずでしたね。


「相変わらずお姉様の選ぶお茶はおいしいですね」


「あら、お茶にうるさいアイリスにそう言ってもらえると嬉しいわ」


「あっお茶といえば今度の日曜日に街にできたカフェにお忍びで行ってみようかと思うのですが、お姉様も一緒にいかがですか?」


サポートキャラの私からの提案、この提案に自分も行くと言うと街で同じくお忍びの殿下とのイベントが発生するはずですし、用事があって行かないと断れば、家にやって来た騎士様とのイベントが発生するはずです。

お忍びなんて駄目よと咎めると、何もイベントは発生しません


お姉様は昔お忍びで領地を歩いているときに迷子になった経験からあまりお忍びでの散策はいい顔をしませんし、今まで何度か誘っていますが首を縦に振ったことはありません。

そういえば、ゲームではこの夜会イベント以降でないとお忍びの殿下とは会えないんですよね姉ヒロインだと・・・


「そうね、一緒に行こうかしら」


「えっご一緒してくれるんですか?いつもはだめだとおっしゃるのに」


「たったまにはお忍びも悪くないと思ったからよ」


珍しく焦る姉の顔をみるとにやけるのをこらえているのか口角がぴくぴくしています。

これはやっぱり・・・


「ふふ、お姉様とのお忍び楽しみですわ・・・そろそろ遅い時間ですし寝ますね、お茶ご馳走様でした」


にこやかにお礼を言ってさっと部屋を出ると私はすぐさまそっとお姉様の扉に耳を近づけました。


「よっしゃー!今日の夜会でダンはおっけーだから次は殿下よ!アイリスも私を街に誘うってことは逆ハールート入れてるわね」


扉に耳を当てていないと聞こえないくらいの声量でしたが、私の耳にはばっちり聞こえてきました。

しかもあの冷静で淑女な姉からよっしゃーだなんて言葉・・・倒れそうです。


気づかれないようにそっと離れ、ふらふらと部屋に戻った私ははしたないなと思いながらもベッドにダイブしてしまいました。


「3姉妹全員転生とか・・・こんな事ってある?」


誰一人死なすことなくうまくハッピーエンドに持っていくにはどうしたらいいのでしょうか・・・とりあえずもう私の頭はいっぱいいっぱいです。

おやすみなさい。



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