表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一日に約1分ズレる腕時計  作者: A.O.C.DESIGN
第三章 Secondi Piatti
PR
30/30

第三十話 売れる商品

チーム『Thankoneサンコーネ』のチャットルーム。


ミーナ | みんなはどんなお店に行きたいって思うんだろね。

ル カ | 私は、おしゃれで美味しいお店!

ショータ| オレは独自のメニューがあって、話題になっているお店とかかな。

ル カ | 盛り付けとか、おしゃれだったり、可愛かったり。

ショータ| 食べ方が変わっていて、楽しめたりするのも良いよね。

ミーナ | あー、そういうの。話題になってたりすると、行きたくなるよねー。

KIKU | 私、ユニークな演出を提供するお店、ピックアップしてみようか?

ミーナ | KIKUちゃん、それ良いかも!よろしく!


KIKUはユニークな演出をする飲食店のリストを出す。


ル カ | 面白いお店、いっぱいあるね!

ショータ| いろんなアイデアがあって刺激になるなぁ。

ミーナ | このフライドポテトのチーズフォンデュ食べたいなー。

ル カ | それ!めっちゃカロリー高そう!

ショータ| ビール飲みたくなる!

ミーナ | この和風パフェすごいねー。

ル カ | 蓮根チップのデコレーションがおしゃれ!

ショータ| 抹茶アイス、黒胡麻アイス、ホイップ、揚げ煎餅、黒蜜。さらにメロン。

ミーナ | 映えるねー。

ショータ| なんかオレ、これ作ってみたいかも。

ル カ | えー?作れるの?

ショータ| なんか、オレにも出来そうだなーって。

ミーナ | 真似っこじゃダメよ。

ショータ| もちろん。オリジナルのパフェ。

ル カ | 例えばどんな?

ショータ| 白と黒のコントラストに、赤をアクセントに使う感じ。とか。

ミーナ | 色!?味じゃなくて!?

ル カ | おしゃれ感はありそうだね。

ショータ| 味の設計は後からでも良さそうじゃない?

ミーナ | そうなのかなぁ。どう?KIKUちゃん。

KIKU | 発想がすごいと思う!普通は味からだけど、見た目から設計するって、ショータくんらしいよね!

ショータ| 現代のグルメはそこ重要じゃない?

ル カ | たしかに!

ミーナ | うん。写真とか動画を見てお店を知るんだもんね。

ショータ| 料理の写真だけじゃないよ。例えば板前さんが魚を捌いている動画とか。

ル カ | あー、良い仕事してる感!そういうお店行きたいなぁ。

ミーナ | 高そうだけどね。

ショータ| お店によるよ。パフェなら、例えば、盛り付けをしてる動画。

ル カ | それ見たいかも!下から積み上がっていくんだね。

ショータ| そうそう。それを、三倍速でとか。ポップな感じに作ると良いだろなぁ。

ル カ | なるほど!ねぇ、KIKUちゃんって動画も作れるの?

KIKU | もちろん!AIは動画も作れるけど、お店の動画なら実物を撮影したのを編集するのが良いと思うよ。

ミーナ | そうなの?

KIKU | うん。写真や動画を見たお客さんが、実物を見てがっかりするっていうの、マイナスになるから。

ル カ | それ!ほんとに、そう思う!

KIKU | スマホでキレイに写す撮影方法とか、撮影した映像を編集する時のアドバイスもできるよ。

ショータ| AIが作った動画じゃダメって事?

KIKU | ダメではないけど、情報を作ることよりも、実物や実体験の価値が大事なんだと思うの。

ショータ| 実体験か。

ミーナ | どんな体験ができるのか、って事がお店にとって大事なんだね。

ル カ | うんうん。何だか見えてきた気がする。

ショータ| ボスからのお題。どんな店が流行るのか、だね。

ミーナ | ねぇ、KIKUちゃんはどんなお店が流行るんだと思う?

KIKU | 流行るって、たくさんの人に注目されて、興味を持たれるって事だと思う。

ショータ| 注目、興味って、なんかマーケティングの理論があったよね。

KIKU | うん。AIDAとか、AIDMA理論の事だね。


KIKUは『AIDMA理論』について説明する。


ミーナ | うーん、なんか難しいなぁ。

ショータ| 要するに、段階を追って考えようって事だね。

ル カ | うんうん。あー、懐かしいなぁ、学校で習ったー。

KIKU | 流行るお店を作るためには、注目される事がまず大事。でも、その後の段階も大事なんだと思う。

ミーナ | つまり、実体験が伴ってこそって事ね。



「ハリーさん、『チーム男闘児おとこ』のみなさんと行くお店ってどこですか?」

ルカが尋ねる。


「うん、まだ決まっていないんだけど、候補はいくつかあるよ。

カジュアルなレストランか、ピッツェリアか、バル。」


ハリーはAIが作ったリストを見せる。

ルカはスマホで検索する。


店名。

画像。

紹介文。


評価点。

場所。

予算。


「どんなお店か、想像しているだけで楽しくなりますね。」

「うん。

でも実際に行ってみないとわかんないけどね。」

「それはそうでしょうけど•••。」


ハリーは微笑む。

「みんなで行って、楽しめれば良いよね。」


ルカはうなづく。

「はい!

その通りですよ。」


「いつにしようかな。」

「週末ですかね。」


「じゃ、金曜日にしようか。」



週末。


金曜日。


仕事の後。


ピッツェリアに集合。



「ミーナさんは、約束があるから来れないんだっけ。」


「はい。

女子は二人です。」


ルカ。

ヨーコ。


ハリー。

アラン。

マサル。


五人がテーブルに集う。

ピッツァとドリンクを注文する。


芳ばしい香りが漂う店内。

冷たいおしぼり。

文字とイラストのメニュー。


店内には観葉植物の鉢。

ドラセナ。

ベンジャミン。

モンステラ。


「思ったより静かなお店だね。」

「まだ時間が早いんですよ。」


ハリーは腕時計を見る。

午後6時。


カウンターの向こうに調理場。

生地を手先でクルクルと広げている。


「すごい。

慣れた手つきだね。」

「ああいうの、生で見るの初めてです!

感動ー!」


アランが口を開く。

「あれ、結構難しいんだよ。」

「挑戦したことあるのね。

アランくん。」

ヨーコが聞き返す。


「この店の生地は、あの伸ばし方に合わせたレシピになっているんで。

試作したの、オレだから。」

「あら、そうなのね。」


「特注の生地なんですね。」

ルカ。


「うちの会社、オーダーメイド対応しているんだよ。」

ハリー。


「そうっすよね。」

マサルが会話に加わる。


「結構、いろんなブレンド比率があるんすよ。

こね方や発酵の時間も違ったり。」


ヨーコがうなずく。

「ピッツァ生地の商品だけで何種類もあるのはそういう事よね。

卸価格もお店によって違っているの。

だから結構複雑なのよ。

経理業務。」


「なるほどー。」

ルカは納得する。


コトン、コトン。


ドリンクがテーブルに届く。


「じゃ、お疲れさま。」

「カンパーイ!」


カツン。

グラスを軽く当てる。


「ぷはー、ビール良く冷えてるー!」



カラン、カラン。


「いらっしゃいませー。」

店員の明るい声。

店に新しい客が入ってくる。


ハリーたちのテーブルの横を通る。


「あれ?」

ルカが客に気付く。


「うん?」

ハリーが振り向く。


男性が二人。


「あー!

カイトくん!

それと、ショータくんも。」


「ハリーさん!

みんなも。

お揃いっすね。」


「奇遇だねー。

オレたちも来たばっかりだよ。

一緒にどう?」


「えぇ?

良いんすか?」


「良いよ、良いよ。

みんなで一緒にピッツァ食べよう。」


テーブルに二人が加わる。


焼きたてのピッツァがテーブルに届く。

二人のドリンクも運ばれてくる。


「じゃ、改めて。

お疲れさまー。」


「カンパーイ!」



賑やかになる店内。


「いらっしゃいませー。」

店員の声。


「あれ?」

ルカ。


「うん?」

ハリー。


カップルが立ち止まる。


「リッくん!

ミーナさん!」


「げ。」

「あー、うわー。

みんないるー。」


「えー?

何なに?

二人、そういう仲だったの?」


「あー、いや、なんつーか。」

「えっとー、仕事の延長っていうか、勉強っていうか•••。」


「ミーナのお相手はリッくんだったのかぁ。」

ルカが笑顔でミーナに言う。


「あー、ごめん、ルカ。

先にリッくんと約束してたから。」


「良かったら一緒にどう?」

ハリーは二人をテーブルに誘う。


「ちょっと、ハリーさん。

二人の邪魔に•••。」

小声のルカ。


「えー、良いんすか?」

リクは即答。


「良いよね、マネージャー。」


「ううー、うん。

そうだね。」


リクは隣のテーブルから椅子を運ぶ。

「あ、店員さん!

こっちのテーブルに加わりますんでー。」


店員はすぐにテーブルを繋げて拡張する。

ミーナはルカの隣に座る。


「良かったのミーナ?

せっかくのデートなのに。」

「ううーん。」


追加のピッツァが届く。

ドリンクも届く。


「えーと、じゃーまた改めて。

お疲れさまー。」

「カンパーイ!」


賑やかになるテーブル。


「おいしー!」

ピッツァを食べるミーナ。

「おぉ、オレが作ってる生地が、こうなるんだ。

めっちゃ感動ー!」

リクも食べる。


「えーと、何人いるんだ?

ひーふーみーよー•••。」

「九人ですね。」


「あはは、そんなにいるんだ•••。」


ハリーは耳の後ろをかく。



カラン、カラン。


「いらっしゃいませー。」

店員。


「あれ?」

ルカ。


「う、まさか•••。

また?」


振り返るハリー。


「おー、やっぱりここか。

しかも、こんなにいるのか。」

「そうだね。」


サブローとジョー。


「ボス!」

「常務!」

社員たちの声が重なる。


「今日あたり、どこかで集まっていそうだったからな。

得意先を回って来たんだ。

挨拶がてらな。」


「そうだったんですね。

どうぞ、ぜひぜひ、ご一緒に。」

ハリーはサブローに席を薦める。


狭いテーブルに大人数。


ハリーとカイトは立ち飲み。


「いやー、渡りに船だな。」

「え?

なんすか、それ。」


「なんでもないよ。」


ハリーは笑う。


賑やかなテーブル。


焼きたてのピッツァが届く。


ドリンクも届く。


「じゃー、改めて。」


「何回目だっけ?」


みんな笑う。


「カンパーイ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ