表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

第1話 年に一度の会合

今日は1年に1度の家族会合だ。

 ボクは覇月(はづき)(かさね)。覇月家の三男だよ。本日集まるのは一癖も二癖もあるボクの自慢のファミリー。

家族構成は長男、次男、三男と長女、次女、三女で、祖父と祖母にお父さんとお母さんの合計10人。えっ?普通じゃないかって?ふふん。それが違うんだなぁ。何が違うかと言うとね……。


「こぉら、(かさね)。こんな所で何独り言話してるの。早く(たける)父さん達が集まっているパーティルームに行くよ。ほらっ」

髪を後ろに束ねた女の子が(かさね)の首の裏側を持って引っ張って行く。

 

 痛い痛い!首根っこ掴まなくてもボクは逃げないってば。本当に(みつる)姉ちゃんは粗暴なんだから……。全く、誰に似たんだか。


 (かさね)(みつる)の方を向くと、しかめっ面で考え込む。


(かさね)位だよ!遅れてんのは。早くしないと(しおり)姉様の手料理が食べられないじゃない!」と(みつる)は愚痴を零す。


 あ〜、そっかぁ。今日は栞姉ちゃんが腕を奮ってみんなの料理を作るんだったっけ……。忘れてたよ、うん。余ってるかなぁ……プリン。


(かさね)(みつる)に引っ張られながら父である(たける)のパーティルームに連れてかれ、それはさながら諦めた出荷される(かも)の様であった。


(かさね)(みつる)(たける)のパーティルームに向かっている頃、別室ではカジュアルヘアで金髪の男性が楽しそうに鏡を見つめている。


「ふんふふふーん♪今日はぁ、年に一度の〜(いさみ)に逢える〜特別なぁ〜日ぃ〜♪あなたの為にアタシはぁ〜♪おめかししちゃうのよん、よ、よん〜♪」と独自の歌をうたっている。


 コンコン……キィィ


 金髪の男性の部屋に小さな影が入り込む。

「あーっ!まーちゃんだぁ!なにをうたってるのぉ〜?」とクルクルカールにした金髪の女の子が金髪の男性に向かって声を掛けた。

「ん〜?あらひーちゃんじゃない、どうしたのよ。何か御用かしらん。」と答える。

 まーちゃんとは覇月 (まもる)の愛称であり、ひーちゃんは覇月 (ヒザシ)の愛称である。(まもる)は男性扱いされるのを嫌悪する、いわゆるオネェである。また、(ヒザシ)は甘いものが大好きな覇月家の一番下の妹である。

「えへへ〜♪しおりおねえちゃんのプリンたべるの〜♪わくわくなの。」と(ヒザシ)(まもる)に教えると、

「あら、良いじゃない♪(しおり)の手料理は癖になるわよねぇ。あ、そうそう。ひーちゃん、アタシもねぇ、だぁーい好きなイ・サ・ミに逢えるのよぉ〜♪もうねぇ、たっくさんたぁーっくさん待ったんだからァ。」と言って腰をくねくねしながら乙女の様に恥じらいを見せた。(ヒザシ)は、「じゃあ、一緒にプリン食べよっ」と(まもる)に言うと、

「ん〜♪そうね。ひーちゃんと一緒に行けばプリンのおこぼれがあるかもしれないわね。」と(まもる)は答える。

 2人は楽しそうに歌いながら、父猛(たける)のパーティルームへ向かっていく。


 その頃、パーティルームでは父である覇月 (たける)と母の覇月 (いおり)、祖父の覇月 (よる)と祖母覇月 (ハライ)が長い机に添えてある椅子に腰掛け、子供たちが来るのを待っている。キッチンルームでは、長女の覇月 (しおり)と長男の覇月 (つくる)が料理を作り始めていた。

「子供たちは迷わなければ良いが……」と、

 父の(たける)が両手を拝むように組み、ため息と共に(つぶや)く。

 それを聞いた母の覇月 (いおり)

「あら、大丈夫よ。子供たちならきっとすぐに辿り着く(・・・・)筈よ。そんなにご心配なさらないの。皆頭も良くて、しっかりしているんだから。」と父猛(たける)を説得する。

 父猛(たける)は「それならいいのだが……。」と母庵(いおり)に不安そうに言葉を返した。


 コンコンコン……ギィィィ……


 パーティルームへ繋がるやや大きな扉が開かれる。

(たける)の親父ぃ!1年ぶりだなっ!覇月 (いさみ)ここに今!帰還完了って奴だ。」と

 声を高らかに発し、パーティルームのメンバーにその言葉の持ち主、覇月 (いさみ)が来たのが見て取れる。(いさみ)は覇月家の従兄弟(いとこ)である。

 覇月家が集まるこの会合は計11人

 個性豊かな者達が集うパーティルーム

 果たしてその内容は何なのか。


 その頃……

 覇月家の屋敷の敷地内に不穏な影が蠢いていた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ