契約完了
「じゃあさっきの契約書はなんだったんだよ」
「あれはただの同意書にすぎん」
「あっそ。でっ儀式って何するんだ?」
「キスだ」
少女は少し顔を赤らめながら言った。
「はぁぁぁぁぁぁ~っ!?キッ・・キキ・・キス!?」
顔が急に熱くなってきた。何舞い上がってんだ俺。とにかく落ち着け俺。深呼吸だ深呼吸。ヒーヒーフゥ。ヒーヒーフゥ。ってなんでラマーズ法なんてやってんだよ俺。俺は完全にパニックに陥ってしまった。
「なんだ私とキスをするのがそんなに嫌か?これでも 私はまだキス未経験なのだぞ。そんな私のファ ーストキスを奪わせてやると言っているのになぜ喜ばな い。まぁお前に拒否権はないがな」
「えっ!?拒否権がないだと!?」
「あぁ。お前がさっきサインした契約書の内容はキスをしなければ下を噛んで死ににますという内容 だったのだ。舌を噛んで死ぬくらいならキスするほうがましだろ?」
「くぅっ・・あぁぁもぉぉ~わかったよキスするよ」
この頃には少し落ち着いていて、内心喜んでる自分がいたことは誰にも内緒だ。
「私も初めてだから緊張している。だからパッパと済 ませてしまおう」
と言って少女は俺の方によってきた。最初から思っていたけど、近くで少女を見ると、やはりとても可愛くつい見とれてしまった。俺の目の前まで来て彼女は目を瞑る。
「早くしろ」
「わかってるよ」
「一つ言っておくがキスするときに舌を絡めてくるようなことをしたらお前の舌をそのまま噛みちぎっ てやるからな」
「そんなことするかよっ」
そんなことを言われてまたドキドキが止まらなくなってきた。人生でここまで緊張したことがあっただろうか?いやない。
「なら早く一思いいにやってくれ」
「おっ・・おう」
俺はゆっくりと少女の顔に自分の顔を近づける。この時俺の緊張はピークに達していて、今にも心臓が飛び出してきそうなくらいドキドキしていた。そして少女と俺との顔の距離がゼロになり、俺の唇にこの世のものとは思えないほどの柔らかいものが触れたのがわかった。そして俺は少女からファーストキスを奪い、少女は俺のファーストキスを奪った。今回の教訓から学んだことは、ただただキスって素晴らしいということだった。
「くっ・・唇ってこんなにも柔らかいものだったんだな」
「そっ・・そうだな」
お互い顔を真っ赤にしながら言う。会話が続かずすぐに無言の間が流れ始める。
「とっ・・とりあえずこれで契約完了だ」
「あっ・・あぁ」
こうして契約の儀式は完了した。そしてまた無言の間が流れ始める。その気まずい空気を打ち破ったのは少女だった。
「一つ聞いておきたいんだがお前は私が臆病神であることに対して何もツッコまないのか?」
「あぁお前が臆病神だなんて信じられないからな」
「そうか。まぁどう思おうが君の自由だ」
「じゃあ俺も一つ聞いていいか?」
「うむ」
「俺が背負うことになったハンデってどんなハンデなんだ?」
「臆病者になるというハンデだ」
「全然実感わかねぇ~んだけど」
「まぁ~すぐにわかるさ」
そして俺の過酷な過酷な臆病者LIFEが幕を開けた。




