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サムライ・ソルジャー~名も無き戦士達の戦い~  作者: 佐久間五十六


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努力の源泉

 余談にはなるが、沖矢俊才はこれまでの生涯でたった一度だけ負けた事がある。それはまだ、一刀両断流の門下生になる前の話であった。相手の名前は今でも忘れない。

 新人剣士の集まる10歳以下(U-10)の剣術ルーキーズカップに参加した時の事であった。素人ながら決勝に進出した沖矢の相手は、生涯で唯一の黒星をつけられた南斗流勝流の平黒大斗である。我流の沖矢が、名門の次期エースに勝てるはずがなかった。あれほど悔しい思いを経験したのは、あの時だけである。

 平黒に破れた沖矢は、一刀両断流の門を叩き目の色を変えて稽古に打ち込んだ。今現在平黒がどうしているかは不明だが、再び相ま見えた時に勝てる様に今日まで沖矢は稽古に打ち込んで来た。

 沖矢の強さの秘密が、この一つの敗北に由来していたのは、火を見るより明らかであった。何よりも同年代の相手に公衆の面前でボロ負けをしたのが、彼の逆鱗に触れたのは確かである。沖矢は今なら平黒に勝てると思っているが、日本連邦軍に入隊してしまった今となっては、その機会に恵まれる事はないだろう。

 そうした苦い過去があったからこそ、今の自分があると思っている。もし、あの時平黒に勝っていたら、一刀両断流の門を叩く事は無かったし、圧倒的な剣術も会得出来ていなかっただろう。敗北や、屈辱は人を強くする。敗北は不本意だったのかも知れないが、そこから何くそと努力したからこそ、手に入れられる強さはある。その一つの敗北に今ではきちんと感謝している。

 努力の源泉とも言えるこの敗北を振り返る事は、沖矢俊才と言う一人の強戦士のルーツを探る事でもあるだろう。これからゼロフォースの一員として、その強さに磨きをかけて行く訳であるが、果たしてどの様な困難と障害が待っているのだろうか?その答えを知るのは、運命の神と未来の自分だけである。残念ながらそれらにアクセスする事は出来ないが…。

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