2話 棚の中には。
さてと、今は午前8時、平日と言っても特に予定が入っておらず、のんびりダラダラと読書でもしようかと考えていた。
けれど、あまりダラダラするのも好きじゃないので、買い物でも行こうかと化粧をし、カバンを持って一階に降りた。
「ちょっと買い物に行ってくる」と私は秀斗に声をかけ
「朝から元気だなー、気をつけてな、俺は仕事行ってくるからなー」
うん、秀斗もきをつけてーっと靴を履き外に出た。
今日は、秀斗がお仕事で、帰りは早くに帰ってくるから夜ご飯が一緒に食べれる。朝はいつも作ってもらってるから、夜ご飯は私の役目だ。何にしようかな、ハンバーグ?ドリア?焼き魚、塩焼き…
と、お昼ご飯よりも夜ご飯を一緒に食べれることが嬉しくて、夜ご飯は何を作ろうかなんて考えながら、近所のスーパーに向かった。
悩みに悩んで買い物が終わり、スーパーを出た。
家に帰り、荷物を片付けて…あれ…?
二階のタンスに入れたのと同じ封筒がスーパーの袋に入っていた。
またこの封筒か、やはり差出人も書いておらず、どこから来たのかわからない。まさかスーパーのレジのおばさんに入れられたとは考えられず、中身を開けてみる。
「風森 加鳴様へ 先程の手紙はご覧になりましたか?もしかすると、明日には例の石を取りに行くかと思います。」
…。
私は一瞬寒気がして身震いをした。
私の家を知っていて、屋根裏にある訳の分からない石を取りに来る。そもそも、なんで私が、そんなことをしなければならないのだ。屋根裏に続く階段があるわけでもないし、どうやったらそんな所に石が入るのかもわからない。
この手紙は怪しい。いや待てよ。なんで、最初の手紙は怪しまなかったんだろう。
などと、色々考えてるうちに、どうでも良くなって、テレビ鑑賞に移った。
まぁ、家に取るような金もないし、防犯カメラもあるし、何とかなるだろう。
その日は、それ以降特に何も起こらす、お昼ご飯食べ、庭で蚊取り線香を焚きながら、読書し。夜ご飯を作り、秀斗の帰りを待ち、夜ご飯を食べ、やることなすことをして、寝た。
次の日の朝、7時45分、秀斗は休みでまだ隣で寝ていた。可愛い寝顔を十分に見て、私は、まだ寝ぼけたまんま、ふらふらと一階に降りた。
水を1杯飲み顔を洗って、朝ごはん何食べようと、パンの入っている棚をを開けた。
「あれ…。」
私は思わず棚の戸を閉めた。
なんか変なものを見た気がするのだが、顔を洗ってもまだ寝ぼけているのかと、目を擦った。そして、もう一度開けて見る。
「こんにちわ」
え?待ってください。と、もう一度扉を閉めた。
私の家は秀斗の二人暮らしで、ペットも何も飼ってない。だとしたらこの棚の中の白いもふもふは何だ。正体を確かめるべく、もう一度そっと、扉を開けてみる。
白いもふもふに丸い尻尾、耳が垂れている兎が見えた。
まさか、この兎が喋るわけないでしょ、と周りを見渡した、けど、もちろん誰もいない。
「あの…。」
!!??
「気づいてます?」
ええ、気づいてますとも。気づいてますけど、うさぎが喋る?そんな馬鹿なことあるか。そりゃ、アニメや映画の世界などCGなど使って、喋ってることはあるが。
あぁ、そうか、まだ夢なんだ。うん、と自分の頬を抓る。
「ーーっ!!!痛い!」
「あの…、何をなさってるのですか?」
また、誰かが喋った、と言ってももう、話してるのはこの兎しかいないのだろう、夢でもないということは…。
「君は何者。」
私はなんでこんな怪しい兎に、質問をしてしまっただろうか。その兎は、恥ずかしそうにこう答えた。
「何者と言われましても。今日から、あなた様のパートナーになります。トトラと申します。」
私は、話しかけてしまったことに後悔をし
「あ、そうですか。」
と、扉を閉めて
「どうぞ、お帰りください。」
と言ってしまった。




