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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
4.港町ウィダス
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31.ウィダスの町(2)


ケニーさんと一緒に、倉庫に入り、

「誰も入ってこないように見張ってます。」

「1時間程度はかかるかもです。」

「判りました。荷物の選別しながらお待ちしてます。」


俺は亜空間の入り口を作り、クシェル達を家に送り返す。

「また、ウィダスを出る時に護衛をお願いするけど、一旦戻っててね。」

「はい。かしこまりました。」


その後、2番目の宿場に近い出口から出る。

サーチしたら、護衛の2人は冒険者達と離れ、2番目の宿場に戻っている最中だ。


俺は2番目の宿場側にいるので、迎え撃つ形に向かって行く。

2人は、街道を歩いて移動していた。

俺は、見つからないように視認出来る所まで移動し、見えた時点で酸欠で気絶させる。

気絶させたあと、2人を街道から見えない所まで魔法で持ち上げて移動させ、装備をはぎ取る。

こいつらも結局は盗賊の仲間という事なんだろうな。

話を聞くまでもないな・・・足の神経を引きちぎる。

もう、これで冒険者としてもやっていけないだろう。


サーチすると、冒険者達にも動きがあるようだ。

4人が、ウィダスの町に向かっている。

「この4人も片づけて、人数を減らしておくか。」


この4人を片付けたら、残りは24人になる。

俺は、ウィダス近所の亜空間から出て、すぐに4人を視認出来る所まで移動する。

「こっちに来ていたのか。」

大銀のネックレスを誇らしげに着けてるのが1人いた。

あれが、大銀のフランシスか・・・。


悩ましい所だな。

トップを潰せば目先の解決にはなるのかもしれない。

だが、冒険者村の2000人のトップを潰したら、冒険者村の方が片付かない。

ヘタしたら、冒険者村が無法地帯なったり、西の街道が盗賊だらけになる可能性もある。

村を潰したい訳でも、騒ぎを大きくしたい訳でもない。


ブラントさんの弟子って事で話が通じそうな気もするが、

現状捕まえたとして話を聞いて貰えない可能性が高いだろうな。

子供だし、大銀だと明かした所で同格だしな。

魔法で単純に脅すのも、自分の手の内を先に出す事になるので賭けになってしまう。

何等かの対抗手段を取られたら、かなり面倒だ。

魔力はあまりないので魔法使って来る事は無いだろうが、

魔道具なんかがあるかもしれないからな。


理想の結果はどうだろうな。

冒険者村の盗賊だけ罰を与えて、それ以外は軽度の苦労程度かな。

あと繋がってるルートは切ってしまった上に、すべての経路を把握しておきたいって所か。

という事は、まずは情報だな。

冒険者村とレスリーなんかが繋がってるのかどうか。

それに、貴族とのつながりもだな。


あとは、なんで冒険者村なんてやってるのか。

なんで盗賊なんてやってるのか。

なんかの背景も知りたい所だ。


あと罰はいつものでもいいんだが、フランシスを殺すのは無しだな。

でも、フランシスの足をいつものように気絶させて動けなくした場合、

冒険者村が俺を敵対視して、全員で戦いを挑んでくるような話になると、これもややこしくなる。

攻撃されない為に動くのに、逆効果になるのは避けたい。

その為にも情報だな。

なんで、俺達を狙っているのかが重要だ。


・・・フランシスを今は見逃すのが正解か。

このまま見逃したあと、町に行って誰と話をするのかも興味あるな。

俺達の護衛から1日遅れるという話を聞いて、町に移動するという事は、

貴族への報告して、お出かけの日を明日にしてもらうとかの話だろうな。

はぁ・・貴族とは絡みたくないんだがな。


フランシスにプレッシャーを与える為に、残った奴らを潰すのが正解かもしれないな。

ブラントさんも言ってたが、大銀ランクの実力はは大銅ランクを10人程度なら相手出来るが、

銀ランクも混ざった24人が潰せるような戦力は格上と認めるだろう。

そんな相手に捕まったら、大銀ランクでも話で解決したいと思うはず。

素直に話すかどうかは判らないけど、交渉にはなるだろうしな。


そう決めたら、すぐに行動しよう。

追い風を使い、冒険者達のいる場所に移動していく。

24人全員が固まって過ごしている訳ではなく、数人毎にばらけているようだ。

それぞれ固まっている部分ごとに、範囲魔法をしようとも思ったけど、

突然一部の人間が気絶して、異常に気が付かれるのもちょっと危険だな。

全員を範囲に入れるには、周囲60メートルほどを魔法で包まないといけない。


魔獣狩りでも範囲でやってるので、今回はそれの大きい版だ。

魔法を展開していき、全員は入る範囲まで魔法を広げる。

魔法の内部の酸素を、魔法の範囲外に追い出していく。

徐々に魔法の範囲の中から酸素が減っていくが、

範囲の中にいる冒険者達は、異常も感じていない。

少し違和感を感じ、息苦しいかも程度にしか思ってないはずだ。

そして、突然目の前が真っ暗になって気絶する。

全員が気絶したのを確認して、すぐさま作業に入る。

24人を処理するので、急がないと気絶から回復してしまう。


10メートルくらいの深さの穴を地面に開ける。

1人を持ち上げ、装備を剥がして回収し、そのまま穴の中に置く。

次の1人を持ち上げ、また装備を剥がして回収し、穴の中に置く。

これを繰り返し24回。

10分ほどで出来るたけど、24人男達の服をはぎ取って裸にしていく作業は、

慣れて来たとは言え体力ではなく心に負担が来るな。

まあ、無力化するのに必要な作業なので、これからもやらないといけない話なんだけどね。


足の神経については、今回はなにもしていない。

神経を引きちぎる作業は、結構時間がかかるので、気絶から回復されても困るしね。

まあ、10メートルだと道具なしでの脱出は難しいだろうし、

もしも脱出出来たとしても、その後すぐになにかしようとは思わないだろう。


それに、これだけの人数を救出するのに、人手も時間もかかるだろうから

時間稼ぎも十分だろう。

ここからだと、ウィダスに行くにも宿場に行くにも往復で半日はかかるから、

4人が帰って来てから動いたとしても、早くても夜までは穴の中だろう。


男24人、薄暗く肌が触れ合うほど狭い穴の中で素っ裸、

そこに半日以上・・・俺では耐えられそうにないな。

後は、残りの4人が戻って来た時にどういう動きをするのかで対応を変えて行こう。


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