レポート49:無事投獄。
土都。モノ作りを生業とするノームたちの住む国。また、刻印による術式にも精通しており、現代における高品質よ魔道具の類はノームによるものと言っても過言では無い。
その技術故に、その身を狙われる事も珍しくなく。それ故に入国には厳しい審査が必要もなる。
さて、ここまで話せば理解できるだろう。
「なー。だしてよー。」
「事実確認が終わるまで大人しくしていろ!」
みんな揃って投獄されてます。なんで?
罪状は不法入国。幸い、ウィーネとフレイドが居たから話は聞いてもらえて現在崩落してきた穴の調査中らしい。
「いいじゃないか。ちゃんと確認したら出して貰えるんだから…ね?だからちゃんと大人しく待ってようねー?」
「マスターは子供ですね。待つことを覚えましょう。」
露骨に何故か子供扱いされているがもう知ったことか。権利への配慮のためか、備え付けられたベッドに横たわる。
「全く…カキュウは忍耐が足らんなあ??」
「お前らはあんなあっついとこで暮らせるくらいだし忍耐ありそうだよな。」
「特に貴様、今回は不機嫌に見える。」
「…もしかしてマスター……結構土都楽しみにしてました?」
倉庫の門を開いたり閉じたりしていた手が止まる。
妙な沈黙。逸らされた目。
「…図星なのかい!?」
「はっはっは!!なんだ可愛げあるではないか!」
「うっさい!【倉庫解放】!!」
「あ、こらやめろバカ!こんな狭いとこで!」
「落ち着いて!ステイ!ハウス!!」
「マスター!?」
2つの物体を同時に出すことで存在の反発を利用しての射出を行うと全員が避けたことで鉄格子にあたり大きな音を立てる。
「おい…そこの男。今何をした?」
「す、すまない。私から言って聞かせておくから…」
「違う、そうではなく…今、無から物を出さなかったか?」
「?まあ厳密に言えば少し違うが…」
「…うーむ……そこの女。王女ではない方だ。」
「私でしょうか。」
「名はなんという。」
「識別名:コード・モノリスです。」
「苗字みたいな名乗り方すんなや。」
「マスターは、モード・カキュウですね。」
「強制的に??」
「モノリス…カキュウ…うーむまさか…」
部屋の隅の方に空いた、凡そ直径15cm程の穴。舗装されたそれのそばを杖で一定のリズムで叩くと現れた…なんだあれ。モグラ?多分モグラの生き物に文書を渡すとすぐに引っ込んでいった。
「…なあ、あれなんなの?」
「伝書土竜だ。」
「やっぱモグラなんだあれ。」
「伝書ということはあれで連絡を行うのか!」
「土都の範囲内ならな。お前ら土都の事なんも知らないんだな。」
「都に限った話ではないさ。今の時代、もう国交なんて絶たれて久しいからね…」
誰も何のせいとは言わないが共通認識として存在している、赤い世界。
「結局の所、俺らに必要なのは情報と技術。その為にも土都は十分に見て回りたいんだが…?」
「今。確認中だ。座して待て。」
「…ふん。」
不貞腐れたのか壁に向かって寝転がったカキュウを苦笑しつつ見て笑うのだった。




