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メイド共観察日記~それを編集して小説に~  作者: ナレーショナー: [データ削除済]
第0章 終わりを告げる夜明けの暁
12/27

11 罰

前回に1文追加しました。

最後からカギカッコ4つ前です。

 再び、時が止まった。

 二ルソニア達も固まった。

 だが、彼女たちの思考は、止まっていなかった。


「ローゼ。ねぇ――ローゼ」


 ネットリと、問いかける。

 同時に二ルソニアの笑顔も深まった。

 ただし、緋色の目は笑っていない。


「な、なんでございましょうかお嬢さま」



 ローゼには、二ルソニアが何故こんな態度を()っているか、心当たりがあった。


 雑談は途中で切り上げる。寝ている最中にいたずらしても、一切反応がない。

 それぐらい、二ルソニアの心は閉じていた。

 正確には、ある一定ラインより奥には踏み込ませなかった。


 それが、―――100年もあったのだ。いくつも見ていただろう―――怖い夢を見た程度で、ローゼのベットに潜り込んだ。そして馬鹿(おっぱい)騒ぎにすら付き合った。

 ――寝ぼけて、ローゼを『お母様』と思った。


 これらは、心を開いていた証拠だった。


 だというのに、ローゼは――


 メイドの頬を冷や汗がダラダラと(つた)う。

 目が泳ぎそうになるが、どうにか耐える。


 その光景が見えているのか、いないのか、

 主は、トーンを落として言う。


「年甲斐もなくはしゃいでしまったわ。情けない姿を見せたわね」


 先程と同じ――まではいかなくとも、似ている科白(セリフ)を放つ二ルソニア。

 ……失態を犯したローゼに、寛容(かんよう)にも卍解の、否、挽回のチャンスをくれるようだ。

 ローゼは、ホッと一息吐いた後、主の質問に答える。


「いえ、全然。むしろ可愛かったです。特に――」


 が、


「ホント? 嫌じゃなかった? 本音隠してない?」


 二ルソニアが、ローゼの台詞(セリフ)(さえぎ)って、言葉を発する。

 口を開いたことにより、いっそう八重歯(ヤイバ)が鈍く光る。

 鋭く冷たい視線が、ローゼを貫く。


 どうやら、無かったことには、してくれないらしい。

 それどころか、掘り起こし暴こうとしているようだ。


 だが、メイド兼奴隷のローゼにとって、本気の主に逆らう事はしたくない事だった。

(この二人の奴隷契約は少々特殊で、あまり強制力が無い。奴隷首環も付けていない)


「ええ、隠してるわけないじゃないですか。とても至福のひと時でした。我々の業界ではご褒美です」


 逆らいたくはない、逆らいたくはないのだが、若干(じゃっかん)、誤魔化しにかかるローゼ。


 だが、


「我々? 他に誰かいるのかしら?」

「……私にはご褒美です」

「……まんざらじゃなかったのね、あの行為。私、血が出るぐらいには、あなたの乳房噛んだのだけど」


 冷たい(あか)い目に、見抜かれてしまった。


 これで、ローゼは、3歳程度の幼女に欲情する人間の1人となった。ローゼは、二ルソニア以外の3歳児には興味がないが。



 ロリコン認定(二ルソニア限定)を受けたローゼ。

 内心、焦っていた。


(どうしましょう。どうしましょう。二ルソニア様に嫌われてしまいます。……いや、それもご褒美なのでは?)


 ・・・案外余裕であった。

 1時の気の迷いであってほしいが。

 だが、1度外れた心のタガは、そう簡単には戻らない。


(もう、こうなったら、いっその事、襲ってしまいましょうか。ベッドの上ですし)


 ジュルリ。


 ローゼが、いつの間にか、

 肝が据わった顔つきで舌舐めずりをしていた。



     †     †     †



 ゾワッ!


 ローゼの心の(うち)はわからなくても、身の危険を覚えた二ルソニア。

 今のローゼは、猛獣が黙って逃げたすほど(たぎ)った目をしていた。


(これはしたくなかったけど、仕方ないわよね。この子が悪いんだから)


 今から行われるのは、主が、おいたをした、またおいたをしそうになった奴隷に対してする罰。そう折檻(せっかん)である。


 だが、ローゼと二ルソニアは10年間共に育った。

 それ故に、二ルソニアは知っている。

 通常の折檻では懲りるどころか、反撃すらしてくるだろう、と。


(どうしようかしら、何かいい案は……そういえば1度も試してない罰があったわね)


 なにかいい案を思いついたようだ。

短い? 先週の反動だ。


次回、「悪夢再び」

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