第百二話
それから激戦の連続であった。大弓を抱えた武将と大太刀を持った武将が同時に現れて襲い掛かってきてそれを撃破するのにかなりの労力を費やした。
大弓に大太刀と異なる武器を扱うもののその連携は凄まじく一瞬、敗北がよぎってしまう程の激戦でノワールの呪詛に加えて命の拘束呪文とフラウの重力呪文を施してやっと行動を封じて倒すことが出来た。
「……しんど」
思わず弱音を吐いてしまう。フラウとノワールの消耗は激しく吸魔による魔力の吸収をよういにさせてくれない相手であり魔力は消耗する一方で指輪の魔力を供給する。
これが室内でなければノワールももう少し、戦いやすいのかもしれないがあまり広くない屋内ではノワールの高速機動が封じられている。
「バトラーが居てくれてよかったな」
先程の戦いで活躍したのはバトラーで大弓を持った武将と撃ちあい一歩も退かない攻防を繰り広げ、勝利の決め手となった拘束呪文を放てたのもバトラーが大弓使いを封じてくれていたからであった。
大弓の矢はまるでバリスタの様な破壊力でありアインであっても止めるのは容易ではなくそれを封じてくれたのはかなりの功績と言える。
「一度、休憩するか?」
しかし、来たばかりなのでそういう訳にもいかず命は那須の作った疲労回復ポーションを飲む。すると重かった体が見違えるように活力に満ちてくる。
製作者である那須の言葉ではその場しのぎの物なので過信は禁物とのことで区切りの良い所で休憩することにしよう。
「さーて、もうひと頑張りするか」
魔力の供給も終わった所なので探索を再開する。暫く進んでいると行く手を遮るように三体の武将が道を塞いでいる。二体でも一体でもしんどいというのにそれが三体ともなるとあまりの不条理に唾を吐きたくなる。
大太刀持ちが二体で残った一体が火縄銃を抱えている。大弓でなかっただけマシかと思ったが火縄銃から放たれた鉛玉は凄まじい速度で命に向かって放たれる。
「カタカタ」
瞬時にカバーリングでアインが命の前に立ち、それを大楯で防ぐ。大楯にくっきりと弾痕が残っており速度もそうであるが威力も凄まじいという事が分かる。
銃撃と共に大太刀持ちが駆けだしており十六夜とアヴァリスが相対する。まるで嵐のように大太刀を振るう武将に対してアヴァリスはコンパクトに拳を放っていくが上手く間合いを図られており回避されている。
十六夜はというとその抜群な距離把握で大太刀の間合いを見定めて踏み込んで刀を風るが大太刀を引き戻す速度が速く、対応されてしまう。ダンジョンの奥に進んだことでモンスターの強さが跳ね上がっている。
「ジャ!」
ノワールは空に浮かびながらアヴァリスを援護しようとするがそれをさせまいと火縄銃によって牽制される。ノワールの高速機動をもってしても避けるのが精一杯で思ったように動けない。
「テンペスト・ランス」
「フリィー!」
フラウと同時に嵐の槍を火縄銃持ちへと向けて放つ。しかし、その間に大太刀が立ち塞がり嵐の槍を真正面から両断する。そんな簡単に切れるような軟弱な魔法ではないのだが、大太刀は簡単に両断して見せた。
「さて、どうしようかね」




