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この世界にはどうやら魔王が最強でほかにも獣人族エルフ族小人族がいるようです  作者: 1010
第5章「勇者と討伐隊」

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第5章 第7話「勇者の力」

訓練場。

昼過ぎ。

ガビは——魔物と対峙していた。

本物ではない。

ガルドが用意した——

実戦用の訓練体。

魔力で作られた擬似的な存在。

だが——

動きは本物に近い。

「——来い」

ガビが低く言う。

訓練体が——

跳ぶ。

速い。

一直線。

ガビは——

動じない。

剣を構える。

「——っ!」

衝突。

弾ける。

訓練体が——

吹き飛ぶ。

「……」

ガルドが見ている。

腕を組んで。

無言で。

ガビが次を——

待つ。

訓練体が立ち上がる。

今度は三体。

同時に来る。

「——!」

ガビが踏み込む。

一体目。

斬る。

二体目。

躱す。

三体目。

——止まる。

ガビの手から——

光が出ていた。

白い光。

それが——

三体目を、包む。

消える。

跡形もなく。

「……」

ガルドの目が——

わずかに細くなる。

(また、あの光か)

先週から——

出るようになった。

ガビ本人は——

「自分の力だ」と思っている。

だが——

ガルドには分からない。

あの光が——

何なのか。

「終わりです」

ガビが振り返る。

汗をかいている。

だが——

目は澄んでいる。

「……あの光」

ガルドが言う。

「はい?」

「どこから来る」

ガビが少しだけ——

考える。

「分からないです」

「感じていると?」

「感じるというか——」

「勝手に、出てきます」

「必要なときに」

ガルドは黙る。

「おかしいですか」

ガビが聞く。

「……いや」

「強い、ということだ」

その答えは——

半分だけ、本当だった。

強い。

それは確かだ。

だが——

(出どころが分からない力は——)

ガルドは、その考えを——

止めた。

今は関係ない。

使えるかどうか——

それだけが重要だ。

「もう一度やれ」

「はい」

ガビが構える。

新しい訓練体が——

現れる。

今度は五体。

「——来い」

また、あの目。

揺れない目。

疑わない目。

その目を見て——

ガルドは思う。

(純粋さは、武器だ)

疑わないから——

迷わない。

迷わないから——

速い。

速いから——

強い。

それで十分だ。

訓練体が動く。

ガビが動く。

光が——

また出る。

「——!」

一瞬で——

片付く。

あまりにも——

あっさりと。

「……」

ガルドは——

その光を見ながら。

ほんのわずかに——

「何か」を感じた。

名前のつかない——

何か。

(この光は——)

だが——

「次だ」

その感覚を——

押し込んだ。

任務に——

感情は要らない。

ガビが頷く。

「はい」

また構える。

その背中は——

真っ直ぐだ。

迷いがない。

(それでいい)

ガルドは思う。

(それだけでいい)

遠くで——

王都の鐘が鳴る。

昼の鐘。

訓練は——

続く。

ガビの体から——

また、白い光が滲む。

自分のものだと——

信じながら。

誰も——

その光の奥を——

見ようとしない。

見えない場所で——

「——良い出力だ」

ナイの声が——

静かに響く。

「もっと——使わせろ」

「慣れさせろ」

「依存させろ」

「そうすれば——」

「抜けなくなる」

光が——

また、弾けた。

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