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氏康、覚醒です。

今川館の大広間でお屋形様と北条 長綱殿と北条 氏康が対面している。


氏康は何やら大物のオーラを纏っている……

昨日までそんなオーラは纏ってなかったよね?

妹の華と出会って覚醒したのか?

そんな事、あるのか??


そんな事を考えていると、お屋形様から今川家と北条家との同盟と氏康と華との婚姻が発表された。


それに合わせ、武田家との同盟を締結する方針を発表した。

昨日の夜に三浦氏員殿が甲斐国から武田家との話をまとめて帰って来た。


これから、細かい事を話し合い同盟を締結する予定との事だ。


家臣たちからお屋形様に向けて一斉に祝いの言葉を述べるとお屋形様は満足した表情で頷いていた。


会談は無事に終わり、私は氏康の部屋へと向かうと部屋の入り口には困惑した顔をした長綱殿がいた。


部屋を覗くとさっきの会談時の氏康ではなく、でれっとした顔をした氏康がいた。


氏康の隣には旅装束に身を固めた妹の華が座っていた……

華さんや…どこへ出かける気だ?


そう尋ねると氏康と共に小田原へと向かうつもりだと言う。

それを聞いた氏康はうん、うんと頷いている。


困惑していた長綱殿は私に気付き、私になんとかしてくれと目で訴えて来た。


私は華に対して説得を始めた。

華の輿入れには軍勢を付けて、嫁入り道具なども用意して今川家の威信を示さなければならないので一緒に行くのは無理だと伝えた。


華は絶望した顔をしたが、その横で氏康も絶望した顔をしている…

あぁ、氏康をぶん殴りたい!!


華は少し考え込んだ後に私に向かって、やはり旦那様と一緒に小田原へ向かうと宣言した!!


その直後に華は首根っこを掴まれた!!

振り向いた華はビクッとした後にそのまま固まった。


華の首根っこを掴んだ人物は母上だった……


母上は笑顔だったが目は笑っていない。

母上は華に対し、女同士話会いましょうと告げ、首根っこを掴ままれたまま引き連られて行く。


その後を華付きの侍女が追いかけて行く。

どうやら華付きの侍女は華の暴走を止められず、母上に助けを求めに行っていたようだ。


部屋から出る時に氏康に対して旦那様、また後ほど!!と笑顔で告げて連れ去られて行った。


華が連れ去られた後、静けさの中に私の溜め息が響いた。


氏康は未だに悲しい顔をしているが長綱殿は私がまだいるのに氏康に対して説教を始めた。


どうやら長綱殿は昨日の氏康の態度にお怒りだったようで、しっかりとしないと華との婚姻を断ると昨日も散々説教したそうだ。


その結果が会談の時のオーラを纏った氏康だったようだ。


長綱殿には華と一緒でなければ氏康は大丈夫だと思うから華と一緒の時は大目に見てあげてほしいと懇願した。


氏康は私を救世主を見るような目で見つめている……


長綱殿は氏康を一度見た後に私をみて溜め息をついた後に一言、わかりましたと呟いた。


表情には出していないが長綱殿も氏康をぶん殴りたいんだろうな、きっと!!


華が関わらなければとても良い奴なんだけどね。

そんな氏康に妹をよろしくと告げて退室した。


その足でお屋形様の部屋へと向かう。

お屋形様に予め、会談が終わったら1人で部屋まで来るような言われていたので1人で向かっている。


お屋形様の前に氏員殿が待ち構えており、お屋形様の部屋に入るように案内され入室した。


氏員殿はそのままお屋形様の部屋の外に居座るようだ。


部屋の中には今川 氏輝の兄上と母上と弟の今川 氏豊がお茶を飲みながら雑談をしていた。


母上に華の説教は終わったのか尋ねた所、取り敢えず説教を済ませ私との話が終わったら教育を行うとの事だ。


母上との会話が済んだところで兄上が話を始める。


武田家との同盟が締結された後、今川家は三河国と尾張国へ目を向ける事になる。


三河国はほぼ松平 清康が平定しており、尾張国へも兵を繰り出している。


尾張国では、尾張守護である【斯波 義統】は尾張下四郡を支配する尾張守護代の織田大和守家の【織田達勝】に擁されて傀儡的存在になっている。


尾張上四郡は尾張守護代の織田伊勢守家の【織田 信安】が支配している。


尾張国で今、1番の力を持っているのは達勝の重臣である勝幡城主の織田 信秀である。

信秀の父親である【織田 信定】が津島湊を支配して津島湊の経済力を背景に力を伸ばしていき、信秀に代替わりしてさらに海東郡、中島郡に勢力を伸ばして力を付けて行った。


そんな尾張国の那古野城の城主は今川那古野家当主である氏豊なのだがその気になればいつ滅ぼされるか分からない状態だ……


武芸の才が無い氏豊にとって周りに敵しかいない状態で信用できる家臣も数人しかいな状態で精神的にも追い詰められて来ている。


自分と同じ、連歌を趣味に持つ信秀とは親しくしていたが、私との書状のやり取りをする内に信秀の中に在る野心に気付き、警戒をするようになった。


氏豊は命のやり取りでは無く、好きな連歌を楽しむ生活がしたいと思う気持ちが日に日に強くなり真剣に兄上に相談しに兄上の所にやって来たそうだ。


普通に考えたら、甘えるな!!と一喝される所だが兄上は家族に甘い所がある。

流石に一門の者が泣きついて来たからといって望み通りに叶えたら家臣たちは不満を抱き、今川家を侮る事になる……


そこで河東を安定させた実績を持つ私に何か良い解決策がないか意見を求める事にしたようだ。


兄上の考えは今川那古野家は完全に今川家の家臣となり、領地の那古野城を今川家に差し出させ、信頼出来る者を那古野城城代にする事だ。


それだけでは氏豊への家臣たちからの批判、不満が出るので京に身を置き、京の情報を駿河国へと送る役目を氏豊に与えてはどうかと提案する。


もちろん、朝廷、公家、貴族、商人などとのパイプ役になってもらう。


私がその提案をすると氏豊は目を輝かせて京に住めるのですか?と尋ねてきた。


兄上と母上もその理由で苦しいがなんとかなると考え、次に誰を那古野城城代にするかを考え始める。


考えた結果、今川一門を置かないとすぐさま那古野城は奪われるだろうとの結論が出た。


ふと、彦五郎の兄上の存在を思い出し、彦五郎の兄上の名前を出したが今は病に倒れており、無理だと言われた。

かなり、体調が悪いらしい……


史実では氏輝の兄上と彦五郎の兄上は来年に病で亡くなるはずだ。


氏輝の兄上は健康になって大丈夫だと思うが彦五郎の兄上はどうだろう……

彦五郎の兄上もまだこの時期は病にかかっていないはずだがな。

彦五郎の兄上にも肉や牛乳を薦めていたのだが食べる事を拒否されていた。


私としては彦五郎の兄上の回復を祈る事しか出来ない。


兄上は私に対して、申し訳なさそうに武田家との同盟が締結されたら仮で良いので那古野城城代になってくれと告げられた。


氏豊を見ると期待を込めた目で私を見ている。

もちろん、私に対しての申し訳ないという感情もその表情から感じさせられている。


私は小さく溜め息を吐いてから那古野城城代を受ける意思を表明した。




















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