表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/86

第59話 襲撃!




キュビール領、領都ネスビアから半日の距離の場所で休息をとる馬車と

兵士と騎士、合わせて5人がいた。


馬車の中には、母親になったアンナとメイドのジニー

そして、女の子2人が退屈そうにしている。

「お母様、隣のフリーデルドにはいつ頃着くのですか?」


もう1人の女の子も頷きながら肯定している。

「ごめんなさいね、私にも分からないわ」

「アンナ様、外の兵士に聞いてみましょう」


ジニーはすぐに窓を開け、外で警護してくれている兵士に聞いてみた。

ぼそぼそとやり取りをする護衛の兵士とメイド。

「わかりましたよリリー様、およそ2日だそうです」


リリーという女の子は、あからさまに嫌な顔をして

「あと2日も、この退屈な時間が続くの~」

そういうと、窓の外を見る。



すると、兵士たちが慌てていた。

「あれ? ジニー、外の兵士たちが慌ててるよ」

リリーの指摘に、アンナとジニーが窓から外を見ると


「敵襲―!!」

すぐにジニーは、リリーともう1人のサリーを抱きかかえ

馬車の中でうずくまる。


アンナは杖を取り出し、馬車のドアを開けて敵に備えた。

兵士たち護衛は、馬車をかばうように敵に立ち向かう。



敵は丈夫な鎧に身を纏い、顔が見えないような兜をかぶり

紋章の付いた盾を前に出して、ゆっくりゆっくり不気味に近づいてくる。


「カル、あれが敵なの?」

護衛兵の1人に確認するアンナ、それに緊張しながら答える。

「はい、あの盾の紋章は帝国のものです…」


「つまり、この敵は帝国の手のものなのね…」

護衛兵たちは、剣を握り直し

「アンナ様、何時でも子供たちを連れて逃げれる用意をお願いします」


「……」

アンナは、何か言いたそうだったが護衛兵たちの緊張した顔を見て何も言えずに

頷いて馬車のドアを閉めるのが精一杯だった。



アンナはすぐに反対側のドアを開けて、

「みんな、こっちから外に出ましょう」

そう言って、外に出て行く。


子供たちもジニーもそれに続き、馬車を盾にして様子を見た。




「そこで止まれ! キュビール領主の奥方の馬車と知っての狼藉か!」

護衛兵の1人が、敵に忠告すると

敵兵士の中から、1人の騎士が姿を見せて


「その通りだ、領主の家族を渡してもらおう!」


【エアハンマー】


風の塊が、帝国兵士を襲うが盾の紋章が赤く光り魔法を無効化する。

「アンナ様、ダメです! 帝国紋章の盾は、魔法無効化の付与がされているんです!」

アンナの顔が嫌なものを見るように歪む。


そして、護衛兵士たちはさらに剣を構えなおす。

「アンナ様、子供たちと一緒にここは…」

「……わかったわ、ジニー」


「かかれ!」

帝国騎士の合図とともに、護衛兵士と帝国兵士とで戦闘が始まる。

そのさなか、アンナはジニーと子供たちを連れて街道を外れ森の中へ逃げ込む。


それを冷静に見ていたのが帝国騎士だ。

すぐに、兵士3人に命令しアンナたちの捕縛に追いかけていった。

そして、騎士も戦闘に参加する。



戦いの最中に、護衛兵の1人が自分たちの劣勢を悟り

一番足の早い護衛兵のブリーガルを、援軍要請に走らせた。


1人減り、さらに劣勢になるが護衛兵たちは時間稼ぎを続ける。

たとえ、全員倒れたとしても…




森に逃げ込んで、西へ向かって逃げるアンナたち。

だが、追手の帝国兵士3人は確実に迫っていた。

魔法で反撃したいが、3人とも盾を持っており魔法が効かない。


「お母様…」

「サリー、お願い。今は黙って走って、ね?」

「うん…」


4人は懸命に走る、時間稼ぎをしている護衛兵に感謝をして。


「見つけた!」

その声と同時に、ジニーが足を切られて倒れてしまう。

「あうっ!」


「ジニー!」

振り返ったアンナが見たのは、太ももから膝までを切られて

それを手で押さえ動けないでいるジニー。


盾を構えてジニーに剣を向けている帝国兵。

そしてそこに、残りの帝国兵2人が合流する。

「…どうやら、俺の手柄だな」


「それで、そこの2人の子供といるのが領主の奥さんか?」

「ああ、魔法を使うからな。盾を構えておけよ」

そう言って、アンナに対し盾を構えて剣を向けてくる。


アンナは、2人の子供たちをかばいながら帝国兵3人を警戒する。

ジニーは動けない。

どうすれば、みんな助かるのか考え始める。


だが、この状況でいい考えが浮かぶこともなく

「さて、領主の奥さんたちは、一緒に来てもらいましょうか」

アンナはジニーを助けることができない。


自分の無力さを感じながら、最後のあがきをしてみる。

「…私たちをどうするつもりですか?!」

「そんな大きな声で言うな! それにあんたたちをどうするかは


俺たちが決めることじゃあない」

そう言いながら、近づいてくる帝国兵2人。

「それに、おとなしくしていないとあのメイドが死ぬことになるぞ…」


アンナの腕の中で怯える子供たち、

いまだ血を流して動けないジニー、

うすら笑いを浮かべながら近づいてくる帝国兵士、


子供たちに目をやると、自分の腕輪にようやく気付いた。

ケロちゃんなら、何とかしてくれるかも!

追い詰められたアンナは、思考がおかしくなっていた。


普通ならネコにどうにかできるはずがないのに、アンナは召喚してしまった。


【助けて、ケロちゃん!】


アンナが助けを呼ぶと、腕輪は光輝き、アンナの側に魔法陣が浮かび上がる。

「! 魔法か?!」

帝国兵士3人は、魔法陣に盾を構える。


魔法陣の光が収まると、そこにはネコが1匹丸くなっていた。


アンナをはじめ帝国兵士までもが、現れたネコを見て呆然とする。

やがて、帝国兵士の1人が怒りをあらわにして

「ふざけるなー!!」


と叫び、ケロを蹴飛ばした!

「ふぎゃっ!」

その叫び声とともに、森の中に蹴飛ばされるケロ。


アンナたちは、それを目で追いかけるだけだった。

「茶番は終わりだ! お前たちには俺たちに…」

その時、森の中から突風が吹き帝国兵士3人をピンポイントで吹き飛ばす。


とっさのことで油断して、盾を構えられなかった帝国兵士は

風に飛ばされ、アンナたちから離れてしまった。








ここまで読んでくれてありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ