インディアーセン共和国外国人傭兵部隊
一度入隊すると5年間は除隊出来ず、いざ戦争となれば、第一線に配備される。フランス軍は、旧植民地であるアフリカの紛争及び内乱へ参戦するケースが増えており、部族間抗争に巻き込まれて、拷問の末に殺される傭兵は少なくない。傭兵は常に死と隣り合わせなのである。
…。とここまでは民間軍事会社と傭兵について長々と記述したのは、軍を辞めた人間の再就職先を示す道であり、沖矢俊才にはこれ等の道が示されていると言う事がある。まぁ、民間人に戻ると言う事もあり得るが、戦人である沖矢がそのオプションを選択するのは考え難い。
しかしながら、多くの軍人は、一度軍事教育を受けると、軍人は軍事の仕事しか出来ないと思う傾向が強く、軍にいる時間が長いほどその考え方は強くなるのである。現代の様なハイテクネットワークに満たされた社会において、群れを嫌い一匹狼で、武の道を極める事は難しい。
沖矢としても、民間人に戻ると言う選択肢は頭に無かった。かといって、世界を愛剣と小銃だけで、回る流浪の旅に出る事も、現実的には考え難いものであった。連邦軍を辞める前から構想を練りに練っていた沖矢にとって、周りの心配等無用であった。
沖矢は渡米した。インディアーセン共和国。つまり分裂した米国である。中国に滅ぼされたのは西暦2100年代初頭の事。中産階級に落ち込んだ米国は世界の警察から足を洗い、今は打倒中国を目標にして、度重なる内戦を乗り越え再び大国へのステップを踏み直している途中であった。
沖矢俊才がこの国に来たのは、インディアーセン外国人傭兵部隊に入隊する為であった。彼の実力なら、まず不合格にはならないだろうが、沖矢は既に入隊後の事を見据えていた。この舞台で結果を出せれば自分はいつ死んでも構わない。満足、本望だと。沖矢はそう思ってインディアーセン外国人傭兵部隊に入った。




