第16話 飼いネコ生活送ってます
あれから2年が過ぎていった。
この2年は本当に平和だった。俺の周りで変わったことといえば
以前拠点として使っていた郊外の幽霊屋敷が、前領主の屋敷となった。
前領主と息子2人と一部の雇人は、王都の屋敷での仕事があるためいないが
その他の家族、妻3人、娘6人、雇い人20人が暮らすことになったらしい。
ということは、あの末娘もいるわけで
末娘がこの屋敷に引っ越してきたとき、
この屋敷の塀の上で日向ぼっこしていた俺に、抱き着いてきたのはいい思い出だ。
その後すぐに、俺を抱きしめたまま家族に紹介し『飼いたい』の一言。
勿論、家族は反対し俺は解放かと思っていると『いいわよ』とのこと。
野良猫飼うとか、マジか!
貴族だろ? 由緒が必要じゃないのか?
結局飼われることになった俺は、性別を確認され名前を付けられた。
しかし、この名付で大変な名前をいただきました!
『ケルベロス』これが俺の名前だ。
普段は『ケロ』や『ケロちゃん』と呼ばれている。
おかしいな、すごい名前をもらったのに普段は蛙のような呼ばれ方になるって…
俺の全身は白い色のネコ。どこから『ケルベロス』なんて番犬の名前に……
頭も3つ無いぞ? 貴族の女の子の感覚が全く分からん。
ステータスにも名前が表示され、なんとも不思議な感じだ。
ついでだ、この2年で俺がどんな成長をしたか見せよう。
【ステータス】
名前 ケルベロス[宮野 太郎]
年齢 3歳[+46歳]
職業 ネコ魔導士
レベル 65
生命力 10500
魔力 870000
攻撃力 物理 450
魔法 7200
防御力 物理 3200
魔法 10200
スキル 異世界言語習得 不老不死[限定]
火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 空間魔法 治癒魔法
炎魔法 氷魔法 雷魔法 鉄魔法 飛行魔法 鍛冶魔法
光魔法 闇魔法 木魔法 音魔法 錬金魔法 付与魔法
聖魔法 影魔法
生活魔法 鑑定魔法 解体魔法
魔力操作 夜目 念話 気配察知 隠蔽 気功 人化
格闘技Lv32 身体強化Lv30
称号 魔道に目覚めしネコ 暗殺ネコ 幸運を呼ぶネコ
魔道を極めしネコ イヌの名前を付けられたネコ
加護 ユーキュリアの加護 ネリネの寵愛
どうです? いろいろ突っ込みたいところ満載でしょ?
俺はもうあきらめたね。
普通のネコや魔法が使えるネコとは、もう言うことはできないぐらい強くなりました。
やりたいことをやっていたらこうなった。
まあ、俺の拠点の変わりようを見ればこうなることは予想できた。
しかし、称号の『イヌの名前を付けられたネコ』のところはほっとけ!
今俺は図書館で、魔道具の本を読み漁っている。
普段は、屋敷にいなくていいのだが夜は必ず戻ってくるように言いつけられた。
何せ、これを守らなかったら飼い主の『アンナお嬢様』が泣くのだ。
女の子の涙には勝てないとはよく言ったものだ。
俺も勝てそうにない……
とにかく、俺は拠点に置く魔道具をどうにか開発できないかと考えていた。
まずは明かりから。
次にコンロや冷蔵庫。エアコンを開発するのもいいな。
おっと、考えをめぐらしながら本を読んでいるともう夕方だ。
すぐに本をもとの場所に戻し、図書館を脱出。
屋敷へ大急ぎで戻る。
屋敷に到着し、塀の上を歩いていると
「ケロちゃん!」
というこの声は俺の飼い主アンナだ。
アンナの傍によると、抱きしめられ
「お帰り、ケロちゃん」
と笑顔で迎えてくれる。
明日はもっと早く戻ってこようと思ってしまう笑顔だ。
アンナに抱きしめられながら、屋敷の中へ入っていく。
「アンナお嬢様、ケロの足を拭いてあげないといけませんよ」
アンナお付きのメイドのジニーに言われて、俺の足を拭いてくれる。
「ケロちゃん、足を拭くからおとなしくしてね~」
う~ん、足ふかれるのって気持ちいいんだな~
足を拭かれた俺は廊下に降ろされて、アンナとメイドのジニーと一緒に食堂へ向かう。
…今のうちに全身をきれいにしておくか。
【クリーン】
ふむ、この魔法は本当に便利だな。
全身がきれいになって、白い体が見違えるようになる。
…おや? 後ろを歩いているジニーさんが何か驚いている
って、俺が魔法を使ったところを見られたのか…
ここは知らないふりをして、歩いていこう。
▽ ▽ ▽
えっと、私は何を見たのでしょうか?
ネコが魔法を使った?
そんなバカな……
でも、確かに魔法を使いました。
今も私の前を歩いているケロが、お嬢様と一緒に食堂へ向かったと思ったら
全身が一瞬の光とともにきれいになった…
これは魔法としかいいようがありません…
もっとこのネコ『ケルベロス』に注目しておいた方がいいですね…
▽ ▽ ▽
食堂に到着すると、アンナの姉妹と母親たちが待っていた。
「アンナちゃん、帰ってきたの?」
「はい、お母様。ケロちゃん、ちゃんと帰ってきました」
笑顔で答えるアンナを、母親たちは微笑ましく見ている。
「アンナ、早く席につきなさいな」
「は~い、クレア姉さま」
アンナはクレアの隣に座り、俺はその足元に座る。
「では、始めて」
「はい、奥様」
こうして食事が始まるのだが、
貴族の食事というのはそんなに豪華なものではないようだ。
俺が想像していたものは、フルコースが毎日とか思っていたが現実は違うようだ。
今日も夕食はみんなで食べているが、順番に運ばれてくるものじゃなくて
一度に運んできて、食べる夕食だった。
でも、確かに毎日フルコースは考える料理人も食べる人も大変だろうな~
まあ、俺の食事は毎日おいしいしこんな生活もありだな!
ここまで読んでくれてありがとう。




