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5バカストーリーズ  作者: ロイザー
魚は魚でも美味しい魚編
3/6

御久振リハビリテーション!

「ゲルス様、そろそろそのゲームを終わらせましょうよー」


 ここは空中庭園、ゲルスフォルスの住む城の中でそんな声が聞こえる。


「少しばかり待つのじゃ! あとちょっとで終わるのじゃ! 絶対に終わるのじゃ!」

「そのやり取りはもう何十回もやってるっすよー!」

「20分後じゃ! 20分後には必ず終わらせるのじゃ! 終わってなかったらなんでも言うことを聞いてやるのじゃ!」

「ゲルス様の言うなんでもは信用ならないんすよね……」


 ゲルスの目の前には様々な色に光り輝く液晶が存在する。液晶にはこの世界での魔物のような存在が縦横無尽に駆け回っている。これはゲルスが異世界から召喚したゲームらしい。


「まったく、ゲルス様はどの部分に惹かれて部屋に籠りっきりになったんすかね……」


 そのまま話を続けていても埒が明かないということで、ラナは部屋から退出し20分後を待つことにした。



     *



「20分経ったっすよ、ゲルス様。終わらせられたっすか?」


 部屋に入ったラナが見たものは、ベッドの上ですやすやと眠るゲルスの姿であった。


「これ、終わった判定にしていいんすかね……」


 ラナは事情聴取の為にゲルスを起こすことにした。


「起きてくださいゲルス様ー、このままだとなんでも言うことを聞く羽目になるっすよー」

「むにゃむにゃ……ゲームは終わらせたのじゃー、わっちえらいじゃろー」

「終わらせてもすぐに寝てたら意味ないんすけどね……あとこれ眠ったふりっすよね」

「ちぃ、バレたのじゃ、眠っていたら身体接触を見込めると思ったのじゃが」


 邪な考えをするゲルスにラナは、「どこまで行ってもゲルス様はゲルス様なんすね」と心の中で思ったのである。


「それはいいっすけどゲルス様、今日は釣り大会の日っすよ、もう始まってるっすからウチらのチームは多大なハンデを背負ってるっす」


 ラナの発言にゲルスはぽかんとしている。まるでその話を知らなかったのように。いや、多分忘れてるんだろうけど。


「もしかしてゲルス様……釣り大会のことを忘れてたっすか?」

「い、いや……忘れておらん。ほら、ここにしっかりと釣り道具が……」


 いくらゲルスが部屋中を見渡したとしてもそんなもの一切見つからない。


「忘れておったのじゃー! 釣り大会のことなぞ頭の片隅にも残っておらんかったのじゃ!」

「釣り大会での敗者はそれこそなんでも言うことを聞かされるっすよ! 急いで準備するっすゲルス様!」


 やっぱり忘れていた。

 結局、釣り道具の準備には30分近くかかり3時間のハンデを背負ってゲルスとラナは釣り大会に挑むことになったのである。



     *



 ゲルスとラナが川の釣り場に移動してから早1時間、特に進展もないまま日は落ちようとしていた。


「釣れぬ、まったくもって魚がかからぬ、このままでは負けてしまうのじゃ。緊急会議が必要かもしれぬ」

「緊急会議の時間は余ってないっす、残り30分っすよ」

「こうなれば釣り竿など使わずに直接に手づかみを……」

「ルール違反が無いように監視用の魔道具を用意したのはゲルス様っすよね!? 釣り竿を使わずに魚を取っても反則負けっすよ!」

「主催者特権は……やめておくのじゃ」


 案の定出遅れた影響もあり、一匹も当たらないまま終了の時間が近づく。しかし、ゲルスは諦めなかった。もともと敗者になんでも言うことを聞かせる権を提案したのは他でもないゲルスである、そんなゲルスが負けた時にはそれはそれは悲惨なお願い(暴力)を受けるだろう。負けるわけにはいかないのである。


「ルール上は釣り竿を使えばよいのじゃ、こうなれば5連……いや10連釣りを決行するのじゃ!」


 そう言うとゲルスは予備の釣り竿に加え魔術で複製した釣り竿を川辺に並べ始めた。


「いや、なんというかゲルス様、その方法はトローリングとかで使うのであってこの狭い空間に並べてもほぼ効果はないっすよ!」

「もしかしたらに賭けないとやってられんのじゃ! わっちは絶対に負けとうない!」


 努力は虚しく終わり、終了の時間までに魚は一匹もつれなかった。


「負けたのじゃ」「負けたっすね」


 二人の足取りは非常に重かった、希望という言葉はないかのように。



     *



 場所は戻り空中庭園、広場にて結果が発表される時間であった。


「まずは釣ってきた魚の中で一番大きいのを各チームで出してくださーい!」

「うるさいからラズに司会任せなければ良かったかもしれぬ」

「文句一言ごとに点数マイナスでもいいんですよー!」


 優勝の権利も敗者の罰ゲームも関係ないはずの暴走天使ラズリエルは一人盛り上がっていた。


「まずはオレ達のチームからだ! しっかりとデカいの釣ってきたぜ!」

「釣ったのボクなんだけどね」


 クーとロイザーのチームは自信満々に魚を見せびらかす、海釣りだったのだろう、全長2mのマグタナスはその鋼色の鱗をキラキラと光らせていた。


「マグタナスですかー、いきなり好成績ですねー! じゃあ次はアルっちのチーム行ってみましょー!」

「ふっふっふ……私たちは秘密兵器により美味し……大きい魚を釣り上げることに成功した」

「ゲルス様にあんなことやこんなことをするために全力を出し切りました」


 アルとルカのチームもまた自信ありげに魚を…魚?を見せる。どう見ても機械なソレはれっきとした魚である。その名もジコン・ベザ、体の一部が金属の古代魚である。その体躯は優に5mを超えていた。


「これで優勝確実、文句も言われず腹一杯に飯を食べられる」

「ふへへ……ふふふ……ゲルス様……」

「なんだか怪しい雰囲気ですねー! これ以上放置すると大変なことになりそうなのでゲルっちチームお願いしまーす!」


 暫くの間、誰も動き出さない静寂な時間が流れた。震えながらゲルスは口を開く。


「ない」

「はい?」

「成果が無かったと言っておるのじゃ!」

「あっそうですかー! じゃあ暫定最下位ということでお次に不正のチェックに移りましょー!」

「不正なぞないのじゃ……終わったのじゃ……」


 ゲルスが絶望する中、魔道具が運び込まれる、釣れ釣れくん1号と名付けられた魔道具は領域内で魚を釣る際に釣り竿や網以外を使用した際に不正と認識するという、なんだかよくわからないし原理もわからない、使い道も無さすぎる魔道具である。ラナ開発。


「さあさあ! クーっちのチームの魔道具から確認しましょー! ポチっと!」


 ———— ブーブーブーブー ————


 鳴り響くサイレン、つまり不正が行われていたということである。


「不正してましたねー! まあこのチーム最初から釣れるわけないと思ってましたけど!」

「チッ、バレたか。適当に魚殴って確保しただけなのによー」

「それルール違反なんだけどね……止めなかったボクも悪いけど」

「クーっちチームは失格ということで、アルっちチームも確かめちゃいましょー! ポチっ!」


 ———— ブーブーブーブー ————


 1度あることは2度ある、サイレンが鳴った。


「まさかまさかアルっちチームも不正ですかー! でもよく考えたらルカっちがいるから驚く必要ありませんねー!」

「何重にも魔術を行使して魔道具に認識されないようにしたのに、ショック」

「終わりました……私の夢は……潰えました……」

「ルカっちがこうなるのは珍しくないのでほったらかして、不正もくそもないゲルっちチームも確認しておきましょー!」


 鳴らない、そりゃそうである。


「不正無し! 一匹も釣れずに不正してたら恥ずかしいですけどねー!」

「他チームが全て失格ということはもしかしてウチらのチームの優勝っすか!?」

「優勝じゃ優勝! わっち達の優勝にしてくれなのじゃ!」


 ゲルスとラナからの激烈なアピールを受けるラズリエルは、しばらく考えた後。


「いえ、今回は優勝者なしということで! 権利も罰ゲームもありません!」

「なん……じゃと……」


 釣り大会は不正2成果なし1で無事?に終了した。でもゲルスからしたら遅刻して負けなかっただけマシなのかもね。

プロットも推敲もしてないので話のつながりも全て雑です。

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