5話関空防衛戦・前編
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きずいたら床に倒れていた。頭がクラクラして気持ち悪い。
「うぇ・・・・・・」
吐きそうになる。
「おいおい、ここで吐くなよ」
口を押さえ、声のする方を見る。
「転移酔い。まあ、そのうち慣れて来るよ」
機関銃を持った男が話かけてくる。
「あの~、いまいち状況が理解できないんですけど・・・・・・」
吐き気が治まった俺は立ち上がり問う。
「ここ、どこですか?」
「ここは関西国際空港の中だよ」
「・・・・・・え?」
何がどうなってんだ?
「もしかして何も聞いてないのか?」
「・・・・・・まったく聞いてません」
俺がそう言うと、機関銃を持った男は困ったような顔をする。
「まじか・・・・・・なら見てもらった方がいいな」
ついてこい、と男が手招きをする。俺は無言で男について行った。
歩きながら機関銃を持った男が話す。
「まず言っておくことがある。ここは戦場だ」
「それは聞きました」
部屋で会った男が言っていたことを思い出す。
「ん?そうか、じゃあ俺のことも聞いているのか?」
「いえ、ここが戦場ということしか・・・・・・」
「了解。じゃあ次に俺の紹介だ。俺は金堂 武、君の護衛役だ」
「護衛?」
「そう、護衛だ。君を天使から守るよう指示されている」
「!!!」
天使。たしか神々の軍勢の兵士みたいな奴だと授業で聞いたことがある。
「まさか、戦っている相手は・・・・・・!」
「そう、我々が戦っているのは神々の軍勢だ」
「どうなってんだ・・・・・・?」
関西国際空港、略して関空。いつもにぎわっているそこはとても静かだった。
「驚いたか?まあ、奴らが攻めてくる時はいつもこんな感じだからな~」
緊張感の無い声で金堂さんが話かけてくる。
「・・・・・・怖くないんですか?」
静かに問う。
「そりゃ怖いさ。ただ慣れちまってるんだよ」
金堂さんが言うと同時に通信機らしき物が鳴る。
「はい・・・・・・え、わかりました。すぐ向かいます」
金堂さんは立ち上がり、
「ちょっと用事ができたから行ってくる。何かあったら通信機で連絡してくれ」
金堂さんは通信機を置いてどこかえ行った。
(連絡、ね)
通信機らしき物を見ながら思う。
(どうして俺、ここにいるんだろう)
あれから何分たったんだろうか。いっこうに金堂さんが帰ってくる様子がない。
(護衛が護衛対象から長時間離れていてもいいのかよ・・・・・・)
ふと、そんなことを思う。すると同時に何か爆発する音が響いた。
「!!」
驚き、音がした方を向く。その方角は金堂さんが走って行った方角だった。
「・・・・・・どうする?」
何かあったら連絡しろと言われたのを思いだし、置いてある通信機を手に取る。
「よし・・・・・・あれ?」
どうやって操作するんだ?数秒固まる。
すると、いきなり通信機が鳴り始める。
「うお!!驚かせんなよ!・・・・・・あ」
操作方法を知らない俺がでれるはずがない。なので適当にボタンを押してみる。
『お、繋がったか』
通信機から部屋であった男の声が聞こえてくる。
『いや~よくでれたね。使い方知ってたの?』
のんきな声が通信機から聞こえてくる。
「ちょっと待てよ!あんたさっき会った人だろ?この状況を説明してくれ!!」
通信機に向かって叫ぶ。
『・・・・・・いいか、今からお前の持つスキルを教える』
通信機から、さっきまでとは違う声音が聞こえる。
『緊急事態だ。手短に言うぞ。お前のスキルは奪略、相手のスキルを奪い合成、使用することのできる強力なスキルだ。今からお前にはそこで戦っている部下達のスキルを奪い、合成して戦ってもらう』
「・・・・・・」
無言。しかし、別に驚いているわけではない。
『いきなりだと言うことはわかる。でも』
「誰からの情報ですか?」
通信機から声をさえぎり問う。
『誰から?そんなことは』
「そんなことは、じゃない。俺のスキルをそこまで正確に知っている人は少ないはずだ」
声音で言う。
『・・・・・・』
通信機から返答はない。
「答えない、ですか・・・・・・わかりました。そちらの言う通り、天使と戦います。話はそのあとに聞かせてもらいます」
『まて、どういうことだ?まさか知って』
通信機を置き爆発の音が聞こえた方に走りだす。
「し、司令・・・・・・これはいったい・・・・・・?」
隣りで聞いていたライラが珍しく驚いている。
「聞いたとおりだ。野上君は知っていたんだよ。自分のスキルの存在を」
目の前に映し出されている戦場の映像を見ながら言う。
「だが問題ない。いや、好都合だ。あとは彼がスキルを奪い合成してくれればこの戦い、我々の勝利だ」
そう言いながら、通信機を手に取る。
「こちら大和だ。戦況はどうだ?」
『や、大和司令官。それが、その、なんと説明したらいいものか・・・・・・』
「映像を送ってくれ」
『は、はい!』
通信を切り、通信機を置く。
「どうしたんでしょうか?」
「野上君の活躍に驚いているんじゃないか?」
笑いながら映像を待つ。
「お、映った映った♪」
楽しげに言う。
「どれどれ・・・・・・ん?」
首をかしげる。
「司令これは・・・・・・!!」
ライラが絶句する。
「ははは、これは驚くしかないな・・・・・・」
映像に映っていたのは、一人の少年がいくつものスキルを使い、天使を殺している映像だった。
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