:第五話 お地蔵さまの話
日本で作られた最も数多く作られたもう一つの仏像は、
地蔵さまですが「とげぬき地蔵」や
「縛られ地蔵」などが有名ですね。
この地蔵様がなぜ多くの信仰を得てきた理由があるのです。
我々が最終的に救済されるのは
だいぶ先だというのが仏教の教えなのです。
弥勒菩薩というのを聞いたことがありますか?
このお方が兜卒天というところにおられて
56億7千万年間修行して
どのように我々を救済するか考えておられるというのです。
中宮寺、広隆寺のものが有名でよくポスターに載っていますが、
右手を頬のそばまで近づけて
深い思惟の世界に入っておられるという
お姿をしているのを見たことがありませんか?
いずれ我々は56億7千万年後には救われるというのですが、
しかしそれまで一体どうすればいいのでしょうか?
実はそれまでの期間でも
救ってくださるというのが地蔵菩薩なのです。
しかも地蔵様は地獄にまで降りてきて、
罪人にも手を差し伸べたり、
責め苦を代わりに引き受けてくれるというのです。
11世紀の日本は阿弥陀浄土の信仰が起こり、
極楽に対する地獄の思想が広まって、
庶民は地獄に落ちる不安をもつようになりました。
だから当時の上流階級は
お寺に寄付をしたりして
極楽往生を願ったのですが、
貧しい庶民はそんなことが出来ません。
しかし地蔵様にお願いすれば救ってくださるというのです。
これでは庶民に人気の仏像となりますよね。
また本来装飾の多いスタイルをしている菩薩の中で、
地蔵菩薩は例外的で髪をそった
僧侶のようなシンプルな姿をされているのも
親近感を持ちますよね。
このように菩薩で人気抜群なのがお地蔵様と観音様ですが、
他にも知られている菩薩には、
勢至菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩がありますが
別な機会にしますね。




