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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
3.襲撃
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8.マディとリル(2) (地下部屋画像)


「2人共、料理は出来るか?」

「はい。盗賊の所で料理を作ってました。」

「私も、料理は得意です。」

そうだった。パン屋の嫁は料理好きっぽかった。

調理道具がかなりそろってたからな。


2人をキッチンに連れて行く。

「ここがキッチンだ。ここで煮炊きする。

マディの家から取って来た調理器具が多いんだが・・・。」

「あ・・・私の・・・。」

まあ、微妙な反応するわな。

事前に分かってたとは言え、自分の家からの盗品が、

勤め先にあったら非常に複雑だろうしな。

そこは同情しよう・・・。


キッチンには、アリスがお昼までに解体しておいてくれたヘビが散乱しているので、

亜空間に収納しておく。

「!!やっぱり・・・魔法なのですね。」

「そうだ。俺は魔法使いだ。」

初めて名乗っちゃった。魔法使いって。

「!!」


2人は、すぐさま両手と頭を地面につけて土下座してしまった。

ああ。ここでは魔法使いってそういう立場なんだ。


誰でも魔法は使えるのだが、使えてもたかが知れている。

マッチ程度の火を2~3回出すのがせいぜいだ。

今2人が見た魔法は、そんなレベルではなく、目の前にあったはずのヘビの死体が、

一瞬で消えたのだ。

魔法使いと名乗れるレベルと言うのは、きっとそう言うレベルなんだろうな。


「そういう事だ・・・。くれぐれも変な気は起こすなよ。」

「はい。かしこまりました。」


「リル、マディ、そこの井戸で軽く体を洗ってから、今日の夕飯を作ってくれ。」

かまどの使い方も、説明しておく。

かまど自体は珍しい物ではないが、俺の作った物はここで一般的に使われている物と、

形が違うので、説明が必要なのだ。

ここで一般的に使われてるのは、暖炉のような物なのだが、俺の作ったかまどは、

昔の日本で使われてたかまどだ。

ただ、難しい物ではないので、簡単に作りだけ説明すれば、使う事は出来るはず。


「マディ。お前の親の家は、今どうなってる?」

「・・・襲われた時のままになってると思います。私もすぐに連れ出されましたから。」

「場所はどこにある?」

マディから、両親の家の場所を聞いた。

貧民街のパン屋の家から、それほど離れていない場所にあるようだ。


「アリス。ちょっと出かけてくるよ。2人には夕飯作ってもらえるようにお願いしてるから。」

「夕ご飯までに帰って来ないの?」

「いや、すぐに戻って来る予定だよ。じゃあ、いってきます。」

「いってらっしゃい。」


アリスと、ミーアの2人を残して行くのは少し心配だが、

あの2人に悪意は感じなかったので、大丈夫だろう。

すぐに帰って来る予定だし。


出かける前に、玄関から階段を挟んだ場所に、小さめの部屋を作成しておく。

マディの両親の遺体があれば、ここに持ってきてあげようと思ってる。

最後のお別れは出来るようにしてあげたい。


亜空間から倉庫に向かい、マディの親の家に向かう。

念の為サーチを行い、周りに見張り的な奴がいないか確認する。

「大丈夫そうだな。」


扉は閉まっているが、鍵はかかっていない。

入ると、あいつらに荒らされたままの状態になっていた。

明らかに家探しされたように、家中の物が散乱している。

家探しだけでなく、ストレス発散なのか、無駄にいろんな物が壊されている。


扉から入ってすぐの所には、父親が頭を割られて倒れている。

そして、机の横には母親が首を切られて倒れていた。

父親と母親の死体を亜空間に回収する。


家の中の物もすべて回収していく。

これらも、使わせてもらおう。

壊れている物も、修理すれば使えるかもだし、材料だけでも使えるかも知れないので、

すべて回収している。

それにもしかしたら、マディの思い出の品とかもあるかもだし。


1時間ほどで作業を終えて戻って来れた。

先ほど出る前に作った部屋に、膝丈くらいの低めの机を作り、

そこに亡くなった2人の遺体を置く。

血だらけになっているので、軽く水で洗ってから乾燥させる。



キッチンに向かうと、リルは、野菜を切っており、

マディはかまどに向かって何か作業をしていた。


「マディ。」

「はい。」

「いま、行ってきた。両親の遺体を連れてきた。そっちの部屋だ。」

マディは走って、部屋に入り大声で泣きだした。

しばらくそっとしておいてあげよう。


「リル。どうだ?使い方は判るか?」

「はい。かまどは火力が強いので、すぐにお湯が沸きますね。

それにこのナイフ、切れすぎて怖いです。」

「まあ、慣れてくれ。かまどは薪も少なくて済むので便利だからな。

包丁が切れるのは慣れれば非常に使い勝手がいいぞ。」


では、人数も増えたし、寝床もないから部屋の拡張工事をしてしまおう。

まずキッチンからだ。

まずはキッチンが狭くなりそうなので、部屋自体を魔法で大きくする。

リルは、俺が魔法を使った瞬間、こっちを凝視して固まって動かなくなった。

「気にせず、作業を続けててくれ。」

「は、はい。」

次に、かまどの横に同じかまどを2つ増設する。

「すごい・・・。」


シンクに、マディの両親の家から回収してきた食器を入れて行く。

ほかにも桶とかタライとかキッチンで使う物があったのでそれも置いていく。

「あとで時間できたら洗ってしまっておいてくれ」

「はい。」


キッチンからつながる様に別の部屋を作る。

ここは、洗濯場だな。

洗濯などをする為の場所として考えている。

部屋の半分を洗濯する為の場所として、低めの囲いを作り、

その中の水が流れるように傾斜と、排水溝などを作って行く。

さらに、井戸も掘りここでも水を汲めるようにしておく。

あと、洗濯用の用具なんかを置いて置くため、棚状に壁を加工しておく。

ここは、干場にもなるだろうけど、こんな地下で洗濯物を干しても乾かない。

なので、洗濯物を乾かすのは俺の仕事になりそうかな・・・。


ここでマディの両親の家で確保してきた家具類を魔法の高圧洗浄機で洗う。

ベッドが1つと棚が2つダイニングテーブルが1つチェストが2つあった。


洗濯場と、リビングに隣接するように、脱衣所を作る。

リビング側からも、洗濯場からも出入り出来るように通路を開けておく。

服を置いて置く為に、棚の形に壁を成形して、この部屋は終了。


それぞれの部屋の敷居には、扉を着けていない。

と言うか、扉を作るには木材とかが必要なんだけど、そう言った物もないので、

トイレも含めて、現在はすべて扉なしだ。

これは、木材を手に入れるまでは、我慢だな。


脱衣所の奥に、お風呂場を作る。

湯舟は、3メートル四方くらいの大きさにしておく。

お風呂の水を汲めるように、ここにも井戸を掘る。

湯舟は栓を抜いたらお湯が抜けるようにして、排水は浄化槽に流れるように作った。

水をお湯にするのは、俺の魔法なので、汲むのも俺の魔法になりそうだ。


次はトイレを増設しよう。

前回作ったトイレの形が、増設するにはちょっと都合が悪かったので、

少し直してもう一つ増設した。


最後、寝室の拡張を行う。

ジャックが、元々あったベッドに寝ているので、そっちは触らないようにする。

今使っているベッドは、マディの家にあった奴だ。

それに、さっきマディの両親の家からベッドを一つ調達出来たので、この2つは

俺とアリス、ジャックとミーアで使って、マディとリルには、

簡易のベッドで我慢してもらおう。

部屋を拡張して、それなりの大きさにしたら、ベッドをもう一つ出して、

ジャックが寝ているベッドの隣に置く。

こっちに葦の束を出して、アリスに作って貰う。


後は、簡易に地面から枠だけのベッドを作って、ここに葦束をまとめて入れておく。

それをもう一つ作って完了だ。

後は、余った服をシーツ代わりに使えば、今日は寝れるだろう。


リビングに、机と椅子を設置

余った棚は、キッチンに追加で設置していく。

腐りやすい食材は俺が持っておくが、それなりに日持ちする食材やパンは棚の中に入れておく。


さて、これで部屋の拡張は大体終わったかな。

これからは6人暮らしになるので、順次調整だな。

挿絵(By みてみん)


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