第54話「夕暮れの部室」
引っ越しがようやく終わったので再開・・・((+_+))
西陽台高校、カードゲーム部の部室。
夕方の光が窓から差し込み、部屋をオレンジ色に染めていた。
大会が終わってから数日。
部室はいつもの静かな空気に戻っていた。
ハルトは机にデッキを広げる。
カードを一枚ずつ確認していく。
「……また調整してるの?」
カエデが少し呆れた顔で言った。
「まあな」
ハルトはカードを整えながら答える。
「大会終わったばっかりなのに。
前はそんなに触ってなかったじゃん」
ハルトは少し考えてから言う。
「試合出るようになったらさ。
やっぱ気になるんだよ」
その言葉にカエデが笑った。
「ハルトもカードバカになっちゃったか」
「うるさい」
その時だった。
部室の扉が開く。
「あら、もう来てたのね」
入ってきたのは樹里先輩だった。
続いて――
「夕方なのに元気ね」
リリ先輩。
さらに
「腹減った……」
マックス先輩。
二年生の先輩たちが部室に入ってくる。
レンジが椅子を回しながら言った。
「二年生勢ぞろいだな」
マックス先輩が笑う。
「大会終わったから顔出しに来ただけ」
その時、もう一度ドアが開く。
「騒がしいと思ったら」
入ってきたのはリア先輩だった。
カードゲーム部の部長。
三年生の先輩だ。
「優勝してもいつも通りだな」
リア先輩が笑う。
ハルトは少し照れながら答えた。
「まあ……そうですね」
樹里先輩が机のデッキを見て言う。
「もう調整してるの?
大会終わったばっかなのに」
カエデが肩をすくめた。
「ハルトもカードバカになっちゃったみたいです」
「だから違うって」
部室に笑いが広がる。
夕方の光が少しずつ薄くなっていく。
その時だった。
リア先輩がふと思い出したように言った。
「あ、そうだ。
部長として一つ話がある」
レンジが聞き返す。
「なんですか?」
リア先輩は軽く言った。
「新入部員」
部室の空気が止まる。
「え?」
カエデが驚く。
リア先輩は続けた。
「体験入部らしいけど、カード経験者でな。
しかも強いぞ」
ハルトは少し興味を持った。
「どんな人なんですか?」
リア先輩は意地悪そうに笑う。
「そこは秘密だ」
と、一言だけ言った。
窓から夕方の風が吹き込む。
カーテンが揺れた。
レンジが笑う。
「オラ、ワクワクしてきたぞ!」
カエデも言う。
「明日来るのかな?
あとレンジは野菜を食べてなよ……」
ハルトはデッキを見つめる。
新入部員。
新しい風。
夕暮れの部室は、
次の出会いを静かに待っていた。




