17.新たな仲間(1)
「そういえば、毒が禁止されているのって、この町だけなんですよね?」
「そうですね。でも、作ってくれる薬剤師も契約を解除していますので、
今は作って貰う事も出来ませんけどね。」
「あら。。」
「まあ、この町で綿の製品を大量に仕入れて、持って行けばかなりの利益にはなるのです。
特に盗賊が出ているからこそ、利益も大きくなるので、
こちらから持って行く商品についてはそれほど危惧していません。」
「なるほど。」
「それに、今まで盗賊が出たのは戻りの時なんです。
綿をウィダスの町で売って塩を仕入れ、戻って来る時に盗賊に襲われています。
その為、綿での利益と塩の現物を奪われているという状態です。」
ケニーさんに死なれる訳にはいかないな。
商会としても、今後いろいろ動いて貰う必要もあるし、なにか手を打たないとだな。
それとは別に、少し今後の話もしておいた方がいいな。
「ケニーさん出る前で忙しい所、少し話を聞いてほしいんですが・・。」
「はい。なんでしょう?」
「今度、商売を始める予定なのです。」
「商売ですか?」
「露店をやろうかと思ってます。」
「露店で、狩りの獲物を売るとかですか?」
「少し似てますが、獲物の肉を調理して売る予定です。」
「なるほど。」
「で、いくつか問題があるのです。」
「でしょうね。露店許可ですか?」
「そうですね。ってやっぱりそういうのがあるんですね。」
「はい。商業ギルドに所属して、露店許可の税金の支払いが必要になりますね。
登録の金額は大した事ないのですが、ハルトさんでは・・・年齢的に難しいでしょうね。」
「ですよね。」
「税金の支払いと、少し手数料をいただければ、
ケニー商会として出しているという形にしておけますよ。」
「助かります。
でも、俺の思ってる形としては、ケニーさんに運営をしていただけないかと思ってたりするんです。」
「私がですか?」
「はい。俺は商売の素人です。それに子供です。
なので、俺が運営したとしてもいろいろ問題がありそうなんですよね。
俺が材料を下ろします。店員や売り子についても俺の方で用意しようと思ってます。
店舗や備品も用意します。
その代わり、実際の運用とその他の調整物をお願い出来たらと思ってます。」
「はぁ。でも、それじゃあハルトさんの儲けが大分目減りするんじゃないですか?
商業ギルドで税金絡みだけ私に依頼した方が、儲けは大きいと思いますよ。」
「俺自身は商売をするのが目的じゃないんです。
いろいろな物を手に入れたので、それらを販売出来る手段が欲しいだけなんです。
出来れば、ケニーさんには共同経営と言う形で、商売側はケニーさんが行って、
物品の調達側を俺がやるというような流れが出来ればうれしいと思てます。」
「なるほど。そういう事ですか・・・。ただ、私の方もリスクを負う事になりそうですので、
即答できる内容でもありません。
運営するにしても人員の確保が必要ですし、宣伝などにも元手がそれなりに必要になるでしょう。」
「そうですよね。そこで、まずは商品を知ってもらう為にも、
一回食事にご招待したいんですがどうでしょうか?
利益が本当に見込めるのかどうかという心配もあるでしょうし。」
「そうですね。商品が確かなものであれば、後は値段の設定と宣伝のみですから、
目安にはなるかと思います。
ただ、出発まであまり時間もないので、戻って来てからでよろしいでしょうか?」
「了解です。では、戻って来たらいろいろ決めちゃいましょう。」
「判りました。楽しみにしておきますね。」
ケニーさんの所を出て、皮屋に寄って皮を一通り売ったら冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに付いたら、ギルドマスターの部屋に通された。
「ハルト。人員なんだが、悪くなさそうな人員が集まったが、
最後はお前の判断だな・・・。入ってくれ。」
入って来たのは、見た事のある人達だった。
そこにはクシェルを始め、先日盗賊達から助けた女の人で、
「行く当てが無い」って言ってた3人がいた。
「先日は本当にありがとうございました。」
「無事に着いて良かったです。で、俺の所で働いてくれるって事ですか?」
「はい。ギルドマスターに話を聞いて。。是非、貴方様の元で働かせていただければと思っています。」
「内容は聞いてますか?」
「露店で料理を出すと聞いてます。」
「そうですね。それ以外にもいくつか仕事があります。
露店で出す料理の下処理なんかもして貰う予定です。
貴方達なら・・・適任かもしれないですね。」
「はい。命を助けていただいた事も含めて、誠心誠意働かせていただきます。」
「じゃあ、いろいろ教えたり説明したりするので、後で一緒にきてください。大丈夫です?」
「はい。ギルドマスターのお許しが出るのでしたら・・・。」
「ああ。聞きたい話は聞けたんで大丈夫だ。後、店舗出店の調整の方はもう少しかかるんで、
悪いが今回は人員だけだ。」
「はい、判りました。調整の方もお願いしますね。来週くらいから始められたらうれしいです。
じゃあ、クシェルさん達は俺と一緒にきてほしい。俺の家で話をしよう。」
「はい。了解しました。」
そのまま、クシェルさん達を連れて倉庫までやってくる。
「ようこそ。これが俺の拠点です。」
外見は、倉庫なんだが中に入ると、木製の壁に井戸があり、キッチンまで備わっている不思議な空間。
さらに、血生臭い上に血の跡が各所にある。
クシェルさん達は、入った瞬間に、固まってどうしたらいいのかと俺の方を見てる。
「どうぞ。解体で使ってるんで少し血生臭いけど。」
「はい。」
俺は、椅子に座る様に進めて、
「あれからどうだったのか教えて貰っていいですか?」
「はい。あれから2番目の宿場で1泊して、1番目の宿場に移動しました。
何事もなく1番目の宿場に付いたら、前日の夜に盗賊団が壊滅したという話を聞きました。
その後1番目の宿場に1泊して、商隊が町に戻ると言う話だったので護衛を兼任して
町に戻る予定の5人で戻ってきました。
町に付いたら、門でギルドマスター宛てに事情を伝えて貰って、
ギルドの宿場に止めていただいていました。
町に親戚のある子達はそちらに行きましたが、私達は冒険者でしたので、
ギルドマスターからお話を伺って、魔法使い様にお会い出来る機会を待っていました。」
「なるほどね。ギルドマスターにいろいろ聞かれたんじゃない?」
「・・・はい。ですが、ご指示以上の事は一切話していません。」
「多分。しつこかったと思うけど、それはご苦労だったね。ところで3人共冒険者だったね。」
「はい。私がリーダーで5人パーティーを組んでやってました。
2人はあいつらに殺されましたが・・・。」




