表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
むいむいたん  作者: 無為無策の雪ノ葉
5  名も無き王の墳墓攻略
337/999

5-34  砂漠を進む

―1―


 と言うことで早速、砂漠横断である。


「オアシスの場所大丈夫かナ?」

「必要なら教えるヨ」


 あ、すいません。お願いします。

「ラン?」

 ジョアンがこちらを見る。ジョアンがすぐにでも出発しようと焦っているのがわかる。ま、情報はちゃんと入手しておかないとね、後が怖いからね。


「砂漠は東と北に広がっているヨ」

「北東には遺跡跡があるナ」

「ここから真東がオアシスだヨ」

「途中、砂に埋まった柱が目印だヨ」


 ふーん。遺跡ねぇ。この地はかつては砂漠じゃなかった的な感じなんだろうか。まぁ、でもさ、何にせよ目印があるのはいいよね。


 さあて、では行きますか!


「水、買わなくて大丈夫かナ?」

「安いヨ、安いヨ」


 ほー、ここだと水は買う物なのか。でもさ、俺にはアクアポンドの魔法があるし、いざとなれば《転移》で戻れるからね。


 と言うことで早速、出発です。




―2―


 砂漠に足を入れる。あ、沈む。これ、俺の小さい足だとヤバイかもしれない。


 ジョアンがザクザクと砂漠に足跡を残しながら進んでいく。うおう、重い鎧を着けているのにしっかりと一歩一歩進んでいくな。早い。何故だ。足場が悪いのにものともしていない。ちょ、これ、普段とは逆で油断すると俺が置いてかれそうだ。


 あ、そうだ。《浮遊》スキルを使えばいいんじゃないかな。


――《浮遊》――


 《浮遊》スキルを使い体を浮かせる。さあ、これで移動だ!


 ……。


 ……。


 歩けません。浮かぶだけじゃん! あー、そうか、《飛翔》スキルを併用しないと移動には使えないか。でもさ、《飛翔》スキルを使うと今度はジョアンを置いてけぼりにしちゃうからなぁ。うーん。

 仕方ない、ザクザク歩いて、砂に足が取られて動けなくなったら《浮遊》で浮かんで、また歩くって感じで進むか。せっかく地形効果無効の長靴があるのに、こういった地形は無視してくれないんだな。がっかりだよ。


 砂漠を歩いて行く。途中、何度かジョアンが丸い円盤のような物を確認していた。えーっと、それが方向盤かな。コンパスみたいな物かと思ったら微妙に違うな。

『ジョアン、それは?』

 俺の天啓を受けて、ジョアンが俺に謎の円盤を見せてくれる。

「方向盤だ!」

 円盤の1箇所が常に赤くなっている。ジョアンが動かすと、それに合わせて赤の位置が動いた。やっぱりコンパスじゃないか。

「こ、これは登録した方向を常に向く」

 あー、常に北とかじゃなくて、方向を登録して、そっちを常に向くって感じなのか。コンパスよりも優れている気がする。

「風の属性がある限り使える便利な魔法具だ!」

 なるほど、色が付いている部分が赤だもんな。こういった魔法具? にも属性があるんだな。ま、これがあれば砂漠で迷うことは無いか。


 砂漠をざくざくと歩いて行く。すると俺の近くの砂がボコボコと盛り上がった。うん? 何だ。砂漠の砂をまき散らし、砂の中から硬そうな甲殻と尻尾を持った虫が現れた。えーっと、蠍ぽいね。でも手がハサミにはなっていないのか。尻尾がある蜘蛛というか、蠍モドキって感じか。


「ラン!」

 ジョアンがすぐに2つの盾を構える。おうさ!


 俺も真紅妃と真銀の槍をサイドアームに持たせる。行くぜ!


 蠍モドキが大きな尻尾を振り回してくる。ジョアンが宝櫃の盾でそれを受け止める。ジョアンの盾によって尻尾が跳ね返り、それに振り回されるように蠍モドキがクルクルと吹き飛ぶ。お、何だろう、盾で攻撃を跳ね返すと同時に吹き飛ばすスキルでも使ってるのかな?

 しかし、ジョアンは何か違和感があったのか盾を振り回して感覚を確かめているようだった。どったの?

「踏ん張りが効かない!」

 あー、足下が砂だもんな。じゃ、俺はジョアンが吹き飛ばした蠍モドキに魔法をぶち当てますかね!


――[アイスランス]――


 しかし、魔法は発動しなかった。あれ? 何で? 何で魔法が発動しなかったんだ? うーん。まぁ、普通に真紅妃で貫くか。


――《飛翔》――


 《飛翔》スキルを使い、足下の砂を巻き上げながら蠍モドキの元へ。


――《Wスパイラルチャージ》――


 サイドアーム・アマラに持たせた真紅妃が、サイドアーム・ナラカに持たせた真銀の槍が螺旋を描き蠍モドキを貫いていく。あ、意外と柔らかい。いや、こいつが柔らかいというよりも真紅妃と真銀の槍が強すぎるのか?


 螺旋が貫くとすぐに蠍モドキは動きを止めた。楽勝、楽勝。


 俺が1匹目を倒したのと同時に周囲の砂が盛り上がる。次々と現れる蠍モドキたち。そこまで強くないから困らないけど、数が多いのは面倒だなぁ。


 ジョアンと協力して数を減らしていく。ジョアンが尻尾振り回しを盾で受け、その後ろから俺が真紅妃や真銀の槍で貫いていく。現れては倒し、現れては倒し、数を減らしていく。足下が砂地なのがキツいなぁ。


 しばらく戦い続けると、周囲には蠍モドキの死骸だらけになっていた。もう、終わったかな?

 うん、楽勝だった。困ったのは足下が砂地だったので《浮遊》や《飛翔》を使いながら戦わないと行けなかったことくらいかな。あー、後は、何故か魔法が使えなかったことも、だね。


――[ヒールレイン]――


 あ、やっぱり発動しない。えーっと、うん。これ、キツいかも。

12月24日タイトル変更

砂漠に進入 → 砂漠を進む

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ