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シモーネ再び!


 商人ギルドでの用事を終えたアリーチェはラダック村特産品店によって寄ってみると、見たことのある男たちと揉めていた。


「だからその後ろに飾ってある人形をよこしなさい。金は後で届けさせるからいいだろう」


 あのシモーネと護衛たちだ。

 ニッチェが毅然と対応する。


「何度も申し上げておりますが、これは売り物ではありませんので、申し訳ございませんがお売りする事は出来ません。それにあなたは神の泉で懲りたんじゃないの?」


「フンッ、ここは神の泉じゃない俺の街だ!お前らが気をつける番だ!いいから人形の金額を言ってみろ」


「だからこれは売り物ではございません」


「頑固だな、お前ら分かってないだろ。私はこの街の領主様の代理だ。つまりこの街では俺が正義なんだよっ!」


 ニッチェはうんざりしていた。


「しつこいなぁ…………関係ありません、あれは売り物では無いと言っているんです。話しになりませんね」


「話しにならんな!」


 痺れを切らしたシモーネは、人形を奪おうと強引にカウンターを乗り越えようとするが、ジョバンニが店の外に放り投げる。


「いたたたっ、貴様何をする!」


「他のお客さんの迷惑だぜ、お引き取り願おうか」


「なんだとっ!領主代理の私に逆らうのか!もういいこいつもあの女も不敬罪だ!お前たちやれ!」


 シモーネの護衛たちが剣を抜いた。


「俺もギルドを通した依頼でね、そっちも冒険者ギルドを敵にまわすって事でいいんだな?」


 ジョバンニはゆっくりと剣を抜いた。


 シモーネの護衛たちは、ジョバンニの圧にたじろいだ。


「なあお前たち、一度は領主軍に入ったんだろ?なぜ辞めてこんな奴の元に居るんだ?」


「うっうるさい!関係ないだろ!」


「やっぱ金か、こんなくだらない奴に手を貸してまで楽して金を儲けようってか」


「うるさいぞお前!」


 図星を突かれてうろたえる護衛たちは、ジョバンニに斬り掛かった。


 ドンッ!ガンッ!ドカッ!


「ありゃ?全然手応えがねえな。楽する事ばっか考えて努力してねえだろ」


 1vs多数だったが、ジョバンニは難なく攻撃を(かわ)して相手を剣の腹で打ち据えていた。


 地面に転がっている護衛たち。


「なんだお前たち!金払ってる分くらいは役に立て!ほらっ奴をたたきのめして人形を取ってこい!」


 立つのもやっとの護衛たちに怒るシモーネに呆れたアリーチェは、野次馬の列から一歩前に出た。


「そんなに人形が欲しいのなら、次の日曜のオークションに出品したわよ?」


「んっ?うわっ!!お前は!」


 シモーネはアリーチェに気づくと、キョロキョロと周りを見て狼狽えだした。

 暫くして何も起こらないので、ホッとするシモーネ。


「ふん、脅かしやがって……………オークションに出品しただと?」


「そうお人形さんを出品したわ」


「ふんっ……………今日のところは勘弁してやる。お前たち帰るぞ!次に会うときは容赦しないからな覚えておけよ!」


(神の泉での天罰効果が薄れてるのかしら………やっぱり雷を当てなきゃだめだったかな)


 シモーネは何とか立ち上がった護衛たちと共にそそくさと引き上げていった。


 ニッチェさんとツェドゥンおばさんが、並んでいたお客さんに謝って営業を再開した。




  *  *  *  *  *




 アリーチェは、夜にこの世界のお金の事をルカに教えてもらった。


 お金の単位はターナ。


小銅貨1枚が10ターナで10円、

銅貨1枚が100ターナで百円、

小銀貨1枚が1,000ターナで千円。

銀貨1枚が1万ターナで1万円の感覚だった。

小金貨が10万ターナ、

金貨が百万ターナ、

白金貨の1千万ターナまであった。


(ダニエラさんに出してもらった銀貨1枚は1万ターナ………ゴクリッ………1万円だったのね千円くらいかと思ってたわ。登録料って高いのね)



 アリーチェは夜に編み物をしながらこれからの事を悩んでいた。


 マウロPTの為のお金は、今のところお人形を売って工面するしか無い。

 アイテムボックスの物を売れたらいいけど、冒険者じゃないアリーチェにはまだ無理だった。


 小花咲良として、お姉ちゃんを捜す為には、楽器と音楽を演奏してくれるメンバーが必要だ。

 巫女の衣装が出来て、有名になれば、必ずお姉ちゃんから会いに来てくれると言う計画だった。


 この街に来てから、シドとウィナとルナ以外の精霊と会ってない。ルカパパがいるとやっぱり呼び出せない。

 ラダック村に行くための、テレポートの魔法陣も設置出来てない。


(ルカパパがアリーチェの魔法の事を、全て知っていれば、魔法陣の設置はこの部屋でもいいし精霊たちも呼べるんだけどな…………ルカパパが小心者だから秘密を小出しにしてるのよね。まあシドが精霊だって事も知ってる訳だし、そろそろいいんじゃないかしら…………面倒くさくなってきたし)



 全体話数の48話から67話辺り、第2章森に囲まれた街ボスコ編内のシモーネに関する話しを修正・変更致しました。

 読み進んでいた方々には申し訳ありませんです。

 2021,11/5(金)   m(_ _)m


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