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第三章 人類はいなかった

その「ニンゲン」は歩く。歩き続ける。

どこへ向かっているかはわからないが東から西へ動いていることは確かである。


「…ちっ」


...「ニンゲン」は舌打ちをした

見れば、「ニンゲン」は苦虫を噛み潰したような顔をしていた

視線の先には...これは...


「これは原爆ドームっていってさ、昔に日本が戦争をしたときにこの場所とあと今僕が向かっている合計2カ所に原爆っていうくそ強い爆弾が落とされたんだよね。不快だ。気持ちが悪い。」


本当に不快そうな声色でそう言う「ニンゲン」。

今まで「嫌い」とかそういった類の言葉は聞いてきたが、こんなに明確に「不快」や「気持ち悪い」と言ったのは初めてではなかろうか?


「なんで同族同士で争うかな。いや、人種とか細かいことは違うけどさ、それでも大きく分ければ同じ「ニンゲン」じゃん?なんで同族の数を減らすようなことをするかな」


それについては同感である。

私も争いごととかそういったものは嫌いだ。

人の命を自分のために奪う行為、それは許せない。

それと、この「ニンゲン」が言っている通り、何故同族同士で数を減らすことをするのだろう。

自然と言う環境で同族殺しをする生物はかなり少ないといえる。

それこそ、我々、人類くらいだ。

その銃とかに使う資源を様々な研究や物に使えば、もっとたくさんの人々が幸せに暮らせるのに...

と思う。

映像内の「ゲンバクドーム」は資料によると戦争のない世界を目指すといった目的で重要に保存されていたらしい。

実に素晴らしい考えだ

私たちの世界ではまだ、世界を巻き込むような大規模な戦争は起こっていないが

この考え方は是非、見習いたいものである。



「目的地までまだまだあるぞ~」


そんなことをつぶやきながらルンルン歩く「ニンゲン」

何故、そんなルンルンできるのか

私はそう思った

近くにはすでに液体化した死体が山ほど転がっている

ウジも沸いている

映像越しでも鮮明に思い出せる死体の死臭

私はしがない研究者、故、いくつかの研究で様々な動物...それは人類も含んで様々な死体を見てきた

もちろん、死体なんて見たくない。気持ち悪いし、死体独特の気持ち悪いにおいがある

私なら人類どころかイノシシとか他の動物の死体が一つでも転がっていても気分が落ち込むだろう

ずっと、思っていたがこの「ニンゲン」、精神力がおかしい

実を言うと心が無いのではないかと疑った時もあった

だが、別に言うほど無表情と言うわけではない

事実、今も何故かものすごい笑顔で道を歩いているし、憎悪の感情も悲しみの感情もある。

喜怒哀楽の感情がちゃんとあるのだ。

私はこの違和感が何なのかわからなかった

この違和感がわかる日が来る日がいつか来るのだろうか



「も~ちょっとで目的地だよ~」


ぶっちゃけ、景色がほとんど同じなので現在地が全く分からないが…

見れば、そこら辺の池から湯気が出ている。そこから考えると、それは…お湯か?

かつ「ヒロシマ」の近くときた、つまりは


「ここは大分県!!温泉が有名な場所さ!!まぁ、私温泉入らないけどね~ワンチャン溶けちゃうかも…だって~こんな長旅だよ?気持ち良すぎて…ぐひひ~」


…ビンゴ

溶けるというのは比喩表現だろう

まぁ、わからなくはない

温泉とかお風呂とか疲れているときに入るとかなり気持ちがいい


「んまぁ!!どうでもいいからこのまま一気に目的地まで突っ切っちゃうぞ!!」


と、声を張り上げて進み続ける「ニンゲン」

この旅ももうちょっとで終わると思えば、少し悲しい



「目的地につきましたよ~」


ここはどこだろうか

なんだか見た目は「ワフウ」っぽい

例えるなら「キョウト」の外観って感じだ


「ここは長崎の出島、昔になんか交易とかされていた場所だね」


「ナガサキ」の「デジマ」か

まぁ、結構有名なところである

「二ホン」の昔の資料とかで結構見かけるワードだ

それと「ナガサキ」もさっきの「ヒロシマ」と同じ、被爆地であるため、有名あった。

でも...なぜこんなところに?


「よいしょっと...」


すると

その「ニンゲン」はその録画機器を地面に固定し、その映像内に自分が映り込むよう

”そこ”に立った


「...ふっ...」


「ニンゲン」は笑顔を見せる

その笑顔の意味は私にはわからなった

風がなびく、波の音が鳴る

背筋に寒気がした


「…この世界は…素晴らしい。木々が生い茂っているし、その自然の中でたくさんの生命が暮らしている。」


と、呟いた

もしかして…とある考えがよぎった


「私はそんな世界が大好きだった。そして、そのそんな世界にある「ニンゲン」たちが作った素晴らしい建造物の数々も好きだった」


まさか…いやない

だって、この「ニンゲン」は不死なのだぞ?

でも、まさか…まさかだ

…死ぬのか?


「でも、「ニンゲン」のいない世界で私が生きる意味はない。」


「ニンゲン」は手を広げる

波の音が大きくなる

…嫌だ

私は素直にそう思ってしまった

もちろん、この「ニンゲン」が死んでしまえば、旧人類が全滅してしまうというのもある

だが、それ以上にこの長い時間…いや、まぁ、たかが二日間なのだが…

それでも、いつかにいった通り、まず、わたしはこの「ニンゲン」に愛着がわいてしまっている

それと、そんなこと関係なしに私は基本的にどんな生物であろうと死んでほしくない

「ニンゲン」は一回深呼吸する

人間は最後にこちらに体を向けて


「その違和感、その原因を解き明かしてみてね~」


そう笑顔で告げた後、背面から後ろへ倒れた

刹那、「ザブン」と波の音が鳴り響いた



違和感

ずっと、ずっと脳の片隅にあったもの

ずっと思い込みだと思っていた

だが、その考えは最後の意味深な発言によって否定されることになる

なんだ?この違和感は?

私は何に違和感を覚えている?

何度も何度も考えた

が、納得いく考えはどれも思い浮かばなかった

…この瞬間まで

私はある考えが脳裏によぎった

考えたくもない...そんな考えが

そんなわけがない…と思った

否定できる考えを探し出そうとした

だが、その考えこそ浮かばなかった

点と点が線のようにつながっていく

考えれば考える程、その考えがあっていると...それが正しい事実であると証明されていく

プロジェクト・カーリー…不死の矛盾...知能を持ったウイルス...繁殖力...とてつもないほどの精神力...喜怒哀楽…

それらすべてが私を真実へと導いてくれた

「バン!!」と机をたたく音が鳴り響く

そう、私はそのクソみたいな真実を認めたくない故、机を思いきり拳でたたいてしまった

そして、そして...そして。

私はその薄暗い研究室の中、一人でつぶやいた










「そういうことだったのか...」

こんにちは~レイジネスです~

ミステリー?を書きたくなったので書きました

結構簡単な気がします(作者が勝手にそう思っているだけ)

わからないよ~って人は一回自身常識を捨ててみることです

この研究者はそれで真実にたどり着きましたから...

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