氷山の一角
戦局は連邦軍優勢でここまで来ている。しかしながら、連邦軍は気を緩める事は出来ない。というのも、中国の陸海軍の主力部隊が前線に送られて来ていなかったからである。中国本土にいると思われる主力部隊を叩かなければ、真の勝利は得られないであろう。
当面は、この状態が続くと思われる。連邦軍としても、まだゼロフォースを完全に使いこなせてはいなかった為に、様子見で牽制と言う所だろうか?ゼロフォースにはどんな任務をこなせるだけのポテンシャルがある事は既に述べた。実戦と場数をこなし強くなるのが部隊と言うものである。ゼロフォースがこれから実力を磨き中国本土の主力部隊を倒す為には、実戦経験が必要不可欠である。
少数精鋭のゼロフォースにおいては、個の力が必須である。兵士同士の連係も去る事ながら、チームワークを築き上げる作業も必要である。いずれにしても、ゼロフォースを立ち上げた目標と言う観点からしても、ゼロフォースは理想の状態であった事は言うまでもない。
戦争はまだ始まったばかりであるから、ゼロフォースも氷山の一角を倒したに過ぎないと言っても過言ではない。そんな中で、冷静に自分達の実力を分析して、次の戦いに繋げるかと言う事が、道を開く事に繋がる。十文字隊長は青流星斗元帥への報告書に現況をこう記している。
「かくも実力者揃いの精強なる部隊ではありますが、何故訓練も実戦も経験が浅くと言う面も否めません。しかしながら、それらの不都合を補って余る程の大きな可能性と、汎用性のある作戦遂行能力は、最大の長所であると言えます。引き続き善戦部隊と共に行動し、様子を見る次第であります。」
青流星斗元帥も十文字隊長も、まだ彼等の本当の実力が示されていないと言う事は、認識として共有していた事だけは確かである。




