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夢と現実

本編開始です。

 っ...、眩しい。もう朝か。変な夢を見たな。まるで私が創造神カレン様だったような...。まぁ、そんなわけ無いか。私が創造神カレン様の生まれ変わりなんて、そんなこと、起こるわけがないんだから。大体、王族やクラウディオ公爵家ならともかく、私はただの平民。さらに言えば、貧民層に片足(いや、両足か)を突っ込んだ状態なのだ。創造神様との共通点なんて名前が一緒ってところだけ。それだって別に珍しいことじゃないし...。


 なぜ王族や公爵家なのかというと、この国、ルミア神王国は、創造神カレン様を中心とした神々が建国したという伝説(いや、神話か?)があるのだ。さらに、代々の王族が守ってきた書には、古代の言葉で、『真に女神の力を欲するものが現れし時、王の血が流れしものに女神の力が現れる』と書いてあるらしい。つまり、女神の力が現れるのは王族かその血を分け今も親密にしているクラウディオ公爵家のみ。王族に関係ない私には一切関係ない話なのだ。


 もっとありえないという根拠を話そう。私は、属性を持っていないのだ。この国では、定期的に瞳の色が黒い子どもが生まれる。それは基本的に、その子どもが属性を持っていないことを指す。ただしいくつか例外がある。例えば、時空間魔法、結界魔法、古代魔法、種族特有の魔法など、特定の属性のみに適正がある場合、瞳の色は黒か、黒に近いグレーになる。また、10歳までは誰でも瞳の色が変わる可能性があるため、生まれたときと属性が違う、あるいは生まれたときは持っていなかった属性を持っている、なんてことも起きたりする。なら私にも可能性があるのではないか、10歳まではそう思っていた。しかし、どの属性にも反応せず、瞳の色も変わらなかった今、よほどの奇跡でも起こらない限りは私は属性を得ることができないことが確定してしまった。それこそほんとに女神の力を授かるとかね。


 自分が持っていない属性でも多少は使うことができるが、魔力の消費効率がありえないくらいに悪い。土属性の人がウォーターボールを放とうとしただけで、普通の消費量の約1000倍を要したなんて話もある。この話が本当かどうかは私にはわからないが、少なくともそれくらいの話が普通に出るくらいには、効率が悪いやり方なのである。ところでこの話、続きがあるのだが、氷属性の人が同じことをしたら、消費効率は約10倍くらいで落ち着いたらしい。属性が近ければ多少の補正はかかるようだ。いや、倍率おかしくない?


 ちなみに属性を得たいなら瞳の交換的なことをすればということを考えた人が昔いたらしいが、実験は失敗。交換したはずの瞳の色は元の属性に戻り、魔法もまともに使えなかったらしい。どうやら魔力の状態が瞳に現れているだけのようだ。


 少し話しすぎただろうか。かなり時間がヤバい。今日はこれからある学校の受験に行くのだ。その名はルミア魔法学園。ガッツリ魔法って言ってる? 知らないね。おんなじことをみんなから言われたけど、私はここを受験するのだ。理由は単純。もしも受かったら、生活補助金が出るのだ。それも卒業後、一定水準の年収を得るまで! これは私たち貧民層からすればかなり美味しい話だ。ついでに学費・食費も無料になる。素晴らしい。え? つられてるだけ? そんなに簡単に受かるんだったらそんな条件出さない? そんな事はどうでもいい。私はただ、生きるのに金がほしいのだ。少なくとも学費・食費は無料だし、寮もタダで入れる。バイトや仕事もOKだし、学内で働かせてもらうこともできる。そうすれば仕送りもできる。あと純粋に高校生活って憧れない? 響きが素晴らしいよね。それに、どうせ落ちるんだから記念受験のつもりだし。


 そういうわけなので、行ってきまーす。

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