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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
4.港町ウィダス
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27.ケニーへの告白


「そうしましょうか。少し動きも判るかもなので・・・。

俺の体調が悪くなったので今日は出発しないって感じで、護衛に話してもらえますか?」

「判りました。」

「お願いします。俺はベッドで寝たふりしてますね。」

「じゃあ、行ってきます。」


ケニーさんは部屋から出て、出発待ちしていた護衛の所に向かって行った。

揉めるかもしれないので、ケニーさんの周辺には反射の魔法を展開しておく。

切れた護衛に襲われたりしたら危ないからね。


ケニーさんの持っている革袋の亜空間越しに話を聞く。

「子供が熱を出してしまったので、今日の出発は見送ります。」

「ああ?動けねえほどなのか?多少無理してでも行こうぜ!」

「いえ。無理はしたくないので、本日はここで留まります。」

「俺達の契約期間が延びるっって事だろ?」

「そうですね。1日延びる事になりますが、その話は事前にしていたと思いますが。」

「確かに聞いていたが、ガキの体調なんて・・・。

どうせ荷車に乗せて運んじまえば、変わんねんじゃねえか。」

「荷車に乗せるとは言っても、子供の体調が最優先ですので、出発を遅らせるのは決定です。」

「そんなに大事なガキなのか?」

「ええ。大事なお預かり物ですので、丁重に扱わないといけません。」

「そんな話は聞いてないぞ!商売の品だけだって聞いてたが・・・。」

「まあ、移動のついでって感じですね。あの子に何かあれば大変な事になりますからね。」

「・・・分かった。俺達は今日は何してればいい?」

「そうですね。今日は自由にしててもらって結構ですよ。」

「分ったよ。」

どうしようもないと理解したのか、出て行ったようだ。


ケニーさんが戻って来て、

「了承いただきました。私は少しこの町で商売しておきますね。

状況次第ではウィダスに行かずに、ここから戻るというのも考えておかないといけませんので。」

「いえ。ちょっと待ってください。」


ケニーさんには、このままウィダスの町に入って貰っておく方がいいかもしれない。

魔法を使わないといけないが、もうある程度予想してるだろうし、

この先一緒に商売していく中で、どのみち打ち明けて行かないといけないだろうしね。

ケニーさんなら大銀という事と、魔法使いって事で便利に使われるなんて事も無いだろうしな。


「ケニーさんには、先にウィダスに入って貰おうと思ってます。」

「え!30人が待ち構えてるって話じゃなかったんですか?」

「はい。あと、護衛を連れて行かないので、町でも護衛が無くなってしまいますが大丈夫ですか?」

「町に入れば別に必要はありませんが・・。」

「帰りに護衛がいなくなるかもなので、ウィダスでも雇えます?」

「雇えなくはないですね。ですが、いまの護衛はどうするんです?」

「ここに問題ないならここから合流して貰って一緒に帰りましょう。

内通してるなら始末しちゃう感じですかね。」

「内通してるんですか?」

「これからの動きで確認出来るかと思います。

俺達が今日ここで待機するのを、冒険者達に報告に行く動きを見せると、

内通と判断してもいいでしょうね。

俺達は朝に出発予定だったから、それに合わせてもうちょっとしたら動くと思うんですよね。」

「なるほど、それを待って始末してから動くと。」

「少し違います。」


俺は、ケニーさんの顔を真剣に見つめながら、

「ケニーさん。今から秘密を一つお話します。」

「はい。」

「本当は話さない方がケニーさんの人生にとっては良いのかもしれませんが・・・。

遅かれ早かれ、俺に絡んでしまった事で巻き込まれる事にはなるでしょうから。」

「・・・そうでしょうね。5歳の大銀冒険者なんていませんもんね。

私は独り身ですし、貴方との信頼は大事にしてきました。秘密お伺いしましょう。」


「俺は・・・魔法使いです。」

「!!魔法使い様でしたか。大銀であるだけではないとは思ってましたが・・・。

・・・でも、それだけでもないですよね。

「そっちは、別の秘密なので今回はこれだけで。」

「・・・それだけでも、かなりの衝撃です。」

魔法使えるのに、5歳になるまでなんで王国にバレなかったとか、俺が5歳の話し方じゃないとか、

魔法使えるだけで、こんなに狩りは出来ないだろうとか、いろいろまだ疑問もあるんだろうな。


「俺の仲間はみんな知ってるんですが、外の人に言うのはケニーさんが初めてですね。」

「それは光栄ですね。仲間として認められたって事なのかな?」

「そうですね。今後も一緒に仕事もやっていきますしね。」

ケニーさんは、満足そうにうなずいた。


「魔法で、ケニーさんと荷物をウィダスに運ぼうと思ってます。」

「そんな事が?」

「俺の亜空間経由でウィダス近所に移動して、後は徒歩になります。」

「亜空間という物がなにか判らないですが。。了解です。」


「町に行くだけならたいして時間はかからないので、少し寄り道して行こうと思ってます。」

「寄り道ですか?」

「はい。でも、その前に少し準備だけしておきたいので少々お待ちください。」

「判りました。ここで待ってればいいんでしょうか?。」

「はい。すぐ戻ります。」


俺は、まずサーチで護衛の動きを確認する。

護衛達は、さっそく飲みにでも行ったのか飲食店にいるようだ。

次に冒険者の集団を確認すると、野営してた場所にまだいるようだ。


ウィダスへの移動は、亜空間でウィダス近所に作った亜空間に移動し、

徒歩でウィダスの門をくぐる予定だが、帰り道を用意しておかないとなので、

この宿場近辺にも亜空間を準備する。

その為、俺は誰にも見つからないように、一旦宿場を出て山側まで移動して地下に部屋を作り、

そこに亜空間を作り帰り道を用意しておく。


宿屋に戻り、ケニーさんに声をかける。

「お待たせしました。帰り道を用意しておきました。」

「帰り道ですか?」

「ここに戻って来れるようにですね。ケニーさん、まだ朝食食べてないですよね?」

「ええ。ハルトさんと一緒に食べようとまだ食べてませんよ。」

「じゃあ、寄り道して朝食をごちそうします。」

「朝食ですか?どちらに行かれるんです?」

「俺の家に招待しますよ。」


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