海兵大将諸見里英伸
陸上方面軍、海上方面軍、航空方面軍、海兵師団の主要4軍の司令官で構成されている連邦軍最高意思決定会議(RSK2)において、ゼロフォースの活用法の議論が活発化していた。4人の各大将の上にいるのは、連邦軍最高司令官の青流星斗元帥だけである。総括案として、各大将の意見はまだ慎重に扱われるべきものである。と言う意見が大半を占めていた。
確かに「アシタノキャリア」を見ただけでは、ゼロフォースの力を計りかねている事も確かで、まだ戦場での活躍が不足していた。そんな中で海兵師団長で海兵大将の諸見里英伸だけは、ゼロフォースを積極的に活用するべきと主張。ゼロフォースが陸上方面軍の所属になっているのにも不満気で、ゼロフォースを活躍させるには、4軍の協力が不可欠だと主張。その協力体制が整うまではゼロフォースを出撃させるべきではないとも語っていた。
とは言え、ゼロフォースの活用法方針にまで議論が及ばなかった事は、悔いが残った。それでも青流星斗元帥は肯定的な意見が出た事を評価していた。雑草軍団であるゼロフォースではあったが、エリートではない特殊部隊だが、替えの利かない存在である事は確かだ。評価している人間もいたし、全く評価していない人間もいた。
今、ゼロフォースに足りないのは実戦での結果だけである。目に見える結果を出せば自ずと評価はされる。注目すべきは海兵大将諸見里英伸の言葉である。ゼロフォースの特徴が海兵師団に似ていると明言した事だ。確かに水陸両用の作戦部隊である海兵師団にゼロフォースは似ているかもしれない。それは、初陣となった「アシタノキャリア」を振り返っても分かる事だ。
しかし、海兵師団とゼロフォースは似て非なる部分がある。兵器と所属である。青流星斗元帥の直轄部隊であるゼロフォースは、武器も統一性が無く、海兵師団とは異なる。それらの決定的な違いはあるかもしれないが、ゼロフォースを積極的に活用して欲しいと思う青流星斗元帥の願いが海兵大将諸見里英伸には届いたのかも知れない。勿論、それは歓迎すべき事である。




