第3話 争いは基本やらかした方が負ける
妖精ミィディアルと黒服男のサーモルン視点になります。
ブォン ズドォォン ゴゴゴ……
鳴り響く地震と共に現れた覇月家の屋敷と敷地が、異世界ディアンドティライクへ無事転移してしまった。どうやら森の真ん中に現れた様である。
「あいたたた……。さっきの地響きは一体何なのよぉ!サーモルン、寝てないで!ほら、起きなさいよねっ。」
光の球だった妖精ミィディアルが大きくなって本来の姿で黒服男のサーモルンをぺしぺし叩く。サーモルンは、「いてぇなぁ。もう少し寝かせろ……後8時間位。」と言って寝返りを打つ。
ミィディアルが「だぁめ!ちゃんと働きなさいって話よ!」と言い、ハリセンを取り出してサーモルンに一発叩いた。サーモルンは「いってぇ!それで叩く事ねぇだろうよ!」と返した。
「こうでもしないとあなたはいつも二度寝するじゃない。違う?」と、ミィディアルが黒服男のサーモルンに言う。
サーモルンは「ぐっ……(何でバレんだよ!早く寝かせろよ、こちとら事実上の2徹してんだぞ?おい。)仕方ない、10時間でいい。」と言うと、
「何、時間、増やして、寝ようとしてんのじゃああぁぁぁ!」
スパァン!スパァン!スパァァン!!
妖精ミィディアルは、黒服男のサーモルンに豪快なツッコミを3回当てて叩き起した。
サーモルンは、
「くぁ〜!いっってぇ……。ふつー3回もはたくかよ。(小っせぇ性格しやがって)」と愚痴ると、
「はぁ!?今、私の事、ちっさい言ったよね?言ったでしょ!ゆるっさないから!このグダグダサーモン!」
ピキッ
『は?』
サーモルンの周りが重圧に呑まれていく。
『今……なんつった?』
妖精ミィディアルは自身がサーモルンに対してのタブーを破ってしまった事に気付いた。
「あっ、あっ、えっとね、サーモルンが真面目に頑張って、疲れただろうから、ゆっくり休んで寝て良いよって言ったの!そ……それだけっ。」と誤魔化した。サーモルンは、
「…………ふぅん?なら、俺は寝るぞ。勝手に起こすんじゃねぇぞ。で、ミィディアル」と言い、
「は、はい……。」とミィディアルは返答すると
『次は ねえぞ』
とサーモルンから警告され、
サーモルンはその場で寝た。
(眠った場所は庭園の影になってる部分)
妖精ミィディアルはサーモルンの重圧から解けたものの、
1人 (?)暫くその場で動けなかった。