5 ご注文は説明回ですか?
ごちうさ成分はタイトルのみとなります。
【じゃあなんでそんなタイトルつけたんだ】
[深夜テンションって怖いですね]
【ナレーショナー貴様天使だろう。貴様に深夜テンションなどあるのか?】
[さあ、どうなんでしょうね]
10分間ぐらい、メイドの拳を避けていると唐突に彼女の姿が消えた。
† † †
〜棒人間視点〜
さて、メイドとたわむれたし、次は何をすればいいんだ?
えと、あいつはなんて言っていたかな。
それにしても、あいつあんな仕事できるやつだったのか? どうにもそんな印象がないのだが。
(失礼な。あなた方が馬鹿な事をするから、手に負えなかっただけです。)
うお、女神か。ビックリした。こいつ頭に直――
(天丼はもういいですから)
―――――――もっかい赤面させんぞ
(なぜなのですか、そのネタへの情「 その話、詳しく!! 」熱は――へ?)
「誰だ。と思ったらさっき噴き出してた天使? じゃねぇか。どうしてここにいる?」
(その天使にはこれからの事を説明させます。では、私はこれで)
「おい。名前ぐらい教えて行けよ」
「そういえば、私も知らないですよね」
「なんでお前も上司の名前知らないんだ……」
「それはですね、私があなた様達の観s――サポートの為に産み出された存在だからですよ。良かったですね。生後数時間の天使を好き勝手出来ますよ」
「俺にはそんな趣味ねぇよ。なんだ、してほしいのか」
(あの……私の名前……聞くんじゃないんですか?……)
「ああ、そうだった。教えてくれよ。親父さんの名前も」
(分かりました。私、冥界と月の女神ヘカミュルナと言います)
(お父様は、名はありません。)
(家名だけあります。フルレウスと仰います。ちなみに最高神です)
あれで最高神……
「滅ぶな。この世界」
「滅びますね。この世界」
「お前も同意するんか」
(――――――それでは、失礼させていただきます)
あ、逃げた
† † †
「えー、それでは、私不肖ナレーショナーが司会、もとい説明をさせていただきます」
先ほど、メイドと鬼ごっこをした何もなく真っ白い空間の中で、天使と棒人間が向かい合っていた。
「まず初めに、娘さまや我らが父とは違い、私ご思念は読み取れません。あしからず」
改めて、自己紹介をした天使ナレーショナー。太ももまである長い金髪。ゆるやかにカーブしたそれを頭と共に下げた。
その動作を受けた棒人間は、怪訝な表情になった。
「お前、そんな堅苦しい奴だったか?」
天使は、問いかけに頭を上げた。
「いえ、これは形式美ってやつですね。一応この説明を始めるときは、このようにしゃべるのが伝統なので。」
「そういうもんか」
「そういうものです」
天使は閉じていた翼を拡げ、続ける。
「仕事に戻りましょう。説明を始めます。――――さて、どこから話したものでしょうか……」
少しの間、逡巡していたが、話す内容を決めたらしい。
天からの使いは棒人間に
「あなた様は召されました」
と、さとすように告げた。
それを聞いた棒人間は平然と
「そりゃ、神サマがおわす場所に行ったんだ。死んでなきゃいけねぇだろ」
その台詞に何か察するものがあっただろうか、
天使はもう一度頭を下げた。
「申し訳ございません。記憶を無くしていらっしゃることを忘れていました」
天使の言葉に驚いていたのは、当の本人だった。
「俺、記憶喪失なのか?……――あの女神さまがポカやらかしたのか?」
驚きが過ぎ去ったあと、責めるようにたずねるが、ナレーショナーはどこ吹く風。
「その点はあなた様の性質のせいですから、娘さまのせいにしないでください。それとあなた様を転生させたのは、我らが父ですよ」
たんたんと事実だけを述べる姿は、確かに天使のそれだった。
「筋肉の弊害か?」
だが、あきらめない棒人間。天使の揚げ足を取りに行く。
† † †
[こう書かれると私の足が美味しそうに感じますね]
† † †
「力技の影響は、否定できかねます。ただ、それよりもあなた様の特性が大きく関わっています」
嘆息しながら、ナレーショナーは棒人間に向かって歩き始めた。
「ですから」
天使は続ける。いや、続けようとした。
だが、口から出てきた言葉は、
「──はあ、分かりました。この喋り方やめますからその顔やめてください。顔ないのに変顔するとかどうなってるんですか?」
「何となくできるかなーと思ってやってみたらできた。──この体に慣れてきている自分が嫌だ……」
「じゃあ、さっさと仕事, 説明終わらせて下界に遊びに行きますよ」
† † †
一方そのころ。
最高神とその娘がニルソニアと同じ理由で頭を抱えていた。
すなわち
「人選間違えたかな」
と。
実際には、仕事モード、つまり他人行儀が嫌だっただけで、仕事は好きなナレーショナーであった。
【これ、自己申告だから】
[あ! 言わなければバレないものを!]
† † †
「説明の続きとまいりましょう!え~と、どこまで話しましたっけ……
あ、上司があなた様を転生させたところでしたね。」
「そうだったか?」
「そうなんです。それで何故上司があなた様を転生させたかというと、
『暇だったから』だそうです」
「筋トレでもしとk……いや、あれ以上マッチョになられても困るか」
「今回の案を思いついたのは、筋トレ中だったそうですよ」
「もう筋肉だけになれよ」
「嫌ですよ。最高神がナマコとかタコの仲間なんて」
「触手の神……それなんてクトゥルフ?」
† † †
「え~と、どこまでいきましたっけ?ま、いいや。途中から行きますね。」
「天界はだいぶ暇ですから、物語などは何十回、何億回も繰り返し読み、食傷されたようで。そこで、話を自ら作り上げようと、たりない頭で―――失礼、物足りない頭で考えたそうです」
「で、俺をつかって話を作ろうって魂胆か?」
「いえ、少し語弊があります。あなた様にやってもらう役は主役ですが、自由にやってもらって結構です。
あなた様は引っ掻き回すことを好んでいるようですから、その方が面白くなると判断しました」
「独断か?」
「……まあ、独断に近い形ですね」
それを聞くと、棒人間。背筋を伸ばし、敬礼した。
「ありがとう。いままで楽しかったぜ」
「いや、消されませんから」
「そうなのか」
ッチ
「今、舌打ちしましたか?」
「そんなことより、説明の続き」
「どの口で言いますか。……娘さまもこんな気持ちだったでしょうか」
ナレーショナーは気合を入れ直すように頬を両手で、パシッと軽くたたいた。
それを見て棒人間。
「蚊でも止まっていたのか? 大丈夫か? かゆいか? ム〇はいるか? 液体タイプと軟膏タイプがあるぞ」
と、言いたくなったが、ガマン。空気は読めるのだ。わざとシカトするが。
そんなことは、つゆも知らずナレーショナー。
「それでは説明の続きです。
あなた様がひっかきまわしたメイド達の日常を私がまとめ上げ、上司に提出します」
「レポートみたいなものか?」
「言い得て、妙ですね。提出したものが面白かったら、名前を頂けますし」
「そのなんだ、ナレーショナーは名じゃねぇのか?」
「なんて言いましょうか、役職です」
「つまり、課長とか部長とか、で呼ばれてるわけ?」
「おおむねその通りでございます」
と。唐突に、腕を組み頭をかしげるナレーショナー。
「何か忘れているような……、あ」
「どうした」
「二つ伝え忘れておりました。まず一つ目は、頑張ったら元の世界に戻れるそうです。」
「今の俺にはそこまでメリットではないな。それで二つ目は?」
「二つ目は、このままですと、転生後、正確には下界に降りてからの肉体が」
ナレーショナーは一旦口を噤み、
「棒人間で、確定します」
「ちょ、それは、マジで勘弁してくれ。どうやったら回避できる」
ナレーショナー、にっこり笑顔。
「孕んでくださいませ」
「…………――――――――――――――ん???」




