第八十八話
吸血鬼の一等を討伐するとまた、モンスターが現れなくなり開けた場所に出る。そこは大きな噴水が中央にありどことなく神聖な雰囲気をしておりダンジョンに幾つかあると言うセーフルームに違いない。
時間を確認するとそろそろ一日が終わろうとしており命の疲労もかなりのものとなっておりそろそろ休息しようと考えていた所だ。アインやアヴァリスに協力してもらってテントを張ると寝床の準備は完了してバトラーを召喚して夕食を作ってもらう。
「グラスディアの肉が残ってたからな。今日はこれにしよう」
食材もたんまりと持ってきているのでどんな料理でも出来る。料理スキルを有しているバトラーならば上手く活用してくれることだろう。
バトラーの料理が出来上がるまで命は戦闘によって消耗している武器や防具の手入れをする。本職ではないから耐久度を回復させることなんてできないがこまめな手入れでそれを押さえることが出来て探索が終わったら必ず手入れをしている。
手入れの途中に人懐っこくロイドが構ってと体を押して付けてきてロイドを撫でてやりながら手入れを続けていると美味しそうな匂いがして来る。
「グラスディアのシチューか。野菜もたっぷりで栄養がありそうだな」
野菜がゴロゴロ入ったシチューで熱々のシチューを頬張る。命のだけでなく召喚モンスター達の分もあり皆、美味しそうに食べている。召喚モンスターは飲食を必要とはしないが味覚は存在しているので彼らにも食事を楽しむことが出来る。
ロイドはグラスディアの生肉を豪快に頬張っている。唯一、食事することが出来ないアインはセーフルームとはいえ周囲を警戒している様子で見張りをしている。
モンスターはこの場所に来ることは出来ないがダンジョンで悪事を働く者が居ない訳ではなくこんな、探索者が来ない場所はそんな者たちの巣窟となっていることが多い。
「でも、流石に此処を根城にしている奴は居ないと思うけどな」
罠も多いしアンデットの大群が蔓延っている。サモナーという職業である命だから簡単に進めているが並のパーティーではここまでたどり着くのも容易ではないだろう。
そういった手合いはリスクを冒すことをとことん嫌っている合理主義者でこんな安全でない所には来ないだろう。
「ふー。美味しかった……」
食べ終わったので歯磨きをして寝るとしよう。明日は早く起きて探索を再開することにする。
寝袋なのでそんなに熟睡できないだろうが流石にアイテムボックスにマットレスを持ち込むわけにはいかないので浅い睡眠だがダンジョンの中で文句は言えない。
「おやすみ」
隣で寝転んでいるロイドを撫でてやると眠りに付く。




