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むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
8  二重螺旋攻略
651/999

8-3  耐性を試してみた

―1―


 とりあえず自室に戻り考える。


 どうしよう。そうだよなぁ。このまま、あっさりBランクになれると思っていたからな。


 うーむ。まずは《変身》して魔法学院に行くかな。そろそろ試験の時期のはずだから、それだけは受けておくべきだろう。

 明日になったら《変身》して、魔法学院の様子を見に行ってみるかな。そのついでにインゴットを作ったり、『二つの塔』で手に入れた小瓶を鑑定したり、そんな感じかな。


 と、忘れそうになっていたけど、手に入ったスキルも見てみるか。


 確か、『耐性(表)』のスキルツリーだったよな。何々……。


 サブスキル :耐性(表)ツリー

 光耐性LV0(0/200)

 土耐性LV0(0/200)

 木耐性LV0(0/200)

 火耐性LV0(0/200)


 あー、耐性ってそういう感じのヤツね。この耐性を上げていけば、火の中でも平気で歩けるぞー、ってことはないんだろうな。

 何というか、さ。この世界って物理法則に属性があるワケじゃないんだよな。火属性の火魔法と燃えている火は別物なんだよなぁ。だから、土属性だから岩とか、それぽい攻撃ってワケではなく、燃えている火のような土属性だってアリなワケだ。あくまで属性は属性。でも、それで引き起こされた現象は、また別というか……。


 例えば火属性の火魔法では相手に火属性の痛手を与えることは出来るわけだが、そのままでは燃えたり燃やしたりは出来ないんだよな。ファイアトーチの魔法のように燃えるって効果が付与されていないとダメ。まぁ、火の攻撃魔法は殆ど、それが付与されているみたいだけどさ。

 なんというか、都合良く世界を書き換えるというか、ゲーム的なシステムを無理矢理現実にはめ込めようとして無茶苦茶になっているというか、そんな感じだよな。


 ま、さすがに俺でもさ、長くこの世界にいるからさ、これくらいは分かるんだぜ! うんうん。


 で、この耐性って、多分、その火とか土とかの属性の、ゲーム的に言うならば、攻撃判定に反応するものなんだろうな。火属性の攻撃魔法の痛手を減らすとか、そういう感じで、さ。だから、物理現象として起きている火には効果がないと思う。まぁ、それが火の属性を持っていたら大丈夫って感じじゃないかなぁ。でも、それだと、自然現象の火じゃないよなぁ……。


 って、待てよ?


 それなら、この火耐性を上げれば八大迷宮の『名を封じられし霊峰』の入り口の炎も無視出来るんじゃないか?

 雨期まで燃え続けるなんて、どう考えても自然現象じゃないしな。俺が見に行って、その魔素の色の反応が紫なら確定だろう。これは突破口が見つかったかもしれないな。


 ま、まぁ、『名を封じられし霊峰』の件は、また今度だけどな。最後、最後。次は『二重螺旋』かなぁ。


 で、だ。耐性(表)がこれってことは裏は闇、風、金、水かな。


 あれ?


 これ順番がおかしく無いか?


 属性の並びって火水木金土風闇光だよな?


 闇と光が逆じゃないか? 何か意味があるんだろうか?


 ……。


 いやいや、何にでも意味を求めるのは危険だよな。たまたま、この世界を作った神様が間違えただけかもしれないじゃん。このスキルツリーだって迷宮王とやらが作った物なんだろう? そいつが勘違いしただけかもしれないしな。


 というわけで、だ。


 試しに1個上げてみるか。耐性で上げるなら……火だよなぁ。


 火耐性を1個上げてみる。


【《火耐性》スキルを獲得しました】

【《火耐性》スキル:常時発動(パッシブスキル)。火属性を半減する】


 ……意味が分からない。半減って何だ? 俺の周囲に漂っている火の魔素が半分になるのか? いやいや、まぁ、なんとなくゲーム的に考えれば意味は分かるよ、分かるけどさ! 分かるけど、意味が分からないじゃん!


 まだ上げられるのか……。よし、せっかくだから上げてみよう。400SPを消費してっと。


【《火耐性》スキルがレベルアップ】

【《火耐性》スキル:常時発動(パッシブスキル)。火属性を無効化する】


 一気に無効になったよ……。だから、無効って何なんだ……。まだレベルが上げられるのか、よし、上げてみよう。600SPを消費してっと。


【《火耐性》スキルがレベルアップ】

【《火耐性》スキル:常時発動(パッシブスキル)。火属性を吸収する】


 吸収かぁ! 吸収と来ましたか! 吸収してどうするんだ? 俺の体内に火がぎゅにゃぎゅにゃとたまっていくのか? 怖いなぁ。レベルのところは、これで横棒になったな。これで終わりってワケか。1,200もSPを使ってこれかぁ。吸収が逆に怖いな。


 ……。


 よし、試してみるか!


 幸いにも俺は火属性の魔法が使えるからなッ!


 こ、怖いから簡単な魔法からにしよう。


――[ファイアニードル]――


 針のような火の固まりを作り、自分の体に撃ち込んでみた。さ、最悪、キュアライトで回復すれば……って、あれ?


 何だろう、すっと体に吸収された。まるで俺が周囲から魔素を吸収している時みたいにすっと入ったな。


 よ、よし。


 今度はもうちょっと大きな魔法で試してみよう。


――[ファイアボール]――


 大きな紫炎の固まりを作り出し、自分にぶつける。やはり、というか、なんというか。作り出された紫の炎の球は俺の体にすっと取り込まれた。ホント、すっと入るな。こ、怖いぞ、コレ。


 そして、コレ、消費MPの半分が還元されるみたいだな。吸収ってMP回復かよ。これ、あったら便利そうだな。全部の属性を揃えたら、全ての魔法を吸収しちゃうんじゃないか? 無敵じゃないか? い、意外と凄いスキルかもしれない。


 よ、よし、実験はこれくらいにしておくか。


 明日は魔法学院だな。

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