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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
4.港町ウィダス
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22.西の盗賊調査(3)


街道沿いは、畑の真中を通っているので人目があり、追い風などでの高速移動すると目立ってしまう。

逆に、盗賊も畑地帯で襲う事もないと思われる。

なので、畑地帯を抜けた後ウィダスに着くまでの道での被害が多いのだろう。

大きな町を繋ぐ街道という事もあり、街道自体も比較的人通りは多いのだが、

その隙をつくように盗賊行為がされるんだろうな。


西門まで回ってしまうと人通りの多い街道しか道がいないので、

今回は街道には近づかず、畑地帯の南側にある南西の森近辺まで迂回しながら移動していく。

「盗賊がいるとしたら、2番目の宿場の近所だな。一気に行ってみるか。」

俺は、追い風魔法で一気に2番目の宿場まで移動する。

畑を抜ける中で、農村がいくつもありそれなりの人がいる様だ。


ここまでに、盗賊と思われる街道から外れた人は見つからなかった。

2番目の宿場まで来ると、畑もほぼなくなり未開発の平地が広がっている。

北側も南側も同様に平地が広がっている。

潜伏している可能性が高そうな、北側の平地を一回りしてみたがそれらしい者はいなかった。

南側からウィダスの南側も一回りしてみる。

こちら側にも、薬草を摘みに来たような人が数人いたが、

それ以外に集団になっているような奴らはいなかった。


・・・どういうことだ?

森の中や山の上なんかにいるって事なのかな?

もしくは、宿場や農村に入り込んでいる?

後は、全滅したとか・・・。

実は噂だけで、盗賊なんていないとか・・・。

考え難いけど、俺のサーチ魔法に対抗出来るとか・・・。

考えられる可能性はいくつかあるが、俺に見つけられない隠れ方をしているか、

居ないかのどっちかって事だな。


簡単にサクッと終わらせようと思ってたけどそういう訳にはいかなそうだな。

こうなったら仕方ない。

まずは、一旦ウィダス近所まで行って、適当な場所に地下部屋を作り、

移動だけ出来るようにだけはしておこう。

ウィダスから歩いて30分程度の森の中に、地下部屋を作って亜空間とつなげておく。


なにか情報はないかと、2つ目の宿場に行って情報収集をして行こう。

と言っても、子供が話しかけて情報収集って訳にはいかないので、宿場の近くまで行って、

魔法で話している声を集める。

誰も聞きたい事を話してなかったら、時間の無駄になってしまうのだが、

情報収集の痕跡は残らないで安全ではあるかな。


いくつかの話を聞く事ができた。

ここに泊っている商人の話としては、

・最後に、盗賊が出たのは、3日ほど前

・目撃情報がほとんどいない

・雇った護衛が行方不明になるという

という物だった。

働いている者達は、盗賊にかかわる話はしていなさそうだ。


これは、困ったな。

どうするかな・・・。ここまで情報が無いというのは完全に予想外だな。

後は、しらみつぶしに農村で聞き込みをするか、襲われないと判らないって事になるのかな。

しらみつぶしはヤダな。

ケニーさんに同行して、襲われるのを待つのが良さそうだな。


これだけ隠蔽されていると、どこで狙われるかも判らなくなるな。

2番目の宿場近辺だと思ってたけど、1番目の宿場や宿場の中なんかもあり得るかもだな。

これは気を引き締めて、先制出来るように警戒してないといけなさそうだな。

方針も決まったし、一旦戻るか・・・。


俺は亜空間経由で、最初の地下部屋に移動し、南門から町に入りケニーさんの所に移動する。

「ケニーさん。西側の盗賊団の情報を少し入れてきました。」

「それで、なにか分かったんです?」

「普通には見つけられない感じなのです。」

「どういう事です?」

「通常時の潜伏場所も不明ですし、先日銀ランクが数名で討伐に向かったのですが、

それも見つけられずに帰還したそうです。」

「はあ・・・。そうですか。」

「そこで、一緒に行かないと言ってたんですが、ケニーさんの身を守るためにも、

盗賊を見つける為にも、俺も同行しようかと思ってます。」

「いいんですか?大銀の方に同行していただけるなら、非常に安心ですが・・。」

「雇った護衛も完全に信じられないですから、俺が同行するのが一番安全だとは思います。

それに事前に見つけられないのなら、ターゲットに張り付くしかないですから・・。」

「判りました。よろしくお願いします。」

「では、明日の朝7時に西門出た所にいますね。俺は南門から出てそっちに回りますので。

あ・・。もちろん俺が大銀だって事は護衛には伏せておいてくださいね。」

「はい、了解しました。明日、お待ちしてます。」


翌朝、南門から出て西門に回り、ケニーさんと合流する。

「おはようございます。ケニーさん」

「おはよう。ハルトさん」

「こちらが、今回護衛してくれる冒険者の方々です。」

「よろしくお願いします。」

「よろしく。」


冒険者は、あまり愛想の良い人ではなさそうだ。

全員、甲羅の鎧を付けており、片手剣を装備している。

銀ランクの冒険者は、さすがに高級な片手剣を装備しているようだ。


そういえば、俺・・大銀だけど大した装備してないな・・・あ、自作ナイフがいい装備か。

今度、ローブの下に着れる防具作りに挑戦してみるかな。

甲羅系は結構溜まって来たしな。


「出発しましょうか。」

「はい。」


俺達は、西の街道を通って1番目の宿場を目指す。

すぐに、俺の歩く速度が遅くってついていけなくなり、荷車の上に載せられる。

5歳の歩きの速度だしね・・。俺的には申し訳ないが、遅くなるよりはいいんだろう。

サーチを常に展開しながら進んで行くので、荷車の上にのせて貰えるのは助かるかも。


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