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左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~   作者: 出雲大吉
第7章

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第277話 頑張れマリー


 エルネスティーネが遊びながらも教えていくと、マルティナも少しはマシになってきた。

 エルネスティーネは辛辣ですぐに投げ出して遊び始めるが、指導力はあるようだった。

 しかしながら3時のおやつを食べると、あくびをし、そのまま巣箱に引っ込んでしまった。


 その後も仕事をしていき、終業時間になったので片付けをしていく。


「マルティナ、実家に帰るのか?」


 戸締りを手伝ってくれているマルティナに聞く。


「ええ。今日は久しぶりの家です」


 まあ、実家があればそうか。


「勉強会は毎日しているから時間がある時にでも来ていいぞ」

「はい。ご飯を食べたら伺います。エーリカ先輩の部屋ですよね?」

「ああ。そこだな」


 ご飯を食べるところもそこだし。


「じゃあ、今日から参加します。エーリカ先輩、お邪魔します」

「うん。おいでよー」

「ありがとうございます。次の試験は厳しいでしょうけど、やれることはしたいんです」


 あのマルティナからそんな言葉が聞けるとは……

 エーリカのインゴット講座を右から左に流していた子とは思えん。


「……あいつの中で何か変わったのか?」


 起きて、ヘレンの尻尾滑り台で遊んでいるエルネスティーネに小声で聞く。


「意識が変わったんじゃ。自分の立っている場所、目指さないといけない場所が明確になり、そのためにおぬしやハイデマリーといった多くの人間が力を貸してくれたことに気付けた。ようやく歩き始めたといったところじゃし、モチベーションは高い。次は資格という壁にぶつかった時じゃな」


 なるほど。

 その時はマリーとこのエルネスティーネの出番か。


「頼むぞ」

「わかっておるわ」


 俺達は片付けを終えると、マルティナと別れ、支部裏の寮に戻った。

 そして、部屋に入ると、デスクにつく。


「マルティナも成長したんだな」

「ジーク様が見捨てずに頑張られたおかげですよ」


 そうか……


「そんな湿っぽい話?」


 ゾフィーが呆れる。


「色々あったんだよ。お前から見たら無駄しかない錬金術に見えただろうがな」

「いやー、そうでもないわよ。魔力の大きさは本当にすごかったわ。あんなだらだらと魔力を流してもケロッとしているんだもん。あの量の魔力を私が流したら数時間も持たないわよ」


 確かにそうだな。

 俺も魔力が大きいから気にならなかったが、普通はそうだ。


「あれだけがあいつの唯一の才能と言って良いからな」

「一応、化学も得意でしょ」


 まあな。


「お前、あいつが受かると思うか?」

「今のままでは厳しいわね。ただ、実技はセンスも十分にあるし、あれだけの魔力があればある程度補えるから希望は見えている。あとは筆記ね」


 やはり筆記か。


「マリーから何か聞いてないか?」

「時間がかかりそうとだけ。ただ、弟子連中とは上手くやってるらしいわよ」


 そうか……ならいいいか。


 俺達はちょっとすると、エーリカの部屋に向かう。

 すると、キッチンにはいつもの2人ではなく、3人がいた。

 エーリカ、アデーレ、サシャである。

 なお、レオノーラは普通に座っている。


「サシャ、今日もこっちで飯か? サイドホテルの料理も美味いぞ」

「お手伝いです。それにご飯は皆で食べた方が美味しいです」

「ですよねー」


 エーリカが満面の笑みで同意した。


「お前が何か言ったのか?」


 ゾフィーに聞く。


「1人であのレストランはちょっときついって言ったかな?」


 俺は気にしない。

 まあ、俺にはヘレンがいるし、1人っていうことはないんだが。


 俺達が席につき、待っていると、3人が料理を持ってきた。


「サラダを用意したのは私なんですよー」


 サラダはサシャらしい。

 見ていたが、アデーレはスープだ。


「サシャは料理ができるのか?」

「そんなに? 実家暮らしですし、たまにお母さんの手伝いをするくらいです」


 ふーん……包丁が怖いとか火が怖いとかいう感じではなさそうだったな。


 俺達はこの日も皆で料理を食べ、ちょっとすると、勉強会を始めた。

 すると、すぐにマルティナがやってきたので肝心の座学の方を見る。


「すみません……」


 何も言ってないのに謝られた。

 まあ、謝った理由もわかる。

 間違っているどころか、問題の意味すらわからず、ずーっと参考書を読んでいるだけなのだ。


「わからないなら仕方がない。ちゃんと理解してから問題を解け」

「はい……」

「何がわからないのかもわからんのじゃろ?」

「はい……」


 そうか……


「だから言ったじゃろ? 子供でもわかる物理から始めい」

「そうします……」


 マルティナが参考書をしまい、別の参考書を取り出した。


「色んな参考書があるのか?」


 物理は絞った方が良いと思うんだが。


「お姉さん達がくれました」

「これもダメ? あ、これも? じゃあ、これは? えーっと、妹が使ってたやつなら……って感じでどんどんとレベルが落ちていったわけじゃな」


 ハイデマリーの弟子も資格を持ってない奴もいるらしいが、本部に就職できたエリート連中だからな……

 レベルの差は仕方がない。


「それでいいからやってみろ」

「はい」


 その後、俺、ゾフィー、エルネスティーネでマルティナの座学の方を見てやった。

 正直、ハイデマリーは胃に穴が空くんじゃないかなって思った。


お読み頂き、ありがとうございます。

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結論 ハムすげー ハム万歳! ハムだけでいいよな? なぜにあんな優秀な使い魔ハムが出てきたのかw
大学で講義しようとしたら中学の基礎から始めるレベルだと試験はまぁ無理だろうて。 実技だけで通せるものでもないだろうし、丸暗記すら出来る以前の状態ではなぁ そしてレオノーラは名前は出たけど台詞は無し……
ハイデマリーの弟子は本部就職組なので、マルティナ以外は能力的にリート組(アデーレを除く)より高いはずだけど、試験に苦労してるっぽいのでジークさん指導能力も高いんだよね。 コミュニケーション能力以外はな…
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