第九十六話
ボス部屋に広がった大量の魔石を拾い集めて命は一度、帰還することなく次の階層に進んでいく同じような風景が続くが魔素は濃くなってきており道の先から鉛玉が飛来してくる。
念のためにと張っていた魔力障壁がそれを弾いて続けざまに弾幕が張られてアインが命の守る為に大楯でそれを防ぐ。先程とは打って変わった攻撃であり相手のステータスを鑑定する。
鉄砲足軽
スキル
射撃、火縄銃
「火縄銃でこの威力か……」
連射の効かない代物である筈なのに隊列を組んで弾幕を張り続けておりアイン以外はフラウが魔力障壁を張ってくれたお陰で守られている。先程の足軽とは違い鉄砲を専門としたモンスターの様であり足軽大将と言った指揮官が居ないにもかからわずこちらを一方的に圧倒している。
「アース・シェイク」
地面に触れて遠隔で呪文を発動させる。かなりの距離から銃撃を放ってくる鉄砲足軽の足元を揺らして銃撃を止める。
するとアヴァリスとノワールが一気に間合いを詰めて鉄砲足軽達を攻撃する十六夜は後方から矢を放って牽制し援護しておりアヴァリスが暴れるも更に後方に居た鉄砲足軽達は冷静に襲い掛かるアヴァリス盾に銃撃を加える。
「ジャ!」
それを止めたのはノワールの呪詛であり呪詛の効果範囲はノワールの視界内の敵という極めて広いもので広範囲に付与するのは魔力を使うもののノワールには吸魔というユニークスキルによって触れたものの魔力を奪うことが出来るので燃費を押さえられる。
ノワールの呪詛によって鉄砲足軽の動きは目に見えて悪くなっておりそんな鉄砲足軽を後方から十六夜が射抜いておりフラウの魔法も降り注いで部隊は壊滅である。
「流石にあれだけの弾幕は肝が冷えるな」
もしも、魔力障壁を張って居なかったらと考えるとぞっとする。一階層の足軽は大した強さではなかったと言うのに階層を進んでいくと強さが増している。
Aランクのモンスターが厄介なのは強さもそうであるがどちらかというとその知能の高さであり他のダンジョンの様に脳が溶けたモンスターではなくきちんと考えて有効な手を取って来るところにあり鉄砲足軽も自分の強みを上手く生かしている。
「用心しないとな……」
ここはAランクダンジョンであるという事を再認識させられる。そこそこ進むとフラウに結界を張ってもらって休憩する。
木造なので火を熾すのは流石に憚れるのでアイテムボックスに入れていたサンドイッチと珈琲を取り出す。残っていたグラスディアの肉を入れたサンドイッチであり濃い珈琲と合うように味付けされており疲労回復にも効くのでダンジョン探索中に食べるのには持って来いだ。
「後どの位かな?」
大分、進んだとは思うがボス部屋まではまだ、遠そうだ。




