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メイド共観察日記~それを編集して小説に~  作者: ナレーショナー: [データ削除済]
断章 壊れた世界線
22/27

1:寂しくなったお嬢様と、笑わなくなったメイドと、[私]と、

[あーもー、やっぱりバレましたよ。なので、初投稿です]

 コツコツと薄暗い廊下に足音が鳴り響く。

 夜なのに窓のカーテンを開けていく。


 コツコツ、シャッ、コツコツ、シャッ、とリズムよく。


 そして、目的の扉の前につくと、ノックを4回。

 ……少し待ってもう一度。


 部屋の主からの反応がない。

 しばらく待っても、起きてくる気配がない。

 メイドは、顔色一つ変えずに部屋の中に入っていった。


     †     †     †


「おはようございます。ご主人様」


 窓から差し込む月光が天蓋付きのベットを照らす。


「ふぁああ……。おはよう」


 部屋の主――ニルソニアは、あくびをしながら体を起こした。そして、ベットから足を下ろし立ち上がる。

 寝起きのため、ポアポアと緩んだ顔をしている。

 その頭がシャキッと起動する頃には、ローゼの手によって髪は整えられ、パジャマはドレス姿に変わっていた。


「お食事の準備ができております。どうぞ、ダイニングへ」


     †     †     †


[唐突ですが、ここでキャラ紹介のコーナー! まずは、この人がいなければ始まらない! タイトルにもなってるメイドの片割れ! ローゼ・キュリエイド!]

[銀髪碧眼のスレンダーなお姉さん! 年齢17歳! だけど愛想笑いもしない、主の命令がないと仕事しない完全受け身のお人形みたいな冷たい美人!]

[主曰く、もう十年は笑っているところを見てないとか。――雇ったのが十年前なんですけどね]


[お次は、さっきあくびしていたお姉さん! メイドの主! ニルソニア=A=フラギリス!]

[金髪緋眼の吸血鬼! 年齢215歳! まったく笑わないローゼを少し心配している心の優しいお姉さん! 辺境のフラギリス領を任されている辺境伯!]

[……実は辺境伯としての仕事は、ほとんど何もしていません。町の人間に任せていて、サインなどの領主しかできないことだけ、やっています]

[吸血鬼なんで、夜行性なんですよ。生活サイクルが合わない。これは一緒に仕事できませんね。また、だから、ローゼさんが夜中にカーテンを開けていたんです。月の光を浴びないと体調崩しますからね]


[以上、唐突なキャラ紹介のコーナーでした。解説はわたくし、ナレーショナーがお送りしました]


[あ、私わたしの正体はたぶん後4,5話後ぐらいにわかると思います]

[一話から付き合ってくださってる方は、もう知っているでしょうけどね]


     †     †     †


 食事も食べ終わり、ニルソニアが一息つくと、紅い液体で満たした水晶のワイングラスを手に持った。


 鮮血を嚥下(えんか)するたび、妙な色気を帯び、顔は恍惚(こうこつ)の表情を浮かべていく。


「ローゼの血液は濃厚で美味しいわね。仕事は出来るし、料理も血も美味しいし……」


 溜息一つ。


「これで、愛想笑いの一つや二つ浮かべられたらねぇ」


 チラリとローゼを見るニルソニア。

 だが、何の反応も見せないローゼ。


「……いつか絶対笑わせてやるんだから。」


 決意を新たにして、ニルソニアは今日も変わらない日常を送る。


「――ローゼ、今日のスケジュールは?」


 メイドは答える。


「予定は、いつも通りの領主の事務仕事だけです。ですが、今日は紅月祭(ブラットムーン)でございますので、事務仕事は正午までとなっております」



 紅月祭(ブラットムーン)


 それは、吸血鬼たちのお祭りだ。

 そして、先代の辺境伯が世界に――人間に広めた祭りだ。

 この世界は一年間隔で月が紅く染まる日がある。

 昔は不吉の象徴だったが、

 今では酒飲み共に、愛されている。




 ニルソニアはそれを聞くと、

「――ああ、そっか。もう一年たったのね」

 と、しみじみ呟いた。



     †     †     †


 夜も更け、満月が頂点に至って少し後のこと、吸血鬼は黄昏(たそがれ)ていた。


 ワイングラスを片手に、テラスで真っ紅に染まった月を眺めていた。

 例年通り、背後にはワインを手に持ったローゼが控えている。


 ふと、ニルソニアが口を開く。

「あなたのおかげで、私は生活出来ているからね。いなかったら、領主の仕事に専念できないもの。また、1年よろしくね、ローゼ」


「承りました。ご主人様」


 ローゼは深々と(こうべ)()れた。


 このやり取りも例年通りだった。

 この後も例年通りだった。

 例年通りのはずだった。


 †      †     †


 紅月祭は、お開き。

 日課の日記を書いて寝る。

 人間が起床してくる時間に、ニルソニアはベットに入りこむ。


 吸血鬼の『夜』がくる。

 微睡みに沈んでいく意識の中で、

(また一年、たった。わたしはやっぱり一人。ずっと一人。今までも、これからも)

 例年通りの言葉を吐く。


 完全に墜ちる前、

 例年とは違い、


 黒く昏い闇の底と、

 紅い月が照らす空の上で、

『ナニカ』が嗤った、気がした。



感想,ブックマーク,評価などをしてもらえると、この小説が主神に捧げるにふさわしいか否か、がはっきりとわかるので、大変助かります。


変更点!


ローゼが変態じゃなくなった。代わりに笑わなくなった。

そんなローゼをニルソニアが気にかけるようになった。あと、なんかだらしないお姉さん化した。した?

これで、あの未来は回避できるでしょう


変更

日課の日記を書いて寝る。

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