表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダメンズデトックス  作者: 炭酸水『しっぽのきもち』
8/8

都合よく美化する男

 こういうのはモテ期とは言わないのでは?

 社内恋愛で結婚を控えた私に元カレからの電話が度々来るようになった。


 ()()は私が「男心を分かってくれる女」として勘違いしている。彼らは理解されたら振るい落とされるというのが分かってない。


「もうすぐ誕生日だよね?いっしょに食事しない?」


「私、結婚するから。元カレというか、ほかの男性と食事に行かないから。電話もしてこないで欲しい」


 きっぱりと断る。


「君がどんな風になったのかなぁ〜って知りたくて」


 明るく優しい声で話してくる。何様だろう。

 ……私は知りたくもないし、知られたくもない。


「自分から振っといて、会いたいとか知りたいとかないでしょう?」


「えっ!オレが振られたんじゃなかった?」


「はぁ?」


 何言ってるの?だんだんと冷たい態度取るようになって、返信もくれない、待ち合わせもわざと遅れる……別れ話持ちかけたのアンタからじゃない。


「あなたから別れて欲しいって言ったんでしょう?どうしたらそうなるの?」


「おかしいなぁ……そんなはずないよ」


 イラっとする。まるで私に振られたように話が変わっている。付き合ってた時には聞いた記憶がない甘くて優しい声。ふざけるな。


「あのさ、今付き合ってる彼女でも重たくなった?」


「えっ?」


「私を振った時、気になる女の人居たでしょ?だから私が邪魔になったんだよね。今は、その人が重いからじゃないの?結婚でも迫られてるとか?それで、気心の知れた私なら取り繕わずに話せて楽だなぁ〜とか思ってない?」


「……えっ、オレって……酷いね」


 ドンピシャね。


「私ね、確かに長く付き合ったよ?だから、あなたへの気の使い方分かるよ?でも、今はあなたの事を好きでもなんでもないし、捨てられて傷ついたし。私、あなたの男としての自信を味わうために利用されたくないんだけど」


 一気に言いたい事を言った。



「あ、うん、そうか……ごめんね」


 付き合ってる時は、本当に甲斐甲斐しい彼女してた。私がこんなにズケズケ物を言う女になっているとは予想外なのか。彼はやたら気弱な態度になった。


 人って学習するの。伝わらない人には伝わらないって。


 尊厳を維持出来ない相手とは恋人になるべきじゃないって。顔色を伺っているうちは、単なる依存関係だって。


「もう、私の事は忘れて。全く未練ないから。でも、振ったのはそっちだから、それだけは思い出してね。じゃあね」


 と、電話を切った。


 結婚までの半年間に、なぜか元カレからの電話が続く。残念ながら良い男になったのは誰一人いないってのは、なんなんだろう。


 同じだけの時間が平等に過ぎたはずなのに……ね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ