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どうする?

突然のミツキちゃん来訪。そう言えば約束していた気もする。

客間でおもてなしするつもりがなぜか部屋で二人っきりに。

片付けを終えるといきなりベッドにダイブするとても自由で大胆なミツキちゃん。

そこ僕のベッドなんですけど……


「見えてるよ」

豪快なダイビングで後ろが疎かになるミツキちゃん。

見えてはいけないものが見えてしまう。もはや丸見えじゃないか。

文句はないがちょっとサービスし過ぎだよ。

いくら二人っきりだとしても凝視する訳にも行かない。

視線をなるべく高くして壁のシミに話しかける。

「元気うるさいな! 細かいこと気にしない」

そう言ってベッドを占領する。まあこれくらいはいいか。

ケチや神経質や小さい人間だと思われるのに比べれば何てことはない。


「光はどうしてる? 」

最近トラブル続きで距離を取っていた。別に奴が悪いとかじゃなくこちらの問題。

奴には碓氷さんの件を伝えてない。相談してもただ面白がって余計なことするから。

意識的に避けてきた。今後も話すつもりはない。だからミツキちゃんにだって。

碓氷さんの件もようやく解決したのでまたいつも通り。

奴はマイペースだからこっちから行かないとあっちからは来ない。

逆にミツキちゃんはこっちが行かなくてもグイグイ来る。

兄弟だと言うのにこうも違うもの?


「もう今はお兄ちゃんの話は禁止! 」

なぜか怒り出したぞ。まさかケンカでもした? 

あれだけいつも一緒にいればそれも仕方ないことか。

遊びに行くと必ずミツキちゃんもだからな。

「でも会えてなくてさ。学校でも放課後も」

確かに光は気にしてない素振りを見せていたが心配を掛けたのは間違いない。

サークルにも行けてなかった。そうすると三人しかいないので悪い気もする。

「うるさい! うるさい! 」

お気に召さないらしい。せっかく最近の奴について聞こうと思ったのに。

ならせめてその無防備なスタイルをやめてくれないか?

緊張と興奮が止まらないんだ。


「ほら私を見てよ! どう? 」

何だか訳の分からないことを言い始める。

うっとうしいな。いやいやかわいいんだけどね。なぜか邪険に扱ってしまう。

別に見てない訳ではない。でもはっきり言って褒めるのが面倒臭い。

できるなら無視したい。でも二人っきりだからそうも行かない。

「おいおいそんなに怒るなって。どうかしたの? 」

「いいから早く! 」

ミツキちゃんが頑固で我がままな一面を見せる。困ったぞ。とんでもなく面倒だ。


「うん。とってもかわいい服だね」

これくらい僕だって褒められるが語彙がない。ボロが出る前に逃げたいのが本音。

あっちの家でも我がままではあったけれど今日は特に酷いな。

普通はよその家にお邪魔する時は多少遠慮気味に抑えるのにミツキちゃんは逆だ。

まるで何かから解放されたように大胆で我がままになる。

僕には懐いてたから扱いは楽だと思ったのに何となく違和感。


「もっと具体的に! きちんと褒めなさいよ! 」

「コートは真っ暗で不気味でいい。それに靴下もかわいいキャラで好感が持てる。

それともちろんミツキちゃんはいつだってきれいだしとてもかわいいよ」

もうこれが限界。そもそもなぜ彼女でもないのにこれほど気を使わないといけない?

言わせて嬉しいですか? 無理に褒められえても空しいだけな気もするがな。

僕は特に第三の山田だからそう言うのに敏感。彼女だってきっとそうだろ?

やはり扱いが雑なのを感じ取ったか?


「ふふふ…… 初めからそう言えばいいんだよ元気。さあ一緒に寝よう」

嬉しさのあまりかおかしな誘いをするミツキちゃん。

どうしちまったんだ? でも悪い気はしない。

「でも…… 」

「ほら早く! 」

そう言えば光の家に行くとこんな風によくからかわれていたっけ。

でもあそこには当然光がいるからふざけても問題ない。何やってるんだで終わる。

しかしここには光どころか出払っていて誰もいない。

この状況ではいくら相手がミツキちゃんでも間違いが起きないとは言い切れない。

いやもう放っておけば間違いは起きる。毅然とした態度で接しないと。


「元気? どうしたの? もうこのベッドを返さないよ」

無茶苦茶言いやがる。でもそれって僕とずっと一緒にいたいと言う意味か?

要するに遠回しな愛の告白? どうしよう…… いやいやそんな訳ないか?

仮にそうでも僕には碓氷さんと言う彼女候補がいる訳で……

これはまずい兆候。このままでは危険。大体この状況を見られたら終わるぞ。


「ただいま! 」

タイミングよく母さんの声が響き渡る。

うるさいぐらいだがこれでも気を遣ってるのかもしれないな。

だからってまずいことに変わりない。こんなところを見られたら誤解される。

そして僕が無理やり誘ったと勘違いされるに決まってる。

「ほら母さんが帰って来たしそろそろ悪ふざけもお終いにしよう」

「元気ってば生意気! だったら起こしてよ」

生意気はこいつの方じゃないか。でも我慢。急いでベッドから引き離さないと。

どこまで本気なのか分からない。でもこいつもきっと寂しいんだろうな。

認めなくても分かる。だからって慰め合えるはずがない。

僕たちは付き合ってもいなければ恋愛感情さえないはずだ。

ただひたすらふざけ合ってるだけ。

愛とか恋とか言っても何一つ分かってない恋愛ビギナーだ。


                 続く

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