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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第28話 ゴブリン村




米の購入するため『ホムラ村』に来たのだが、何やらトラブルが…

田んぼにゴブリン出現で、村は大慌て。

すぐにでも、ゴブリンを追い払うため村人が田んぼに向かう。




「ゴブリンだー! 田んぼにゴブリンが出たぞー!」


村の男たちは、それぞれ武器を持ち田んぼへ向かっていく。

「近頃、ゴブリンの出現が多いな」

「3日前にも、ゴブリンが出たからな…」


「やっぱり、追い払うだけじゃダメなんだって」

「しかし、田んぼで戦うわけにもいかんしな~」

「ここは村長と相談して、冒険者ギルドに依頼を出すかな…」


「だな!」

そんな会話をしながら、男たちは田んぼに急ぐ。



村の奥にある田んぼには、ゴブリンが3体現れて泥遊びをしていた。

おいおい、ゴブリンってあんなにはしゃぐものなのか?

「ああ~、俺のうちの田んぼが…」


嘆いている俺の隣の男。

「村長、早く何とか追い払って下さいよ!」

「わかっとる、すぐにみんな来るからもう少し待て!」


その時、村の男たちが合流した。

「村長、待たせたな!」

「あれか、おいみんな! すぐに追い払うぞ!

いいか、絶対殺すなよ!」


「「「おお!」」」

男たちが、田んぼに入りゴブリンに武器を見せる。

そして、ブンブン振り回しながら叫び始めた。


「こらー! さっさと田んぼから出て行け―!!」

「出て行かないと、殺してしまうぞ!!」

「出て行け! 出て行け!!」


…ゴブリンには、あまり効いてないみたいだ。

今も泥遊びに夢中みたいだし……仕方ない、俺が何とかするか。

殺さないように追い払えばいいんだよな…



【エアハンマー】



俺の魔法で、ゴブリンに風が衝撃を与え田んぼの外に吹き飛ばした。


3体のゴブリンは、怒って何かわめいているが理解できなかった。

唖然としていた村人たちは、これはチャンスとすぐにゴブリンに詰め寄り追い払う。

ゴブリンは、村人の迫力におびえ村の外へ逃げていった。


「やった、追い払ったぞー!」

「うちの田んぼは、無事か?」

この田んぼの持ち主が、田んぼを見て回る…


俺はその隙に、ゴブリンを追いかけていった。

「村長、話が……」


村人が村長に話しかけてたが、あれはさっきここに来るまでに話していた

冒険者ギルドに依頼を出すって話だろう。




ゴブリンは、村を出てすぐに森の中へ入っていく。

村の近くにこんな森があるのか…

というか、この森って王都のあたりから続いてなかったかな?


そんな森を、進んでいくと開けた場所に出た。

俺はすぐに、近くの木に登り上から開けた場所を見ると集落のようになっている。

…これってゴブリンの村か?


ざっと見ただけで、その数100はゆうに超えている。

これだけの規模のゴブリンとなると、冒険者で何とかなるものなのか?

とりあえず俺は、このことを村人の誰かに知らせようと思い引き返す。




村に帰ってくると、田んぼの側で村長と村人が話し合っていた。

「そんな金額になるのか…」

「しかし、このままゴブリンに悩まされるのはな…」


どうやら、依頼料のことで問題になっているようだ。


俺は、村長たちの近くで話し合いを聞いていた青年に声をかける。

『そこの人、ちょっと俺の話を聞いてくれ』


「ん? 誰か話しかけたか?」

青年は、キョロキョロと辺りを見渡す。

『下だ、下にいるネコが話しかけている』


青年は下を見るとネコがいて驚いた。

「な! ほ、本当に、お前が話している……?」

『念話という魔法で話している。ちょっとついて来てくれ』


青年は、苦笑いを浮かべて

「ネコが、ネコが…」

『いいから! ちょっとついてこい!』


「はい!」

青年は返事をすると、俺について村の外へ来た。




だんだんと不安になった青年は、ネコに声をかける。

「お、おい、どこまでいくんだ?」

『ここまでくればいいだろう』


俺はその場で、人化を使い人へ変化する。

そして、青年の前に現れたのはネコの獣人の子供だった。

「な! なにー!!」


見た目はまさにネコ獣人の子供で、上下おそろいの色の服を着て

長い尻尾が、すごく愛らしい。

おそらく、ネコ好きなら抱き着くこと必至な姿をしていた。


「声が大きいぞ」

「ネコが、ネコが……」

「言っとくが、これが本来の姿だ。あれは偵察用の変身の魔法だよ」


「へ?」

青年はネコ獣人の俺の姿を上から下へとじっくり見る。

「な、なんだ、それが本来の姿か…」


青年は、ホッと安堵した。

「すまいな、偵察するにはネコの姿が都合がいいから変身していたんだ」

「そうなのか、俺がおかしくなったわけじゃあなかったんだな…」


「みんなのいる場所で変身を解くわけにもいかないんでね」

「まあ、君にも都合があるんだろう……それで、俺を呼び出した理由は何だい?」

「ああ、実はさっき逃げたゴブリンを追いかけていったんだが」


「何か、見つけたのか?」

「この先の森の中でゴブリン村を見つけた」

「ゴ、ゴブリン村?!」


俺は、静かに頷く。

「ゴブリンの数も100を超えている。

もし冒険者ギルドに依頼を出すなら、そのことを踏まえて出してくれ」


「しかし、今も依頼料でもめているのに……」

「それなら、冒険者ギルドは確かゴブリンの数で依頼料を補てんしてくれるはずだ」

「村が出す依頼料が、少なくて済むのか?」


「ああ、だからゴブリンが100を超えていてかなり危険な状態だと申告すれば」

「ギルドが補てんしてくれるのか……

よし、すぐに村長に知らせて依頼を出すように進言してみるよ」


「頼む。…でも、俺の言葉を信用するなんて人が良すぎないか?」

「ん~、君がこの場で嘘をついてもどうなるってものでもないだろう?」

「まあ、嘘つく必要はないからな…」


青年は笑顔になると

「それにさっきのネコは偵察用なんだろ?

その状態でゴブリンの巣を見つけてくれたんだ、

村のためじゃないかもしれないけど、礼を言いたいのはこっちだよ」


青年はそのまま、村長たちのところに走って戻っていった。

やっぱり、人が良すぎるよなあの人。


俺はネコの姿に戻ると、青年の後を追いかけて村へと戻っていった。







ここまで読んでくれてありがとう。


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