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メイド共観察日記~それを編集して小説に~  作者: ナレーショナー: [データ削除済]
第0章 終わりを告げる夜明けの暁
7/27

6 『夜』のメイドさん百面相!

 十分間にも及ぶ大戦闘(笑)のすえ、一発も殴れなかったローゼは、

 気づけば自室のベットに横たわっていた。




 脳裏に映るは、

 己の(こぶし)を楽々避けながら別れの歌を熱唱する棒人間の姿。




 [付け加えると、この歌は某心のボッチ度に比例して、バリアの強度が変わる新劇場版ロボットアニメ二作目の挿入歌です。『翼をくださりませんか』とは別の曲です]byナレーショナー





 ちなみに、今はまだ朝の11時。昼夜逆転の生活を送るローゼには、つらい時間だ。


「夢か……悪夢だった」


 どうやら夢落ちにするらしい。


 確かに服装はパジャマに戻っているが、汗ばんだ(はだ)、上気した(ほほ)、そして何より未だに発動している身体強化魔法が、現実であることを物語(ものがた)っている。


「思いだしたら、また腹が立ってきました。」


 怒りがふつふつと湧き上がる。10秒前。


「次会ったら、どうしてくれましょうか」

 8

「腹パン? いやいや生ぬるい」

 6

「金的? 一撃で終わらせてしまったらいたぶれない」

 4

「そもそも男かどうかすら怪しい」 

 2

「……ああ、こうすればいいよかったじゃないですか」



 長めのマクラにまたがり、拳を振り下ろす。

「こうすれば、避けられない」


 1秒前、噴火はまぬがれない。

 

「――――――――――――――――あの野郎、爪楊枝(つまようじ)の分際で避けるな! 我が主を罵倒したんだ!! ボッコボコにぐらいなれ!!! なれないのなら死んで詫びろ!!!」


 メイドにあるまじき言葉づかいで、罵詈雑言をまき散らす。

 それでも収まらないのか、マクラを殴る。殴りつける。殴打する。


 ローゼがこうなったのは、理性を蒸発させる身体強化魔法の弊害かもしれない。

 ―――――本人の本性かもしれないが。




     †     †     †




「はあ、はあ、はあ、」


 息が上がるまでに至って、ようやく落ち着いたローゼ。

 ただ、マクラに対してマウントは取り続けているが。


 女性といえども強化された拳にさらされたマクラは、ボロボロだった。


「私、夢の中の相手に何をムキに。……あ~あ、マクラが。お嬢様に叱られる」


 大きく深呼吸。

 気持ちを落ち着けている最中に、ふと、疑問が頭をよぎった。

 あの爪楊枝が唯一意味のある情報として渡してきたものだ。


「願い事がニルソニア様の机から始まるとは、一体どういう事でしょうか?」


 夢だと思っているので、しかも棒人間(あのヤロウ)の言ったことなので、

 信用も期待もしていないローゼ。


 だが、気になるのは事実だ。


「……確認だけしましょうか」


 葛藤したあげく、確かめることに決めた。引き出しに入っているであろうナニカを。



 さっそく着替え始めるローゼ。

 その間、数十秒。

 やはりできるメイドなのだろうか。……今から行おうとしていることは、主の部屋に押し入り、ブツを物色する寝入り強盗に近いが。







 歩きなれた廊下を進む。行き先は主の(ニルソニア)仕事部屋だ。


「――『願い事』。引き出しに入っているなら、物質でしょう。……いったい何が入っているんでしょうか?――しかし始まるとも言っていました。物質ではないのでしょうか?」


 何が入っているかについては、棒人間も知らなかったりする。ナレーショナーも知らなかったりする。



     †     †     †



 [メアさん……棒人間さんに指示を出されたのは娘さまなので、私もメアさん……棒人間さんも、よくわからないんですよね。

 あの引き出しどうなっているんですか。虚理演算(アカシックレコード)で解析できないんですが。

 ……よほど見られたくないナニカが入っているみたいですね。私、気になります!!!]

 byナレーショナーin記録室on天界



     †     †     †



 色々思案するうちに、部屋の前にたどり着いたローゼ。

 神妙な顔つきでドアノブに手をかけた。



 仕事部屋、正式名称:業務室には、入り方が二通りある。

 直接入るか、ニルソニアの部屋から(つな)がる通路を使うか、の二通だ。



 しかし、直接入るルートは使えない。扉が開かないからだ。

 何故か。


 それは、書類が至る所に積まれているため。

 領主の仕事を人任せ、()()()()にしているニルソニアお嬢さま。

 彼女が破棄していい書類など分かるはずもなく、書類は床に平積みなのだ。


 某左手がサルで変態な女の子の部屋みたいなひどい惨状だった。


 レインコートの似合う後輩の話はおいといて、

 仕事部屋にはニルソニアの部屋を通っていくしかない。


 そのことに気づくまでかれこれ十分間『開かずの扉』と戦っていたローゼ。








 ローゼは、

「確認するの、やめましょうか」

 ―――――――――――――――疲れていた。

エロい事あると思った?

ねぇねぇあると思った?

・・・プロットではありました。


プロットといえば、

冒頭部分は最初8行だけだった予定なんですよ。

どうやら暴れ足りなかったようです。


次回、『日記』

来週も見てね

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