周囲にジロジロ見られました…
本日2話目投稿になります。 宜しくお願いします
…城下街の入口から組合の前に着くまで、周囲の人が此方をジロジロ見ている。
「もしかしてフェアが目立っているのか」とフェアの方を見るが、フェアも分からないのか肩を竦めている。 「まぁ良いか。」と気にしないようにして組合内に入る。
組合に入ると直ぐに受付に行くが、受付でもジロジロ見られる。 …どうやら自分が見られているようで、何かと体を見回して見ると、紅ウルフや背負った女性の血や、戦いの際に着いたと思われる泥等で全身ドロドロだ。
幸い足跡が着いたりしたりはしていないがあまり良い顔はされていない。
早く報告をして、急いで汚れを落とそうと受付に話し掛ける。
「あー、すみません。次から組合に来る前に汚れを落としてきます。 今回先に報告をお願いします。」
「…分かりました。 では組合証と報告をお願いします。」
と言われるので組合証を渡し、「依頼の最後に碧ラクーンと紅ウルフ2体が街道に出没しました。 その際、襲われていた女性2名を助け、内1名は大怪我を負っています。」と告げる。
続けて「自分が紅ウルフ2体を、フェアが碧ラクーンを討伐しました。 幸いフェアがいたので、風の回復魔法?で怪我をした女性を癒したので、命に別状はないそうです。 今は入口にいた衛兵の人に女性2人を任せて、此方に戻って来ました。」と言う。
受付の人は「分かりました。 女性2人の事は衛兵の方から話が届いています。 直ぐに報酬を渡しますから少々お待ち下さい。」と言い、受付を離れる。
数分で組合証とお金を持ち、此方に戻って来る。
紅ウルフ6体分と碧ラクーンの報酬、それに解体した素材の報酬の合計で銀貨3枚になる。
「意外に高いな…。」と考えながら受け取り、頭を下げて組合から出る。
数分歩き宿に着くと、女将さんに「汚れを落としたいので宿の裏手を使わせてほしい。」と告げ、裏庭で快適魔法の水を使い体や鎧、血の付いた剣や小楯の汚れを落としていく。
快適魔法の風で乾かし、そのまま女将さんに礼を言い、部屋に入りベッドで丸くなる。
「フェア。悪いけど食事は今日はいらないって女将さんに伝えてきて。」
「…分かりました。 …マスター。今日は無理せずに休んで下さい。」
「女将さん苦手なのに悪い。」と最後に謝り、そのまま目を瞑る。
…今更ながらに血塗れの人や、自分が殺したモンスターの目を思い出し、体が震えてくる。
…「大丈夫。自分は大丈夫だ。」「フェアもいる。カードもあるし自分は死なない。」と暗示をかけるように念じながらその日は眠りに着いた。
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