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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
4.港町ウィダス
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34.大銀のフランシス(1)


俺は、サーチで監視しながら今晩は寝る事にする。

フランシス達は穴に着いた後、2人を残して2人だけで2番目の宿場に移動を始めた。

穴に落ちている奴らの救出用人員の確保と、俺達の暗殺なんだろうな。

状況からして、きっと暗殺を選択するしか出来ないという事だろう。

仲間がいなくなった事で、明日の襲撃は不可能だ。


フランシスからしたら、仲間のほとんどが無力化されているのを見た上で、

暗殺しないといけないって、苦渋の選択だろうな。


24人に姿を見られる事なく、無力化させている事実から考えると、

大銀であっても、楽観視出来る相手ではない事は、覚悟しているだろう。

それでも宿場に行けば、俺達の護衛が裏切っているはずなので人員補充でき、

情報も得られるかもしれないって言う部分に望みをかけるって感じか・・・。


俺は、まず穴に残った2人を片付けに移動する。

この2人を片付ける事で、穴にいれられた24人の救出がさらに遅くなる。

きっと、フランシスは2番目の宿に入ったら、先に救出の手配をするはずなので、

救出されるのは、早くても明日の朝だな。

俺的には、3日くらい穴の中に入ってほしいとこなんだけどな。

飲まず食わずでもなんとか3日なら生きてられるだろう。


亜空間から転送し、ウィダス近辺の出口に出る。

ケニーさんの部屋の、亜空間への入り口は戻る時用にそのままにしている。

すぐに、追い風で24人を入れた穴の周囲に移動する。

1人が、木のつるを編んでロープを作ろうとしている。

もう1人は、穴の中に声をかけているようだ。


酸欠で2人共に気絶させ、装備を外し穴の中に放り込む。

作り掛けのロープも回収しておく。

穴の中で大騒ぎになっているが気にしない。

これで、穴の中には裸の男ばかりで26人だ。

トイレもないし、お風呂にも入ってないし、すごい事になってそうだが想像もしたくないな。


そのまま俺は、亜空間から2番目の宿場の近辺に移動する。

一度部屋に戻り、俺達がいるように偽装しておく。

その為一旦宿屋に戻り、部屋のベッドに2人が寝ているように偽装する。

偽装には、魔法で木の人形を作ってみた。

これに、葦で髪の毛を作れば暗い所では、結構本物に見える。

ベッドに寝かせて、布団をかけておく。


準備が出来たので、後はフランシス達が宿場に入るのをサーチで様子を見ながら待つ。

フランシスは、宿場に入るとすぐに、どこかの建物に入って行ったようだ。

その後、しばらくしてから宿屋に向かってくる。

ん?護衛達に接触しないな・・接触すると思ったんだがな・・裏切ってなかったかな?

護衛達は、飲食店に居座っているので、多分飲んでるんだろう。


「もうそろそろ、来るか・・。」

俺は、部屋の窓から外に出て宿の裏庭に移動して、俺達の泊っている部屋を監視する。

フランシスは、そのまま俺の部屋に移動し、扉の前で様子を伺っているようだ。

もう1人も同じく、扉に張り付くように中の様子を伺っている。


フランシスが部屋の中に入ったようだ。

音もなく忍び込んだ感じかな。

俺は、窓から中を覗き込みながら、魔法を展開して部屋の中の酸素を無くしていく。

先に入った1人目はベッドのそば迄移動してく。

フランシスらしき影は、部屋に入った途端に、「逃げろ!」と叫んで、

すぐに部屋から外に逃げ出した。

ベッドの近くにいた奴は、フランシスの声に振り返ったがすぐに気絶してしまった。

そのままフランシスは宿から逃げ出した。

「気付いた・・・のか?」

魔獣のように魔法が見えるにしては、部屋の中に入って来たし俺にも気が付くはずだ。

違う事で感知したのかもしれない。

フランシスは、外に飛び出し宿場からも逃げ出し、冒険者村の方向に走って移動している。

26人の仲間が穴の中にいたんだ・・・魔法使いに警戒してたのかもしれないな。


「でも、逃がさないよ・・。」

俺と、お話ししに忍び込んだって訳じゃないだろうから、お仕置は必要だしね。

それなりの結果は甘んじて受けて貰う予定だからね。

追いかける前に、部屋の中で気絶している奴の装備すべてはぎ取ってしまう。

無力化だけはしておかないと、また襲って来るからな。

さらに、偽装で作ってた人形も回収して、偽装してた証拠も無くしておく。


追い風でフランシスを追いかけ、後ろ姿を見つけた時点で、

魔獣を相手にする時のように範囲酸欠を行う。

フランシスは、またしても気が付いたようで、

方向を変えて走るが範囲から出る前に気絶してしまう。

「見えるんじゃなくて、魔法の範囲に入った事を感知する感じなのかな?」


もう日も暮れて真っ暗とは言え、宿場からもそれほど離れていない平原なので、

装備を回収した後、魔法で持ち上げ宿場から影になる岩場に移動する。

亜空間からロープと目隠しを取り出し、フランシスを拘束する。


そして、フランシスを蹴り起こす。

「起きたか?」

「・・・。」

「大銀のフランシスで間違いないな。」

フランシスは黙ったままで、自分が縛られている状況を確認しているようだ。


「いろいろ情報を教えてほしいんだが。まずは、ケニーを襲った理由を聞かせて貰おうか。」

「依頼の情報はほかには漏らさない。」

「なるほど。法律は守らずに暗殺はするけど、冒険者のルールは守るって事か?」

「・・・。」

「都合が悪くなると黙る癖があるのかな?

まあ、いいレスリーの依頼って事は分ってるからただの確認だ。」

「・・・。」


「次の質問は、冒険者村を犠牲にしてまで、ケニーを襲わないといけなかった理由が知りたい。」

「冒険者村を犠牲だと?」

「お前は、俺がどういった相手なのか理解出来てるよな?

それに歯向かったんだ、結果も分かるよな?」

「・・・魔法使い・・様。」


すぐに、結果に思い当たったんだろう、

「村は関係ないんです!村を守る為にやってるんです!」


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