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ダメンズデトックス  作者: 炭酸水『しっぽのきもち』
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相談相手を誤る男

 昔の彼氏から電話が掛かってきた。

 この間、もう掛けて来ないでって言ったのに。


 大学のヨーロッパ旅行から戻ってきたら彼は転勤で遠距離になっていた。その後、会社辞めて東京戻ってきた。さらに無謀な夢を追いかけ始めて、彼に将来が見えなくなり別れた。夢に見合う努力が足りず、夢を追ってる夢を見てるように見えた。


 別れた理由は他にもある。その年の春社会人になるのを控えた私は、他の男に目移りした。


 年明けに「別れたい」って伝えたら、「夢から目が覚めた?」って言うセンチメンタルが痛いかわいい人だった。


「……彼女、オレと付き合ってくれないのかな」


 彼の飲み友達グループにいる女性のことだ。前回の電話で聞かされた。羽目外して飲んだ後に関係を持ったんだけど、その後進展を断られた話。


 ぶっちゃけ無理でしょ?

 アンタ、何歳よ。


 別れた時は申し訳なかったけど……私も初めての彼氏、大学生の私にとって彼が大人だったから付き合った。失恋しか知らないから、理想が低くなってた。


 私はもう結婚を控え同棲が始まってる。その話はすでに伝えてあって、残業で帰りが遅い彼氏を布団の中で待っている状態。


 会社員辞めて夢追ってそれも辞めた彼に期待出来るものが……無い。ごめんよ、社員寮から出るって事から一緒にアパート探してこともあったよね。2年間付き合った。結婚も考えたね。


 でもねぇ……

 前回の話で、その彼女がアンタに男として興味ないって分かってるの。だいたい、もう、若くないじゃん。アンタたち。私だって、もう結婚するけど、別に早くないよ?


 と、いうか……性的魅力もなぁ……ないんだよ。お試ししたところで、セフレ続けたいとも思えないよ。身体もテクニックも。


 彼女の方も、ちょっとどうかしてる。なんで、こんなイケてない男とチョメチョメしちゃったんだよ。重いよ、この人。要領悪いし。


 昔の彼女として、全てを飲み込んで……


「む、難しいんじゃない?」


 ごめん、それ以上の事言えないわ……




 再度、二度と電話して来ないでと言って以来、電話は来ていない。

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