表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彗星の時  作者: 燕兄さん
27/36

シャインの作戦

そんな息子にかまわず王は命令を出した。

「歩兵部隊に伝えよ。先程破壊した防御壁に部隊を進軍させ制圧せよ。けが人は、敵味方問わず救護し、投降者は捕虜とし殺生すること許さず、とな」

 一人の側近が、仰せの通りに、と言いながら命令を伝えるため司令室を出て行くのを見ると、ガーゼル王は椅子に再び深々と腰を下ろし、壁面の様々な画面を見て言った。

「しかしこの『動く砦』はおもしろいのう。あんなに遠いはずの景色が、まるで手に取るように判る。遠眼鏡でさえこんなにきれいに見ることはできないというにのう」

 しょげ返っている王子を見かねてか、王は和らいだ声だった。

 その言葉に顔を上げた王子は、困ったような嬉しいような微妙な表情で応えた。

「・・・はい、超古代の技術とは恐るべきものです。使い方を誤れば大変なことになること肝に命じておきます」

「うむ。それでよい」

 王は満足げに王子を見返し頷いた。




「ケイン様、本来であれば「ギガベース」は「イオノスⅢ」の管理下にあるものです。ケイン様からコントロールできませんか?」

 シャインは超時空通信でケインに尋ねた。

「うん、僕もそれに気がついてやってるんだけど、「ギガベース」に接続できないんだ」

「となると、やはり「ギガベース」側で独立マニュアルモードになっているんです。であれば、直接乗り込んで強制的にモードを変更するしかありません」

 ケインは上空から「ギガベース」を監視しながら聞いた。

「でも、どうやってあれに乗り込むの?」

「私には、『天の国』の宝物庫で見つけたブラスター・キャノンがあります。とりあえずこれを使って進入し、遠隔操作モードに変更してきますので、ケイン様は、その後ギガベースを誘導し、一番近い湖、「レマ湖」に沈めてください。ギガベースは耐水仕様にはなっていません。湖に沈めれば反応炉も冷温停止状態になり、全機能が停止します」

「判った。じゃあシャインさんお願いするよ。気をつけてね」

 ケインとの通信を終えたシャインは、改めて眼下に広がる『地の国』の軍を見渡した。

シャインとヤーコンは、足の一番早い走鳥ですでに最前線まで到達し、『地の国』の軍が通るすぐ傍の高台に潜んでいた。



「あれが「動く針山」か・・。思っていたより大きいですな・・」

 ヤーコンは戦争だというのも忘れ、好奇心丸出しで「ギガベース」を見つめている。

「そうです。「ギガベース」という地上移動型の司令室です。あの突起物は様々な武器にもなるやっかいな超古代の遺物です。現代では正に無敵と言っていいでしょう。本来はイオノスⅢ・・天神の力の配下なのですが・・」

「えっ、あれも元々ならケイン様のもの・・天神の力というのはなんとも・・」

「ですが、今は完全に『地の国』のものになっています。それを取り返すため、あの中に侵入しなければなりません。ここからは私一人で行きます」

「えっ、一人で行かれるのか」

「はい。「ギガベース」には自己防衛機能があるはずですので、かなりの危険が伴います。しかもブラスター・キャノンも一機しかありません。行動するには一人の方が良いでしょう」

 ヤーコンは、とても残念そうな表情をしながら頷いた。

「そうですか。私も是非行ってみたいものですが、シャイン殿がそう言われるのならばいたしかたない。ご武運をお祈りいたします」

 シャインは、ありがとうございますと言いながら、走鳥にまたがって手綱を握り、ブラスター・キャノンを肩に担ぎ上げ、走り出すタイミングを図った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ