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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第41話 宝物と反省




ダンジョン第11階層。

相変わらずの洞窟を、アンナたちの班は黙々と進んでいる。

ここまでで、新しい魔物と言えば『ミニゴーレム』だろうか。


大きさはゴブリンと変わらない、力はドワーフ並み、しかし、スピードがない。

そのため対処は、やり易かった。

腕を破壊か切り落とし、力を奪ったのち頭を破壊して倒せた。


最初に腕を破壊するのは、万が一をなくすため。

たとえスピードがなくとも、魔物の一撃で大ケガもありえたからな。



それと、10階層にボスが出る、なんてことはなかった。

他のダンジョンではどうか知らないが、このダンジョンでは出なかった。

10階層も、洞窟の続くダンジョンでしたよ。


俺も相変わらず、アンナたちの影に隠れて見つからないように進んでいる。

時折、手を貸そうかという場面もあったがそこは護衛の冒険者が

アンナたちのフォローに回っていた。


こうして、11階層も何事もなく進んでいく。


「! みんな、お宝発見です!」

クレアが、12階層へ降りる階段の横の洞窟部屋で宝箱を見つける。

宝箱と言っても、俺たちが想像するものとは違いまさに、木でできた箱だった。


「…クレアちゃん、罠の類はある?」

サラの注意に反応し、箱のあちこちを調べるクレア。

「…罠はないみたい、開けるね?」


クレアは、全員を見渡し、みんなが頷いたのを確認して箱を開ける。


そっと開けた宝箱の中に入っていたのは、

袋に入っていたネックレス8つ。

「…きれいな、ネックレスだね」


アンナがネックレスを見て感想をもらす。

そのネックレスは、ダンジョンの中にあったとは思えないほどきれいだった。

何かの宝石が付いていて、鎖は何の金属か分からなかった。


でも、呪いとかそんな類のものはついていなさそうだ。

全員が、これどうしようという顔でみんなを見ている。



俺は、影の中から見えたエリザベスが持っているネックレスを鑑定する。

…ふむ、呪いの類は無し。

名前はないが、効果は魔力上昇と微力の魔法結界が付くみたいだな。


いいものじゃないか、俺は着けることをお勧めする!



「まずは、私がつけてみます」

と宣言して、エリザベスがその首にネックレスをつけてみた。

「あ……どうかな? 何か体に異変とかは……」


自分の体のあちこちを確認するエリザベス。

しかし、何も異変はないし体の変調もない。

「大丈夫……見たいですね。みんなも着けてみては?」


みんな、お互いに頷くとネックレスをつけてみる。

うん、みんな似合っているぞ!


そんな行為を傍で見ていたフローラとレナは、しょうがないという顔でいた。

しかし、鑑定もしないで物が何か分からないのにつけることはどうなのかと

注意だけはしておいた。


「みんな、本当は鑑定してからこういうものは着けてほしかったんだけど…」

アンナたちは、そこで初めて自分たちがしたことを後悔した。

「今回のものは何もなかったけど、次からは気を付けてね?」


アンナたちは罰が悪そうに「は~い」と返事をする。

余ったネックレスをフローラに渡そうとしたが、

「それは、あなたたちのものだからしまっておきなさい」と断られ


エリザベスの荷物のバッグの中に仕舞われる。

「さ、宝物の注意もわかったし下の階層へ移動しましょう」

とレナに促され、みんなは少し肩を落としながら下の階層へ向かった。



でも、このダンジョンに潜って初めての宝物だししょうがないよな。

おれだって興奮して注意を怠ってしまうかもしれん。

反省、反省。




階段を降りて、12階層へたどり着くとそこには冒険者2人が紅茶を飲んでいた。

「ん、おう、ダンジョン12階層へようこそ!」

お茶を飲んでいた冒険者の1人が、唖然としていたアンナたちに声をかける。


眉間にしわを寄せて、注意するフローラ。

「ちょっと、あなたたち、何をしているのよ!」

フローラの剣幕に、少し怖がる冒険者たちだがすぐに持ち直して


「いや、のどが渇いたからな。……ダメだった?」

フローラもレナも、同じ冒険者とは思えない緊張感のなさに呆れていた。

「…はあ、もういいわ。それよりこの階層はどうなの?」


「ああ、12階層は問題は今のところない。

例の女の子の目撃もないし、魔物の暴走もない。

後は、13階層への階段近くに設けている休息場でギルド職員に聞いてくれ」


リニアが気になることを質問する。

「あの、この階層には休息所があるんですか?」

リニアの質問に、冒険者は


「ん? ああ、あるぞ。この12階層は他の階層の2倍の大きさがあるからな」

冒険者の答えに驚くアンナたち。

「みんな、ダンジョンは必ずしも同じ大きさで出来ているわけではないわ」


またまた驚くアンナたち。

「ダンジョンの大きさって、同じものだと思っていました…」

フローラとレナは、笑顔になってアンナたちを安心させながら


「ここまでの階層は、同じ大きさだったけど

これからも同じ大きさとは限らないわよ、これから行く25階層がいい例ね」

そこでリニアが、気が付いた。


「そうです、確か25階層には空があって一面草原だとか…」

フローラとレナ、それに紅茶を飲んでいた冒険者2人も頷いている。

「そうよ、ダンジョンって結構不思議な空間だってことを覚えておいてね」


「はい!」とアンナたちはいい返事を返した。



そう考えると、ダンジョンって本当に不思議な所だよな~

異世界に来て魔法が使えて魔物がいてってだけでも不思議いっぱいなのに

まだまだ、この世界には不思議なことがいっぱいなんだな…


俺は改めて、転生してきてよかったと喜びをかみしめるのだった…







ここまで読んでくれてありがとう。


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