「差別主義者を駆逐し隊」
ある日の夜。帝都の、あまり人通りがなく、それほど目立たない場所にある裏通り沿いの建物に、十数人の人々が集まってきた。中の部屋はそれほど広くはないが、十数人が入るには充分な大きさである。また、中にはたいまつが灯されていて、お互いの顔が見えるほどの明るさだ。
「ギルドとやらは危険すぎるな。あんな集団を放置するわけにはいかない。」「その通りだぜ。白昼堂々と、路上でキロヌカ人を差別する集会を開いたブロッサムは敵だ。」そのような会話が交わされている。
それから数分後、一目見て周りと比べて背の低い、釘が何十本も打ち込まれている、こん棒を持った男が入ってきた。その姿は、威圧感を周りにぷんぷんと漂わせている。そして、彼はそのまま一同の前に向かう。
「あの方がノーマ先生か。」「差別主義から帝国を救うと口にした方だな。」一同からどよめきの声が上がる。
「今回集まってもらったのは、他でもない。」ノーマと呼ばれる男はこう切り出した。
「先日、差別主義者の集団が広場で公然と、キロヌカ人を差別していたのは知っているだろう?その集団のボスは、聞くところによれば、ブロッサムという太った豚のような男らしい。」ブロッサムやギルドに対する容赦ない批判は、なおも続く。
「こいつが率いる集団をほったらかしにしていたら、忌むべき差別主義が帝都中、いやそのうち帝国中にはびこり、世は暗黒に覆われる事になってしまう。それを防ぐために、差別に反対して平和を愛する者が団結して、差別主義に反対する団体を作ることにした。」
ノーマは、そこまで言って一拍置いた後に、力強く宣言する。
「その名も、“差別主義者を駆逐し隊”だ!」一同は、部屋全体に響き渡るくらい大きな拍手をした。
「でも、どのようにして差別主義者を撃退するのよ?それを説明してよ。豚野郎に負けるわけにはいかないからね。」その場にいる唯一の女が、ノーマに突っかかってきた。
ノーマは、渋々それに答える。「それはだな、ホナミン。悪しき差別主義者を駆逐するために、あいつらが集会を開くことがあれば、直ちにそれを阻止する。そして、差別主義者どもをこの釘付き棍棒で叩きのめす。」
「さすがノーマ、かっこいい!」こうして、ノーマが率いる「駆逐し隊」は、ブロッサムたちを倒すために動き出した。




