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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第29話 冒険者たちの戦い




ゴブリン村を村の青年に知らせてから2日後。


朝の冒険者ギルドは、人でごった返している。

そんな中、掲示板の前で受付嬢がある依頼を掲示板に張り付けた。


「緊急依頼! 緊急依頼ですよ!

王都から少し離れた『ホムラ村』でゴブリン100匹以上を発見!

ギルドは一刻も早い討伐が必要と判断しました!


そこでランクAの『ゴッドブロー』のパーティーと行ってくれる冒険者を募集!

ランク問わずで、先着10名! 早いものから採用です!

応募は受付で『ゴブリン討伐ツアー』と言って応募してください!」


最初は受付嬢の言葉の意味が分からず静かにしていた冒険者だったが

すぐに我に返り、新人冒険者が殺到!

先着10名の枠はすぐに埋まった。


だが、これに文句を言い出す応募に漏れた新人冒険者は

受付嬢の後ろから出てきたギルドマスターに、喝を入れられ

渋々引き下がった。



そんなギルドでのやり取りの1時間後、ゴブリン討伐メンバーをのせた馬車が

『ホムラ村』に出発。

2時間ほどで無事到着後、すぐに村長と話し合い討伐に出発した。


そのゴブリン討伐メンバーの中に、

ネコが混ざっていたのに気づくものは誰もいなかった。




いや~、2日で冒険者が来るとは早かったのかな?

でも頼りなさそうなのが10人、頼りになりそうなのが4人だ。

ゴブリン村までの行軍の中の会話で、


ランクA冒険者と新人冒険者に別れるって聞こえたから4人がランクAなのだろう。

てことは、俺は新人に防御魔法をかければいいわけか。

せっかく来てくれた冒険者だし、死なせるのはね……



森の中を進む冒険者が止まった。どうやらゴブリン村を発見したようだ。


「君たち、声を上げずにあれを見てみろ」

先頭を歩いていた剣士の冒険者が、後ろの新人を促す。

新人たちは、恐る恐る前に出て覗き見る。


「ヒッ」

声を上げそうになった冒険者は自ら口を押さえる。

「ブリードさん、あんなにゴブリンが…」


「驚いている暇はないぞ? 俺たちは今からあれを討伐するんだからな」

新人たちは驚いて目をむき出しにしてる。

「だ、大丈夫…ですよね?」


「勿論だ、回復役もいるし突撃の前に補助魔法をかけてもらえ」

「新人君たち、私の補助魔法をもらってからブリードに続きなさい」

「カ、カリナさん、よろしくお願いします」


カリナという魔法使いは、新人たちに補助魔法をかけるため詠唱を始める。

ふむ、ちょうどいい。俺の補助魔法も重ね掛けしておこう。


「いくよ? 【攻撃力アップ】【防御力アップ】」

【物理耐性】


よし、俺の物理耐性があれば死ぬことはないでしょう。

「こ、これで、大丈夫ですか?」

「勿論!カリナお姉さんのお墨付きだよ。さっ、ブリードと手柄をあげてきな!」


「「「はい!」」」

「よし、新人たち準備はいいか? カリナ、最初を頼む。

カリナが攻撃したら、一気に突撃するぞ!」

新人たちは余裕がないのか、緊張しながら頷いた。


「いくよ! 【ライトニング】」

杖を上に掲げると、杖の先端の魔石から雷がゴブリンの集団に襲いかかる!


「ギャア」「ギャギャ」「グゲ」

いろんなゴブリンの声があちこちから上がると

「突撃!!」


2人のランクA冒険者と7人の新人冒険者が突撃をし、

ランクAの魔法使いと、新人の魔法使い2人が『ファイアーボール』を打ち続ける。

…これが冒険者の戦いか~




どんどん数を減らしていくゴブリンだが、最初の数が100以上。

ランクA冒険者はまだまだ大丈夫に見えるが、新人が疲れ始めている。

「く、ま、まだ、いるの、かよ!」


文句を言いながら手を動かし剣を振るう。

「うあ! 文句、言って、ないで、たたか、え!」

新人同士で注意しながらも剣を、槍を振るう。



「魔力が切れたら、休んでいいよ。 【ロックシュート】」

その場に座り込む新人魔法使い。

「すみません、数が多すぎて魔力の回復が追い付かない…」


「いい経験したね?

私も新人の頃はよく魔力切れでみんなに迷惑かけてたっけ…」

「…せ、先輩でも、魔力切れ、起こすんですね」

「それは当然だよ、私だって…って、後ろ! 【ウインドカッター】」


ベテラン魔法使いが、新人冒険者の後ろに向かって魔法を放つ!

「ギャ!」「ギャギャ!」「ゲギャ」

襲ってきたであろうゴブリン3匹が、魔法で真っ二つになりその場に崩れる。


「危なかった~、油断しちゃだめだよ。

魔法使いは魔力切れの時が一番危ないんだから~」

新人魔法使い2人は、ガタガタ震えながらお礼を言う。


「あ、ありがとう、ござい、ます…」

ベテラン魔法使いは笑顔で、

「これも経験だよ、経験。次からは油断しないでね」


新人魔法使いは、頷くことしかできなかった。



さすがランクA冒険者、雑談中でも油断してないな~

俺も見習わないとな!

お、そうこうしているうちに、ゴブリンの数がだいぶ減ったな…



新人冒険者は、倒れたゴブリンに止めを刺しようやく一息ついた。

「これで! 最後だろ!」

「くそ、ゴブリンも、この数だと、疲れるな~」


そして、ベテラン2人が油断なく周囲を探っている中

新人たちは、1か所に集まって雑談を始めてしまった。

そこへベテランの喝が飛ぶ!


「おい、周囲を警戒しろ! まだゴブリンはいるみたいだぞ!」

その言葉に、いやいや剣を構えるものや

気合を入れなおして剣を構え周囲を警戒するもの


鬱陶しそうにベテラン冒険者を睨むものなど様々だが、

敵は急に現れる!

「ブリード、左だ!」



その場にいた冒険者全員が、その言葉通り左を見るとそこには

2体の大きなゴブリンが現れた。

その大きさに、新人たちは息をのむ。


「あ、あれ、ゴブリンって……嘘だろ」

「どこにいたんだよ! オーガサイズじゃねえか!」


ゴブリンの大きさにその場にいた冒険者全員が驚愕した時、

2体のゴブリンの咆哮が、俺のもとにまで届いた。







ここまで読んでくれてありがとう。


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