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Miracle Force Princess  作者: ロマンス王子
第三章 最終決戦編
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最終話 青空と煌きとロマンス

 何処にでもいるはずの女性、桜名(さくらな)美姫(みき)はホロテイルジュの戦士シンデレーザーとして戦っていた。ダークストーリーズはトップであるママーハハの登場により勢力を増しつつあった。ママーハハとの決戦を前に不安を抱く戦士達だったが、美姫が皆を励ます。そして(みのり)・ファンタジアが美姫達六人の戦士にミラクルフォースプリンセスというチーム名を名付け、背中を押す。背中を押された六人はママーハハとの決戦に向かい、一進一退の攻防を繰り広げる。一方、単身パンドラスと戦う(みのり)だったが、戦いの中でパンドラスは嘗ての幹部であるデビルホーンの声を聞く。その声に導かれるようにママーハハを見たパンドラスはママーハハの弱点を見つける。そして(みのり)はエメラルディアの遺したエメラルドの指輪を使ってママーハハの弱点を突き、ママーハハは一気に弱体化する。引き換えに戦う力を失う(みのり)だったが、美姫達六人は反撃の態勢を整えるのだった。

 シンデレーザー、マーメイデスト、ツインスウィーテス、ポイズノーム、フルムーンハイヤー、レッドバイトゥースの六人は並んでママーハハを睨み付ける。

「何だその目は?それで我に勝てるつもりか!」

 ママーハハは怒り狂って再び黒いオーラを放つ。しかしそれは弱体化したママーハハでは思うように放てなかった。六人は華麗に避ける。そしてシンデレーザーは本を開く。

「ほうおう座!ペリドット!黄金の鳥!」

 シンデレーザーはそう叫び、煌びやかな姿になる。

「シンデレーザー・ウイングタイプ!」

 シンデレーザーはウイングタイプとなり、一気に飛び上がる。

「みんな、カラスに乗って!」

 ツインスウィーテスは本から五羽のカラスを召喚し、皆に乗るよう言う。そしてシンデレーザー以外の五人はカラスに飛び乗り、皆で同時にママーハハの頭上まで飛ぶ。

「トライデントスプラッシュ!」

「ポイズンストラングル!」

「ツインデススラッシュ!」

「満月ラッシュ!」

「ウルフネイル!」

 マーメイデスト達五人は次々とママーハハに攻撃する。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ママーハハは連続攻撃に翻弄されてしまう。そして追い打ちを掛けるようにシンデレーザーも攻撃を仕掛ける。

「ゴールデンバースト!」

「ま、眩しい…!」

 シンデレーザーは眩い光を発し、ママーハハの目を眩ませる。弱体化したママーハハは成す術もなかった。



 ミラクルフォースプリンセスの六人がママーハハに対して優勢になっている様子を見て、パンドラスはあることを悟っていた。

「きっと俺達ダークストーリーズの幹部は、ママーハハ様のために産まれた存在なのかもな。」

「どういうことだ?」

 桃井(ももい)剣二(けんじ)はパンドラスに尋ねる。

「ママーハハ様が俺達幹部を取り込むことで完全体になる。つまり俺達はママーハハ様が世界を支配するためのエネルギー源である人間の悪意を集めるために産まれたってことだよ。」

「マジかよ…。」

 浦賀(うらが)輝弓(きゆみ)はダークストーリーズの幹部達の存在について悲しさを感じる。

「まあ、どちらにしろお前らの世界は救われる。良かったな。」

「パンドラス…。」

 パンドラスは剣二達に労いの言葉を掛けるが、金山(かなやま)依斧(いおの)はその言葉に物悲しさを感じていた。



「みんな、止め行くよ!」

「「「「「はい!」」」」」

 シンデレーザーの合図に五人が返事をすると、五人は一斉にカラスがら跳び上がり、ママーハハの頭上でシンデレーザーと手を繋いで大きな輪を作る。

「必殺!」

「「「「「「サンシャインフラワー!」」」」」」

 六人がそう言うと六人の作った大きな輪に大きな花の幻影が浮かび上がり、ママーハハを目掛けて勢いよく落下する。

「ぐっっ…、うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 攻撃を受けたママーハハは苦しみ、まともに立っていられなくなる。そして六人は地上に着地する。

「これが人間の力か、我の思い通りに動かない生命の力だというのかぁ~!」

 ママーハハはその捨て台詞と共に、消滅してしまう。

「勝った…。」

 シンデレーザーはママーハハが消滅したのを見届けた時、一瞬唖然としてしまう。それは他の皆も同じだった。しかしすぐに揃って歓喜の表情に変わる。

「勝った~!」

「勝ちましたよ、美姫さん!」

「これで世界はダークストーリーズの恐怖から解放されます!」

 皆は喜び、それぞれ元の姿に戻る。そして元に戻った桜名美姫、水原(みずはら)夜衣魚(よしみ)双見(ふたみ)アラモード、鈴木(すずき)林檎(りんご)三浦(みうら)竹月(たかつき)赤園(あかぞの)風布花(ふうか)の六人は感極まって抱き合う。



 ママーハハが消えた瞬間、パンドラスは黒いオーラに包まれ、消えようとしていた。

「パンドラス!」

「何でお前まで消えるんだよ!?」

 剣二と輝弓はその光景に驚き、パンドラスに尋ねる。

「だから言ったろ、俺達ダークストーリーズの幹部はママーハハ様のために産まれた存在だって。最初からママーハハ様と運命を共にしていたってことだ。」

「そんな…。」

 依斧もダークストーリーズの幹部の運命にショックを受ける。そしてパンドラスは少し微笑みながら手を振る。

「じゃあな、お前らは今までのホロテイルジュの連中で一番楽しい奴らだったよ。」

 パンドラスはそう言い残し、闇と共に消えるのだった。

「パンドラス…。」

 剣二達は消えていったパンドラスを見届け、何も言葉が出なかった。



「お~い、ミラクルフォースプリンセス~!」

 (みのり)はリーナ・ジーニアスと共に美姫達六人の元に歩み寄り、声を掛ける。

「リーナ、(みのり)。」

 美姫もリーナと(みのり)の二人を迎える。

「やはり、私の信じていた通りでした。あなた達は最強の戦士です。」

 リーナは少し涙ぐみながら美姫達にそう言う。そして他の皆も感極まり、リーナと(みのり)を含めた八人で再び抱き合う。そして不気味な色に染まっていた空もいつしか青く晴れ渡っていた。

「あ、青空。」

 美姫がそう言うと皆で空を見上げる。すると六人が嵌めていた指輪の宝石は光となって消える。

「嘘、お祖母ちゃんの形見が消える!」

「どうしてこんなことが?」

 美姫も林檎もその現象に驚いてしまう。そして本にも文字が一切消えていた。

「恐らく、この力はダークストーリーズと戦うための力だったのでしょう。それでママーハハを倒し、役目を終えたことで消えたのかも知れません。」

 竹月はホロテイルジュの力に対し、そう推測する。しかし皆はすぐに再び勝利した喜びに浸る。

「そんなことより、せっかくママーハハに勝ったんですからパーティーに行きましょうよ!」

 夜衣魚はそう話を切り出す。皆はママーハハに勝利した記念としてパーティーをする約束をしていた。

「そうだね。みんな、どこ行きたい?」

 美姫は皆にどこでパーティーをするか尋ねる。そしてアラモードが先陣を切って答える。

「じゃあスイーツバイキング!」

「「「「行かない!」」」」

 アラモードの意見を否定するように美姫、夜衣魚、林檎、(みのり)の言葉が重なり、こだまするのだった。



 それからしばらく経ち、リーナと(みのり)は正式に戸籍を取り、ホロテイルジュの本拠地であった洋館を引き取った。二人は洋館の大掃除を終える。

「ここでまた私達の生活が始まるね、リーナ。」

「ええ、ここでまた私達の人間としての暮らしを始めましょう。」

 リーナと(みのり)はそんな言葉を交わし、新たな生活に希望を見出だしていた。そしてリーナは問題集を開く。

「まずは、高校卒業程度の学力を身に付けて大学に入らないといけませんね。」

 リーナは大学に入るべく、勉強を始める。

「リーナならきっといい大学に入れるよ。」

 (みのり)はそう言ってリーナを応援するのだった。



「じゃあ林檎ちゃん、新しく入るこの子の研修を宜しくね。」

「は…はい、店長。」

 林檎は働いているカフェで新人の研修を任されるが、思わず顔がひきつる。その新人とは(みのり)だった。(みのり)はリーナとの生活費を稼ぐため、林檎の働くカフェで働くことを決めたのだ。

「宜しくお願いします、アポー先輩。」

 (みのり)は満面の笑みで挨拶する。

「うん、まずはちゃんと名前を言おうか。」

 林檎は顔をひきつらせながら(みのり)を軽く叱る。こうして林檎は(みのり)の面倒を見ることとなったのだ。



 一方、夜衣魚はいつものようにアパレルショップで働く。そしていつものようにドアが開く音が響く。

「いらっしゃいませ…、あ。」

 夜衣魚はいつものように出迎えるが、そこにいたのはリーナだった。

「お久しぶりです、水原夜衣魚。」

「リーナ、久しぶりじゃ~ん。」

 夜衣魚はリーナとの再会を喜ぶ。リーナはこの日、新しい生活のために服を買いに来たのだ。

「手続きとかもう済んだの?」

「はい、なんとか済みました。あとは勉強して大学に入ろうと思います。」

「そうなんだ~、頑張ってね。」

 リーナと夜衣魚はそんな他愛のない会話を交わす。

「じゃあリーナに似合う服はね~。」

 そして夜衣魚はリーナに服を勧める。リーナも服選びを楽しむのだった。



 一方、アラモードと竹月のカップルはとある野原でパフェを食べながら陽の光を浴びていた。

「ん~、青空の下で食べるパフェは格別だね。」

「そうですね、体の芯まで染み渡ります。」

 二人は揃ってパフェを楽しんでいた。そして二人は野原に横たわる。

「な~んか不思議な感じ。」

「何がですか?」

 アラモードの突然の言葉に竹月は尋ねる。

「だってこの間まで怪物と戦ってたなんて思わないんだもん。」

「そうですね、それに70年も続いた戦いを私達が終わらせたと思うと更に不思議な感じです。」

 二人はそんな会話を交わしながら戦いを終えた達成感を得ていた。そして二人は互いに見つめ合う。

「これからもずっと一緒です、アラモードさん。」

「そうだね、竹月ちゃん。」

 そう言葉を交わしながら、二人は微笑み合うのだった。



 またある日、風布花は林檎を呼び出していた。

「お待たせ、風布花ちゃん。」

「林檎さん。」

 林檎は風布花が座っていたベンチの隣に腰掛ける。

「それであの、相談というのは美姫さんのことなんですけど…。」

 風布花は林檎に、美姫のことについての相談を持ちかける。

「うん、風布花ちゃんの気持ちを聞かせて。」

 林檎も風布花の話したいことはわかっていた。そして風布花はじっくり林檎と話すのだった。



 一方その頃、美姫はいつものように仕事に励んでいた。

「頑張っているな、桜名。」

「はい、ありがとうございます。」

 美姫の上司は美姫の仕事ぶりに感心していた。そして上司は美姫にある話を切り出す。

「そうだ。例の企業の方が広告の相談に来ているのだが、相手してもらえるか?」

「もう来たんですね、わかりました。」

 美姫は上司に言われるがまま待ち合わせ場所に行く。

「お待たせ致しました、御社の広告を担当させて頂きます桜名と申しま…。」

 美姫が自己紹介をしながら部屋に入ると、美姫は目を丸くしてしまう。

「美姫、ここに勤めていたのか。」

「お久し振りです、美姫さん。」

「しばらくですね。」

 そこにいたのは剣二、輝弓、依斧の三人だった。

「何であんた達がそこにいる訳…?」

 目を丸くする美姫に、剣二は答える。

「言っていなかったか?俺はこういう者だ。」

 剣二はそう言って美姫に名刺を渡す。美姫も慌てて剣二に名刺を渡し、名刺をじっくりと見る。

「株式会社桃井テクノロジー代表取締役社長桃井剣二…。」

 名刺に書いてある肩書きと名前を読み上げた美姫は剣二の方を見る。

「あんたって会社の社長だったの!?」

 美姫は驚いて少し大きな声を出す。

「ああ、IT企業を経営している。輝弓も依斧もここの社員だ。まあ規模は小さいがな。」

 剣二から説明を受けた美姫は今までのことを振り返る。

「だから柔軟に戦えてたんだ…。」

 美姫は剣二達が戦いに積極的だったのを見て普段何をしているのか疑問だったが、会社の経営をしているということを聞いて合点が行く。

「まあいいか、じゃあ取り敢えず始めさせてもらうね。」

 美姫は気を取り直して剣二達の会社の広告の相談を受けるのだった。



 そしてまた月日は流れ、八月某日。この日は美姫の30歳の誕生日だった。

「美姫さん、こっちです。」

「気をつけて下さい。」

「ちょっと、どこ行くの?」

 美姫は目隠しをされ、夜衣魚と林檎に連れられて洋館の中を歩いていた。

「着きましたよ美姫さん、目隠しを取って下さい。」

「あ、うん。」

 夜衣魚に言われるがまま美姫は目隠しを取る。するとそこには大きなプレゼントボックスがあり、それを挟むようにして夜衣魚、林檎、アラモード、竹月、リーナ、(みのり)の六人がクラッカーを持って立っていた。そして皆は一斉に叫ぶ。

「「「「「「美姫さん、お誕生日おめでとうございま~す!」」」」」」

 皆はそう言ってクラッカーを鳴らす。

「わあ、ありがとうみんな~。」

 美姫は皆からのお祝いに喜ぶ。

「じゃあ美姫さん、早速プレゼントを開けて下さい。」

「この大きな箱?何が入ってるんだろう。」

 美姫がわくわくしながら箱を開けると、中から風布花が飛び出して来る。

「美姫さん、おめでとうございます!」

「風布花ちゃん、中にいたの?」

 美姫は箱の中から風布花が出てきたことに驚く。そして風布花は真剣な表情を浮かべる。

「どうしたの風布花ちゃん?」

 美姫は突然の風布花の改まった態度に戸惑うが、林檎が話を切り出す。

「美姫さん、風布花ちゃんは美姫さんに言いたいことがあるんです。」

「言いたいこと?」

 美姫は林檎の言葉を聞き、風布花に耳を傾ける。そして風布花なんとか美姫に想いを告げる。

「あの…、好きです美姫さん!」

「うん…。」

「林檎さんと話し合ったんですけどやっぱり美姫さんのことが諦めきれなくて、だから私が大きくなるまで清い関係を保つので付き合ってください!」

 風布花は美姫に思いの外をぶつけ、頭を下げる。そして林檎も風布花と一緒に頭を下げる。

「風布花ちゃんは本気です。二人に間違いが起こらないよう私も協力するので美姫さんも応えてやって下さい。」

 風布花と林檎の真剣な姿勢に、美姫も決心を固める。

「…わかった。私も気を付けるから、こちらこそよろしくお願いします。」

 美姫は風布花と付き合うことを決め、頭を下げて右手を差し出す。

「美姫さん…。」

 風布花は嬉しくなり、涙ぐみながら美姫に抱き着く。

「美姫さ~ん!」

「風布花ちゃん!」

 美姫と風布花はきつく抱き締め合う。皆も同じように喜んでいた。

「やった~!これでカップル成立ですね。」

「しかし赤園風布花がまだ判断能力の未熟な女児であることに違いはありません、私も目を光らせておきます。」

「ま、風布花ちゃんが大きくなるまですぐだし、大丈夫でしょ。」

 こうして、美姫と風布花は晴れて付き合うことになった。



 そしてまた時は流れ、美姫と風布花はとある墓の前に来ていた。それは美姫の祖母であり、ホロテイルジュの創設者である琴姫(ことひめ)の墓だった。二人は墓の前に屈み、手を合わせる。

「お祖母ちゃん、私世界を守ったよ。お祖母ちゃんの大好きな、星座と宝石と童話の力で。70年以上も続いた戦いも、これで終わったよ。」

 美姫は琴姫に対してそんな言葉を贈る。そして風布花も琴姫に言葉を贈っていた。

「琴姫さん、美姫さんは私が幸せにします。だから、エメラルディアさんと一緒に見守っていて下さい。」

 二人は合わせていた手を離すと立ち上がる。

「それじゃ行こっか。」

「はい。」

 二人はそう言葉を交わし、琴姫の墓の前を去る。琴姫に戦いを終えたことを報告できた美姫は、とても晴れやかな気分になっていた。そして風布花と手を繋ぎ、その晴れやかな気分を表しているかのような青空の下を共に歩くのだった。



 めでたしめでたし。

こんばんは、ロマンス王子と申します。

これにて本作を完結とさせて頂きます。少しでも面白いと感じていただけましたら幸いでございます。

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