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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
3.襲撃
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リル視点


「なんてすばらしい環境なんでしょう!」

私は、私に割り当てられたベッドに寝ながら天井を見て、そうつぶやいた。


天井は、白くつるつるで、光を良く反射してくれ、

オイルランプの光だけなのに、部屋全体を明るくしてくれている。


ここは魔法使い様の住処だけあって・・・すっごい変わってるのよね。

天井一つとってもそうだし、侍女を同じ部屋に寝かせてるって言うのも変よね。

ちゃんとベッドで寝れるなんて生活・・・思ってもみなかった。


あのお風呂って言うのも、すごかったわよね。

あんなにいっぱいのお湯を贅沢に使って、体ごと入れるって・・・。

贅沢してるって感じも含めて、本当に感動したわ。

しかも、毎日入れるって話だし・・・。なんて贅沢!


服も、見て・・・綿の服なんて着てるのよ!

すごいわ!貴族様になったみたいよ。

肌触りが全然違うの、すべすべなのよ!


魔法使い様は本当にすごいの。

私、あんなすごい魔法初めて見たわ。

部屋が広がっていったのよ!

しかも、かまどが何もない所に床から現れて行くのよ!

あんな夢のような力があるのなら、なんだって出来る。


しかも、魔法使い様はそれだけじゃないの。

私の本業の薬剤学にも通じてるてるの。


草の種類なんかはそんなに知らない感じなんだけど、それが何の草かを理解すると、

私でさえ知らない効能を知っていたりするの。

でも、逆に誰でも知っている薬草なんかを、まったく知らなかったりもするんだけど・・・。


魔法使い様は、栄養素って考え方があるって教えてくれた。

肉類なんかには、たんぱく質が多く、筋肉を作る栄養だそうだ。

じゃがいもや、パンなんかには、炭水化物か多く、体に栄養素を回す役割があるので、

肉や野菜なんかと一緒に食べるのがいい。


ほかに野菜にもそれぞれ別の栄養素があり、血を増やす物や、痛みをやわらげる物、

ケガの治りを良くする物なんかもあるとの事だ。

毛が生えやすくなるものまであるそうだ。

薬剤師の私なんかよりも、より多くの事を知ってらっしゃる。


なので、より多くの野菜や薬草を普段から体に入れるようにして、

病気を予防するのだそうだ。


私には、予防なんて考え方は無かった。

病気は直す物で、かかるのは仕方がないんだと思ってた。

だから病気にかかったら、薬を毎日飲むって考え方だったんだけど、

病気にかからないように、食事に入れる事で毎日おいしく野菜を取るのだそうだ。


ハーブなんかもそれの1つのやり方で、ハーブを乾燥させて、調味料として使う。

私は、煎じて薬にして病気の人に飲ませていたが、非常にまずかった。

少量を、毎食食べさせる事で、まずいどころか、それがおいしい味付けになるなんて、

思ってもみなかった。


にんにくやしょうがも、かなり嫌われる薬の一つだったのだけど、

肉とにんにくのなんと良く合う事か!

あんなに、にんにくがおいしく感じるなんて!

私はいつも、苦い薬にニンニクを混ぜて飲ませていた。

苦い味に、あの匂いなので、誰もが認めるまずい薬の1つだったのに・・・。


しょうがもそうだ。

しょうがは女性特有の症状の、緩和に効果的だったので、生の汁を飲ませていた。

でも、ここではスープに入れて香りづけとして使っている。

これが、なんとも良い香りを出して、食欲をそそるのだ。


レモングラスも、肉料理の香り付けに使ったりするようだ。

虫よけ用の草なので食べる事はないのですが・・・。


パセリや、チャイブなんかの使われないような草も、

ハーブと言って料理に使うとおいしいそうだ。


風邪薬として使う、セージや、タイムも、料理に使ったり、

痛め止めに使う、マジョラムや、コリアンダーなんかも料理に使う。

気持ちを高めたり、性欲剤につかう、

オレガノやローズマリーなんかも料理の味付けになるそうだ。


でも、痛め止めに良く使う、大麻については、痛め止め以外には、

使用しないようにとの事だった。


いろいろと教えて貰うと、料理と薬学は非常に密接な関係だって判って来たわ。


私のやってた薬剤師って仕事は、患者さんの症状を見て、どのような症状なのかを確認し、

どの薬草をどう加工して与えるのかを判断するの。

その為に、常に薬草が必要だったから、患者のいない時には薬草摘みが仕事だった。


でも、魔法使い様の考え方だと、料理に薬草を入れて、病気にはなりにくくなるので、

どうおいしく薬草を食べさせ、病気にさせないかって仕事が主になるのかも。

もちろん症状が出た物については、同様に治療が必要だとは思うけど、

魔法使い様の回復魔法があるので、症状が出た場合には、

それで直してしまうでしょうけど・・・。

私は今後、魔法使い様の手を煩わせないように、

予防って言うのを主にやっていかないといけないようだ。


今回、魔法使い様が持ってきてくれた薬草以外にも、種子系の物や、キノコ、花、

樹木の皮なんかも、薬草として使える物があるので、

これらも集めてもっとおいしい料理を・・・じゃなくて、

もっと病気の予防をしていこうと思ってる。


魔法使い様は、まだまだいろいろ知っているそうで、徐々に教えて貰えるそうだから、

その知識をもっと得てみたいと思ってる。


そのうち、私の作った薬を町でも売って貰えるって話もあったの。

私の作った薬が、人の役に立つのはすごいうれしい。

私なんかも、人の役に立てるんだって思えるから。


こんなに違う考え方があったなんて・・・。私も、一から修業のやり直しだ。

こんな考え方なら、もっと病気はこの世からなくなるはずなんだから。


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