ハッピーエンド?!
地雷軍団は、私とライの事はキレイさっぱり忘れていた。あの日からクソ坊っちゃま達の使用人としか思って無い。
寮へ帰り、あまりの展開に未だ混乱中の私とは逆に、三人は楽しそうにしている。
「これから、サラはどーする?」←クレ様。
「暫くこのままで良いんじゃない?」←イジー様。
女神か……でも、あのポンコツでも出来たならイケるのか?
「サラの目標は長生きだよね。僕といっぱい子ども作って、孫も曾孫も玄孫も抱けるよ!」
ニコニコしながら話すライだが、そうだよ、私は長生きしたいとは言ったが、平凡な人生を望んだのにさ!!
「私の平凡な人生ー!カムバッーーーク!!」
******
ピロロローン。
今日も私のスマホが鳴る。
『サラー!!助けてー!』
。・゜゜(ノД`)
『ヤミー王に私が何か言える訳無いじゃん。頑張れヒロン!そして二度と私へ連絡するな!ヤミー王に私まで嫉妬されるじゃん!!』
女神端末へヒロンから連絡が来ないように着信拒否設定をする。
ピロロローン。
『私のヒロンから連絡あったよね?サラ。分かってるよね』
『勿論!今、着信拒否設定しました!私は無実だ!』
『良かった。サラの世界を壊そうかと思ってしまったよ。じゃあね、ヤミー王より』
ガクブルである。思わず女神端末へ両手を合わせてヒロンの無事を祈ろう。
「まだヒロンとやり取りしてたの?」
「着信拒否するのに、新しいIDで連絡来るのさ!毎回、すぐヤミー王からも連絡来るし、どないしろと!?」
ライに逆ギレするが、本当に分かってンのかな?ヤミー王だけはおさわり禁止人物だ。
私の緊急事態にも関わらず、クソ坊っちゃま達は、ソファで優雅に紅茶を楽しんでいた。
「この国ともお別れだね」←クレ様。
「楽しかったよね」←イジー様。
一年間の留学を終え、クソ坊っちゃま達は本国へ帰る。
「たまには遊びに行くよ」
クッキーを出しながら二人へ話しかけると、にこやかな笑みで返される。
侍女生活も今日で最後。女神なんてやりたくなかったから、ハリセンでポンコツのお尻を叩いたが、ベルビナ嬢の身体から出なかったので泣く泣く女神代行をするはめになってしまったのだ。
インスパーとポンコツは、最初ぎこちなかったけど、今は仲良く過ごしている。学園卒業と同時に結婚するらしい。
ヤターとツンドーラ嬢。ヒューとアープ嬢。ホーイとノン嬢。
皆、なんだかんだ仲良くして用事で近くを通っても見向きもされない。
ちょっとだけ寂しくもあるが、考えたら女神代行がガッツリ関わるのも問題だから、これで良かったと思う。
ただ、1つ問題があるとすれば……
「ねぇ、二人の新居何処にする?神殿?それとも人里離れた森の中?いっそのこと神界でも良いよね?
サラと二人なら、どこでも楽しめそう!」
ライ!!うっとりしながら私を抱き上げンな!
「男神通信をクレとイジーに頼んで作っているから、サラも楽しみにしてて。もし、ヤミー王がこの世界を壊そうとしても僕がサラだけは守るし安心して」
うん。全く安心出来ない。しかもヤミー王と同じ真っ黒い笑みに見えたのは気のせいだろうか?
「女神代行……頑張る」
女神特典で、身体が精霊状態になれ、本国へ帰ったクソ坊っちゃま達とも月1度は一緒に暴れている。毎回アウトさんにめちゃくちゃ怒られているのは秘密だ。
学園卒業した地雷軍団と伴侶達が、この後、偽物聖女にふりまわされたり、魔族とわちゃわちゃしたり仲直りしたり、こそっと逃げ出したヒロンのせいで、異世界戦争勃発しそうになったり。
なかなか平凡な人生は送れそうにもありません。
「ママー!またパパとヤミーおじちゃんがケンカしてるよー」
「違うよ!あれは逃げ出せない異空間の作り方を話し合ってるの!」
薄い緑色の髪と瞳を持つフェー。
薄い水色の髪と瞳を持つアリー。
私とライの可愛い双子の娘達。
「「やぁ、遊びに来たよ」」
「「クレ!!イジー!!」」
パタパタと、フェーはクレ。アリーはイジーへ抱きつく。
「私の娘達から離れて貰おう!」
絶対零度のライが二人へ詰め寄るが、
「「そんな事言うパパなんて大嫌い!」」
はい。毎度の台詞にライのライフはゼロね。
「サラー!愛する娘達に嫌われてしまった」
グスグスするライを抱きしめ、耳元で止めを刺す。
「家族の監禁方法を探すなら、三人で家出すンぞ」
ビクッとなるライは、ヤミー王の所へ戻り計画書をビリビリに破っている。
「「ママー!遊びに行ってくる!」」
お守りはクレとイジーだから心配無く送り出し、ほっと一息つく。
最初は、ヤバい!と思った二度目の人生。平凡とはかけ離れてしまったが、少し束縛が強いけど優しい旦那様と可愛い双子にも恵まれて。まぁ楽しく過ごしてます。
次は孫か……さて、フェーとアリーの初恋は実るかな?